表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
196/354

1-196森での二泊とエルフの集落とか

森で一泊し、リウ達はエルフの集落へ向け駆けだしていた

相変わらず後方からの赤目の集団からは追われていたが・・・

赤目の倒しからは昨日と同様に、黒犬が30匹以上の集団になったら、具現化魔法『紐』で拘束し、範囲魔法で瞬殺するという方法で片付けていた

具現化魔法の「紐は、ノノとジャンヌが担当し、リウはメンバーの周りに魔法障壁を展開して安全を確保していた

範囲魔法は、ココとクラシスとリズが担当し、今日は魔力の消費を気にし、威力を抑えての魔法発動だったが、討伐速度に変化は見れなかったので、リウ達もあまり気にしなかった

『白銀龍』はリウに背負い、移動から討伐までの間、周囲の警戒を担当していた



リウ達『アイギス』の森での快進撃は、エルフの集落のエルフ達が遠目で確認していたが、近づいて手伝うわけでもなく、ただ、集落の高台から見ているだけだった

本来はハルクからの『白き龍』の話を聞いた時に、エルフの長老を始め、何人かのエルフ代表が『アイギス』の簡易陣地を訪ねようと打診したが、ハルクの話を聞き、集落で『アイギス』と『白き龍』が尋ねるのを待っていた


「『アイギス』は自分達の力で『白き龍』の話を聞きにエルフの集落へ来ます、長老もいきなり『アイギス』の簡易陣地へ来ないでください」


「いあ、でも、『白き龍』が麓の街まで来ているなら・・・迎えに行った方がいいのでは?」


「長老・・・その事でお話があります、どうやら『白き龍』は記憶を失っている可能性が・・・」


「では、エルフの集落の事や龍の巫女の事も?」


「覚えていない可能性があります、それどころか『黒き龍』の事も覚えていないかと・・・」


「1000年にも及ぶ『呪い』の呪縛かもしれんな・・・、自身の『呪い』の拡大を恐れこの地を去り、『呪い』が解け再びこの地へ戻ってきた・・・、それを喜びべきであろうな」


長老は遠い目をしながら、『白き龍』の再来を喜んでいたが、『白き龍』がこの地に戻ってきたのと同時期に、『呪い』の感染拡大・・・、『黒き龍』もこの地に?


「それと『白き龍』と一緒に旅をしている『アイギス』というパーティーとは?」


「私の娘のヘンリーとともに、麓の町を訪ねてきたと聞いています」


「ヘンリーと言うと、冒険者学園に入学したのだったな?」


「はい、学園行事で一緒に一時期「衣食住」を世話になり、その後のクエストを一緒に達成後に、『アイギス』のリウに師事していたとの事です」


「そのリウというのは?冒険者なのか?」


「本人は商業者ギルドのギルドカードを持っていました、ランクはEですが・・・」


「ランクEでは、この森のエルフの集落へ辿り着くのは無理じゃろう?」


「それが商業者ギルドの一員のはずが、メンバー全員がヘンリー以上に魔力が高く、しかも魔力操作に加え、魔法操作も中堅者冒険者並みでした・・・、先日は『聖魔法』を無事に修得してました」


「魔法に長け、魔法の修得速度も申し分無しと・・・?」


「はい、あのまま成長すればエルフ並みの魔力と、エルフ以上の魔法の使い手になると思われます」


「それは集落へ来るのが楽しみよのぉ」


「それとリウに関してですが、どうやら『白き龍』との意思疎通・・・、いえ『白き龍』の言葉を理解し、話をしていたのを確認しています」


「それは本当か?龍の巫女以外に話せる者がいようとは・・・」


「もっとも『アイギス』のメンバーも『白き龍』と話しこそできませんが、私の目から見ても信頼関係を結んでいるように感じました」


「龍の巫女は『白き龍』との関係は築けそうか?」


「食事は一緒の席で食べてはいますが、どうやらリウに懐いている感じで、リウの膝に座って食事をしていましたね、現在は『アイギス』の調理担当者?から、『白き龍』の好きな味付けや好きな料理を教わっています」


