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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
203/354

1-203冒険者達の噂と『アイギス』の目的とか

『白銀龍』の初めての『イージス』は、麓の街を越え大陸中に光の波になり、大陸中の赤目に影響を及ぼしていった、『イージス』の光を受けた赤目達は、人知れず朽ちて逝くのだった

麓の街の冒険者達も、目の前で崩れ落ちていく赤目の黒犬を凝視していた


「さっきの光の影響か・・・?」


「周りの赤目も崩れていく・・・」


「周囲警戒徹底!!、赤目だけに気をとられるな!」


片手剣と楯を構えた冒険者と槍を構えた冒険者が、目の前の光景に目を奪われているのを、リーダー格の大盾の冒険者が声をかける

3人の後方にいる杖を構えた冒険者は、魔法障壁をパーティー全体に展開し、先ほどの光と共に森の奥で展開された『魔法』の事を考えていた


「さっきの魔法はエルフの秘呪じゃないでしょうか」


「あの光がエルフの『魔法』と言う事か?」


「確信はありませんが、魔力の規模から考えて間違いないかと・・・」


大盾の冒険者は、周辺の赤目の反応が次々と消えていくのは感じていたが、森全体に影響を及ぼす魔法の存在を聞いた事が無かった


「どうする、周りの赤目の反応は消えたけど・・・」


「一度戻った方が好いんじゃないのか?」


片手剣の冒険者と、槍の冒険者が周囲に赤目は勿論、大猪や黒熊の反応が無い事を感じ、『呪い』の効果が消えた事をギルドに報告する事を進言してきた

もしくは、他の冒険者が報告し、今回の『赤目の討伐クエスト』が終了し、報酬の分配が始まる可能性があるからである


「周囲警戒しつつ、麓の街へ帰還!」


大盾の冒険者は、クエストが終了した可能性を考慮し、周囲を警戒しつつ麓の街へ戻るのだった

街へ戻る過程では、やはり赤目との遭遇も無く、森全体が草木が生い茂る光景に驚きつつも、無事に麓の街へ帰る事になる


「街道沿いが花畑になっているのは・・・さっきの魔法の影響?」


「エルフの『木魔法』か『森魔法』だったのかな?」


杖の冒険者が草木に影響を及ぼす『魔法』を口にするが、赤目を消し去るほどの効果がある魔法は無かったはずと一人首を傾げるのだった



一方その頃、『アイギス』の簡易陣地でも『白銀龍』の『イージス』の光の波を感じ取り、シルキーとミルキーがアライズ達にこっそり教えていた

アライズ達も『イージス』を修得していたが、『白銀龍』が使える事を知らなかったし、森全体に『イージス』を展開している事に驚いていた


「『白銀龍』も使えたんだね・・・『イージス』」


「そりゃ、私達の修練を毎日見てたからね」


シルキーとミルキーはメンバー全員の魔力を個別に感じる事が出来たので、誰が何の魔法を使っているのかは、理解できたが『白銀龍』だけは魔力の区別は出来たが、実際にはリウ達の前では魔法の使用は初めての事であった

それだけにリウ以外のメンバーは驚きこそすれ、やっと私達の前で使ってくれたと、嬉しく感じていた


「それにしてもシルキーとミルキーも『イージス』の広範囲で展開できる?」


「無理です♪」


「さっきの光の波っぽくは『白銀龍』だから出来たんじゃ?」


「私達は『イージス』を盾としてなら展開出来ますが・・・」


「光の波としての使い方は、リウでも無理なんじゃないかな?」


「それにイメージ以前に魔力の大きさ的な問題かな?」


「広範囲に魔力を展開しては、ものの数分で魔力枯渇で倒れる・・・」


シルキーとミルキーの『イージス』談義にアライズは「そうか~」としか返す事が出来なかった

アリサとアンナは、簡易陣地の四方の塔で監視をしていた巫女の護衛4人が、慌ててアライズ達の前に降りて来て


「大変です、さっきの光で周囲の赤目が崩れて消えてい見ます!」


「こっちの赤目も崩れていきます!」


「さっきの光は魔法ですか?」


「それにエルフの集落の方から光っていた気がするんですが・・・」


巫女の護衛4人が興奮した様子で次々で声をあげているので


「さっきのは『白銀龍』の魔法だから安心して」


と、アライズが簡潔に答えると、『かまくら住居』の中からハルクさんが


「『白き龍』は魔法を使えるんですか?」


真剣な顔でアライズ達に聞いてきた、アライズ達は何かへな事でもあったかなと思いながらも


「使うのは初めて見ましたが、魔力の感じが『白銀龍』でした」


「あの魔力は『白銀龍』で間違いない」


アライズが答え、シルキーが『白銀龍』の魔力と断言した

ハルクは『白銀龍』が魔法を展開した事に驚き、シルキーが魔力で『白銀龍』と断言出来た事に更に驚いていた


「『白き龍』が魔法を使ったという話はエルフの伝承でも伝わっていません・・・」


「それは『白き龍』が魔法を覚えていなかったのでは?」


「確かに『白き龍』と『黒き龍』にエルフ達が魔法を教えたと聞いた事ないですね・・・」


「やっぱり・・・『白き龍』・・いえ『白銀龍』は、私達の魔法の修練をいつも見て聞いていたから、それで覚えたのかもしれない」


アリサとアンナは魔法の修練時に、『白銀龍』がいつも隣で話を聞き、修練を見つつ自分でも実践していたのでは?と考えていた、森での簡易陣地で火の番の時も、『白銀龍』が荷馬車の上から魔法の修練を見つめていた気が・・・


