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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
193/354

1-193『風纏い』の実戦投入とか

麓の町も春になり、灰犬の毛色も黒色に変わり、草原も森も雪が融け、『アイギス』も地下施設から地上での修練を開始していた

リウ達は『風纏い』を唱え、草原を駆けていた

全力で駆けると、馬車よりも速く、黒犬よりも速かった為に、リウ達の後ろを黒犬が集団で追いかけられていた・・・

リウは全力の『白銀龍』よりも速かったので、今から森での駆けっこを楽しみに感じ、現在の自分達の状況を考えていなかった・・・

リウの後ろを駆けるノノ達は、後ろの黒犬の集団が追い付かれるか不安でいっぱいだった


「なぁ、リウ?」


駆けながらノノがリウに声をかけるが聞こえないみたいだった


「リウー、後ろー」


リウは草原を全力で駆けていたが、ノノ達の慌てた声を聞き、駆けながら後ろを振り向く・・・


「後ろ・・・?(チラッ)」


リウが後ろをチラ見し、後ろの黒犬の集団を確認する

リウは駆けながら「いつの間に追われてる?」と呟いてから


「それじゃ、黒犬を討伐しますか~」


と言ってから、リウは反転し土壁で黒犬の進行を塞ぐ

「ドゴォドガァ」

戦闘の黒犬が土壁に激突し、数匹の黒犬が蹲っている後ろから、後続の黒犬達に衝突し、その場で集団の2割は戦闘不能になる

リウは続けざま黒犬達を囲むように土壁を作成し、行動不能にする

「火弾!」「風弾!」

するとノノとココが、火弾と風弾で黒犬達を撃ちぬいていく、ジャンヌも負けじと

「ボルト!」

と狙い撃ちする、土壁で囲まれた黒犬達は、リウ達の全力の魔法で撃退された

赤目の黒犬だった為に、倒した後は崩れ落ちる

討伐しても倒した後に何も残らないのは・・・ガッカリというか残念というか・・・


「本当に崩れ落ちるんだ・・・」


「毛皮も肉も無いか・・・」


「しかも、『呪い』持ちって・・・」


「それ以前にあんなに集めてはダメなんじゃ?」


ジャンヌの指摘にリウは目を逸らし、ノノとココは「やれやれ」と呟いてから


「リウは、はしゃぎすぎです」


「もっと後ろを確認しないと・・・」


「他の冒険者がいなくて助かったけどね」


黒犬を倒し終わり、リウ達は土魔法でイスを作成し、一休みする

土壁は解除し、黒犬の残骸は時間が建つと綺麗に消え去っていた・・・


「赤目の黒犬は倒しても実入りが悪いね・・・」


「それでも赤目は倒さないとダメでしょ」


「赤目の黒犬は問題なく倒せた!」


「これでギリギリ森へは行けるけど・・・」


リウ・ノノ・ココ・ジャンヌの4人は、赤目の黒犬に対して不安は無かったが、黒犬以上の大猪や黒熊に対しては戦闘してないので、少しばかり不安があった

通常の状態よりも、赤目の時は数段強くなっていた、それに合わせ装備も新しくなっていたが、杖は鉄杖に変え、革服の上下に革鎧の胸当てを装備していた


「鉄杖の使ってみた感じはどう?」


「杖と棍の中間の武器っぽい?」


「最初こそ鉄杖に振りまわされていたけど慣れた」


「鉄杖は槍の代替え武器としては最高」


「重くは無かった?」


「んー、これくらいなら大丈夫」


「両手棍と同じ長さで、両手持ちで使えば問題なし」


「私は槍と同じように振り回せるから、槍より使い勝手いいです」


「槍と違って斬り裂く事は出来ないけどね・・・」


「いえ、黒熊や大猪は防御力が高いので、切り裂くよりも、力技で撲殺した方が有利だと思いますよ」


「それならノノやジャンヌ・クラシスの3人は接近戦が可能だけど、僕やココ・リズは魔法特化で赤目の討伐にあたった方がいいかな?」


「私やジャンヌが前衛で、クラシスが中衛?」


「僕が魔法障壁で全体を守りつつ、ココやリズが後衛で魔法攻撃をする」


「ランクEのパーティーとしては、攻撃力有りすぎる気がするけど・・・」


休憩がてらリウは紅茶の準備をし、ココはアイテムボックスから4個の林檎を取り出し、軽めの小休止をする事になる

ノノやココも簡易陣地では、『アイギス』の初期メンバーと言う事で、リウに甘える事が出来ずにいたので、今だけは年相応な笑顔でリウに接していた



「3日後にはエルフの集落へ向かうけど、僕とノノ・ココ・ジャンヌ・クラシス・リズの6人で行くから、そのつもりでいてね」


リウの突然の話に最初は理解していなかったノノ達も、次第にリウの話した内容を理解し


「メンバー全員で行かないの?」


というノノの質問にリウは簡潔に答える


「簡易陣地を守るのも必要だし、馬達の事もある」


「それに龍の巫女の事もね」


ココはメンバーの半数を簡易陣地に残るのには賛成みたいだ


「それでなんで3日後に出発するの?」


ジャンヌは明日すぐに森へ行かない事に首を傾げていたので


「ハルクさんからエルフの故郷へ向かう時は教えて欲しいって言われてね」


「それは無断でエルフの故郷へ行ったらダメとか?」


「どうやら敵対される可能性があるらしい・・・」


「いきなり弓で射られるとか?」


「かもね」


「なんともエルフは慎重すぎー」


「いやいや、慎重すぎるのは良い事よ、集落を守るならそれくらいしないと」


「ハルクさんはどうやってエルフの集落へ来客が来る事を知らせるんだろ?」


ジャンヌの質問にはリウを始め、ノノやココも答えを見つける事ができなかった


「まぁ、エルフ特有の魔法かスキルがあるんじゃない?」


っと、リウは曖昧な事しか言えなかった・・・



リウは明日ハルクさんに、『アイギス』がエルフの故郷へ向かう事を知らせる

それと同時に簡易陣地でハルク夫婦はリウの帰りを待つことになる

次回、エルフの森へ向かいます。

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