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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
195/354

1-195森での一泊とか

エルフの故郷探索1日目、リウ達は森の中での戦闘を終え、土魔法で今日の宿泊場所を作成していた

森の中という事もあり、木々が生い茂り、いつもの様に簡易陣地の作成は無理があった

リウはMAPを展開し、木々の少ない場所を探し移動していた

それと同時に赤目の黒犬から追われる様になり、駆けながら後方へ範囲攻撃を仕掛けていた


『火炎陣!』『風舞い!』『水刃砲!』


後方へ魔法を放ちながら駆けていたので、ココとクラシスとリズはリウ達よりも疲労困憊だった

リウはクラシスを背負い、ノノはココを、ジャンヌはリズを互いに背負いながら駆けていた

暫くすると、森の中の小川が見えたので、リウは周囲に赤目の黒犬がいない事を確認し足を止め

土壁で周囲を囲み、安全を確認してから、クラシス達を降ろし、ノノとジャンヌは簡易陣地を作成するのだった

その間にリウは、ココ達をイスに座らせ、お湯を沸かし紅茶の準備を始める

ココとクラシスとリズは、広範囲魔法を連続使用していて、魔力枯渇寸前だった

リウの淹れてくれた紅茶を飲み、ココ達はまったりしながら、今日の戦いを考えていた

魔力操作が甘かったり、魔法の範囲にばかり気を取られ、思った以上の効果が出なかったり、それと魔法の改良を考えていた


「今日は範囲魔法ばかりで疲れました・・・」


「それにしてはココの魔法は鮮やかに切り刻んでたけど?」


「木を避けて放つのは難しいです・・・」


「それと言ったらクラシスの『火炎陣』は上手く木を避けながら放ってたけど?」


「んー、慣れというか、木を避けて魔法を放つイメージで使用してるからね」


「木を避けるイメージで魔法をですか?」


「リウの言う所のイメージを考え、魔法を発動してたかな」


「やはり木に魔法を当てない様に?」


「そうだよ、『火魔法』は、木を燃やす、森を燃やす・・・制御できない魔法はここでは使えない」


「魔法の制御か・・・」


「クラシスの魔法は森では慎重に使わないとダメだしね」


「そういうリズの『水魔法』も森では威力がありすぎて大変だと思うけど?」


「『水刃砲』は高圧縮の水流で黒犬の足止めが限界だよ」


「木が邪魔だから?」


「それもあるけど、全力の『水刃砲』は木を薙ぎ倒す威力があるからね・・・」


「やはり完璧に制御しないといけないな・・・」


「今回の件が終わったら、私達は範囲魔法の制御の修練をしましょ」


範囲魔法使い達が反省会をしていた頃、リウは晩ご飯準備をし、ノノとジャンヌは『かまくら住居』と浴室、簡易トイレを作成していた

『かまくら住居』は6人が横になれるほど広く作られており、多人数が一度に寝れるほど大きな布団を敷いていた

リウは久しぶりの調理という事で、簡易コンロの鍋を乗せ、クラシス達が調理したホロホロ鳥の鶏肉と野菜スープを温めていた、肉と野菜が豊富に入った鍋でメンバーにも人気のスープになっていた

それと同時にテーブルとイスを作成し、大皿に焼串や焼鳥を並べていく

匂いに釣られココ達や『白銀龍』がテーブルに集まり、リズがアイテムボックスに酒を乗せ、「かんぱーい」と飲みはじめる

『白銀龍』はココが膝に載せ、焼串を食べさせていた


簡易陣地内が完成し、リウも外壁の土壁の補強をノノとジャンヌの3人で、高さ2mの幅1mの強固な作りにし、赤目の黒犬対策を万全にした、勿論入口も塞いだので進入禁止で、今日は一応、夜通しで火の番かな・・・


「それじゃ、晩ご飯にしよっか~」


「「はい~」」


リウは魔法で2人を綺麗にし、「おつかれ~」と声をかけ頭を撫でてから、「先に行ってて」と声をかけた、リウは「はふぅ」と一息ついてから魔法で自身を綺麗にした


リウがテーブルにつくと、クラシスとリズが焼串を食べながら、酒を飲みまくっていた

ココは『白銀龍』の相手をしていたので、果実酒を飲まずにスープを飲みながら、焼串と焼鳥を『白銀龍』の口に運んでいた

ノノとジャンヌも焼串とスープを食べていたが、1日中走りまくり、疲れていたので果実酒よりも肉ばかり口にしていた


リウがイスに座ると、『白銀龍』がココからリウの膝に移動し抱きついてきた

『白銀龍』を撫でていると、ココが撫でて欲しそうなので、『白銀龍』を抱いたまま頭を撫でてから晩ご飯を始めた


「クラシスとリズとココは魔力枯渇まで頑張ってくれてありがとう」


「赤目の出現数が多すぎる気がするんだけど・・・」


「森中の・・いや・・・山中の黒犬が全部赤目になった気がする」


「まだ、大猪や黒熊の赤目が現れないといいんだけどね」


リウは焼串や焼鳥を食べながら、MAPを展開し簡易陣地の周囲の赤マーカーを調べると、1k圏内に無数の反応があり、寝る前に周囲の赤目の討伐をしないとなぁ


「クラシスとリズとココは早めに寝てね、僕とノノとジャンヌは火の番と、寝る前に周囲の赤目を倒すよ~」


「「はい」」


「私達は火の番しなくていいの?」


「私とリズは飲み過ぎだけど、周囲の赤目の討伐くらいならできるよ?」


「そうそう、寝る前に範囲魔法数発撃てるけど?」


「んー、明日の事もあるし3人は魔力を完ぺきに回復させて下さい、ただ飲み過ぎ注意ね」


「「はーい」」


「まずはお腹いっぱい食べて、それから風呂入ってゆっくりしよう」


ココがアイテムボックスから追加のサイコロステーキや角煮などを取り出した

『白銀龍』も追加の肉がテーブルに並び嬉しそうにしっぽをぶんぶん振っていた

相変わらずアライズとリズを酔いつぶれリウから抱っこしながら布団へ運んでもらい

ココは『白銀龍』と一緒に肉の攻略に向かっていた


リウとノノとジャンヌは土壁を少しだけ改良し、土壁の幅を2mにし、簡易陣地の周囲を魔法で照らし、1体ずつ「ボルト」で撃ち抜いていく

赤目の黒犬を32匹倒したところで、周囲に赤目の反応が無くなり、リウ達の野営戦1回目を終了するのだった


森での一泊、赤目の出現数増加で久しぶりの野営戦です。

赤目の戦闘は戦利品無しで、戦闘の経験が今回の収穫です。

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