「それに龍なら私達より魔力が多いんじゃ?」


「龍は我々とは魔力も存在も違います、魔法を使わずに、魔力を行使しする事が可能です」


「魔力を行使?」


「そうです、我々の様に魔法と言う概念自体無いのです、言うなれば『龍魔法』でしょうか、ただし、1000年前の『白き龍』が『龍魔法』を使ったという記録が無いので、魔力を上乗せしての攻撃は確認したみたいですが・・・」


「魔力の上乗せ・・・魔力を纏う感じでしょうか?」


「そうです、龍は魔力を魔法に変換せずとも使えます、それが『龍魔法』です、龍のブレスなんかもそうですね」


「龍のブレス・・・?」


「そうですが、『白き龍』が使ったのを見た事は?」


「ブレスって、あれですよね、口から「がぁー」で吐き出されるやつ?」


「そうです、『龍魔法』の1つですね」


「んー、見た事無いかな?」


アライズはこれまでの旅の間に、『白銀龍』が自ら進んで攻撃をした事が無いので、『アイギス』メンバーは誰1人『白銀龍』の『龍魔法』を見た事も使える事も知らなかった

いつもリウの背中でぶら下がってるか、ノノ達と焼串を食べている記憶しかないな

アライズ・アリサ・アンナ・シルキー・ミルキーは、食べて眠っている姿と、リウの背中でぶらぶらしてい姿しか知らないので、『白銀龍』がブレスを使用する姿を想像できないでいた

アライズ達がニマニマしながら『白銀龍』の事を考えていると


「そう言えば、さっきの魔法の事を教えて下さい、あれは何の魔法なんですか!」


「あれはリウが教えた魔法だと思いますが・・・、『アイギス』のメンバー以外には教える事が出来ないんです、ごめんなさい」


アライズがハルクさんに魔法を教える事が出来ないと告げる

ハルクさんはガッカリしながらも、「それならしょうがないか・・・」と呟き


「それじゃ、『アイギス』に入れば教えてもらえるのかな?」


「それはリウに聞いて下さい、旅を再開するので、メンバーを増やすとは考えずらいですが・・・」


「リウさん達は旅に出るんですか?」


「はい、ここへは『白き龍』こと『白銀龍』の故郷探しが目標だったし、目的地に着いたなら『アイギス』の本来の目的の旅行再開です」


「・・・旅行ですか?」


「『アイギス』の本来の目的は、行った事の無い場所で食べた事の無い美味しい物を食べたり、見た事の無い薬草を採取して新しいポーションを作成する事です」


アライズやアリサ・アンナがリウ達に同行したのも、食べた事の無い食材や美味しい料理も気になるが、リウと一緒だと毎日が面白くて新鮮だった、アライズ達は『ひよこ亭』で過ごす日々から一変、冒険者として馬車で各地を回る旅行へ出かけた、冒険者になり魔法を修得し、野営を経験し森の中での宿泊や野外での食事など、『ひよこ亭』では経験できない事ばかりだった

出来れば今回のエルフの集落へも本当ならアライズ達も同行したかった、アライズ・アリサ・アンナ・シルキー・ミルキーは、冒険者としての実力と経験が他のメンバーよりも低かったのと、荷馬車や馬達の世話の為に留守番になってしまった、5人は簡易陣地で魔法の修練をしたり、ポーション作成をしたりと、自己の修練を率先して行っていた、ハルクさんから『聖魔法』を始め、『木魔法』や『森魔法』の修練をし、5人はリウ達よりも先に『木魔法』を修得し、鉢植えの花を咲かせることに成功した

『木魔法』の修得は、リウ達が戻った時に驚かす予定だった、それと5人は合同で『森魔法』の修得を目指し、茨の蔓を魔力でぬるぬる動かす修練をハルクさんの指導のもと頑張っていた


それはリウ達が戻る5日後まで続ける事になる


麓の街では、謎の光と赤目の消滅の噂話で持ちきりだったが、リウ達は勿論の事、ハルク夫婦もその噂を知るのは、リウ達が戻って暫らくしてからだった・・・

麓の街の冒険者と簡易陣地のアライズ達の話でした。

リウ達の旅の目的は、旅行です。

美味い物を探してぶらぶら道中記!


眠気に負け昨日は投稿できず、無念です。。

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