「『白き龍』が膝の上?」


「どうやら旅を一緒にするうえで、『白き龍』は魔法で身体を小さくしているみたいで・・・、現在の大きさは・・・、背負いの籠に収まる大きさです」


「魔力の節約じゃないと思うけど、何で小さくなって旅に同行を?」


「リウの話では、『白き龍』が記憶を無くしたので、一緒に旅をして故郷を探す為だと聞いています」


「そうか、『呪い』の影響じゃなく、自分の意思で大きさを変えているなら問題ないか」


「『白き龍』は『呪い』が解けていたんだよな?」


「はい、私が初めて見た時は『呪い』は解呪されていました」


「1000年の『呪い』を解いたのは・・・リウ達なのか?」


「それは無いと思います、彼らは先日初めて『聖魔法』を修得したばかりです」


「・・・誰が『解呪』したんだ?」」


「その辺は『アイギス』が集落へ来た時に聞けば宜しいかと・・・」


長老が冬前にハルクから聞いた話を思い出しながら、今まさに森の中を疾走し、赤目の黒犬を確実に討伐し、この集落へ来ようとしている『アイギス』がここへ到着するのは、2日経ってからだった


エルフの集落の高台からは、男性1人に女性5人が黒犬から追われ、暫らくしたら立ち止り追撃するという奇妙な光景を、遠見魔法で確認していた

男性は『白き龍』を背負いながら行動していた、女性3人は魔法を発動し、女性2人は魔法?で黒犬を拘束しているみたいだが、見た事も無い魔法なので、本当に魔法なのかはエルフの中の誰も知りえなかった

『アイギス』の動向は、ハルクから森へ侵入する日取りだけは聞いていたが、森への侵入早々に赤目の黒犬の反応が消えていく事を、不審に思ったエルフの実力者が遠目魔法で、『アイギス』の動向を確認したほどだった

遠目魔法で確認した限り、『アイギス』の魔法の実力は、中堅冒険者よりも上であることが確認されたが、範囲魔法以外の魔法は未知の物とした



その頃、赤目の黒犬から追われながら、『白銀龍』はエルフの集落からの遠目魔法の視線を感じていたが、すぐにでもリウ達に危害が及ぶもの物でないと感じ、その日の夜までリウに知らせる事は無かった、遠目の視線はクラシスとリズも感じていたと、晩酌の時に告白されたが、リウを始めノノやココ、ジャンヌも感じる事が出来なかったので、4人は少しだけ凹み周囲の警戒レベルを向上される事を決めるのだった

この日の簡易陣地は、エルフからの遠目での視線封じを込めて、巨大な『かまくら住居』を作成し、野営をする事になる

防壁無しにし、簡易トイレに浴槽は『かまくら住居』内に設置し、屋根の部分に見張り台を作り、『かまくら住居』の周囲に赤目が溢れてきたら、撃ち抜く事になった

明日にはエルフの集落に到着する予定なので、リウ以外は酒に果実酒を解禁し・・・、数時間後には5人とも酔い潰れてしまったが、みんなニコニコしながら話し飲み騒いでいたので夜を明かす事になる、途中クラシスとリズから「私のこと好き?」と聞かれ、「大好きだよ」と答えニコニコからニマニマした表情になり、酔い潰れたのは御愛嬌だろう・・・

ノノやココにも「大好きだよ」と告白したが、2人とも結構飲んでいたので覚えているかどうか・・・、ジャンヌは早々に酔いつぶれ、リウの膝枕で寝始めていたので頭を撫でながら「今日もありがとうな」と話し、リウが夜中の赤目討伐まで撫で撫でをするのだった

ハルクさんとエルフの長老との会話、遠目魔法での『アイギス』の確認をしてました。

リウ達は視線が気になり、巨大な『かまくら住居』で視線を防ぎ、夜を明かします。

『白銀龍』を背負ったリウだけが、屋根の上から赤目の黒犬を殲滅します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