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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
191/354

1-191地下菜園と『ひよこ亭』の3人とか

簡易陣地での生活が始まってから、食事は『ひよこ亭』出身のアライズ・アリサ・アンナの3人がメインで調理し、食事のたびにリウやノノやココ等が調理の手伝いをしていた

リウやココ・リズのアイテムボックスに加え、『ひよこ亭』の地下室にも保存食が大量に保管され、麓の街への買い出しをしなくても、半年以上の食糧を備蓄していた

それに地下施設の暖炉の裏側に、地下施設の1/3のスペースの地下の畑を完備していた

暖炉の真後ろという事で、壁越しで部屋が暖かくなっていた、それに室内を魔法で明るくし、室内菜園での葉野菜をメインで育てていた

本当はトマトを育てたかったが、地下菜園が完成した時が秋過ぎだったので、トマトを育てるのを諦めていた、秋からでも収穫可能な葉野菜や根野菜を育てていたが、馬達用に人参を育てたり、サラダ用に数種類の葉野菜を育てたりしていた

畑の管理は、リウと『白銀龍』が担当し、室内が寒い時は簡易コンロに火を熾し、定期的に矢才に水をかけたりしていた、魔法で部屋の中を照らすのは朝から夕方で、夏場の日照時間と同じにした


地下施設で生活を始めてから、リウは毎日決まった時間に目を覚ますようになる

それはアライズ達3人が目覚める30分前には、『ひよこ亭』の調理場で料理の下ごしらえをし、時間のかかる煮込み料理を調理していた

前日に解体した大猪の肉は、最高の状態で内臓を始め、肉も野菜や果物と一緒に煮込み、無駄なく使う事が可能になっていた

内臓は野菜などと一緒に炒め、具沢山の煮込み料理は赤ワインをベースにし、作りすぎても大丈夫なように鍋に小分けにし、アライズ達の指導のもとマジックバックに保管する


「野菜と果物で肉の臭みは・・・無いな」


鍋の匂いを確認し、肉の柔らかさを確認・・・、竹串で肉を一刺しし・・・、うん柔らかい


「よしよし、肉も硬くなって無いな・・・」


リウはいつも通り調理しているが、アライズ達の方が料理の腕が上なので、味見をお願いし、結果を聞くまで緊張しっぱなしであった

暫くすると、アライズ達が調理場に集まってきたので、大猪の赤ワイン煮込みの味見をお願いした


「んー、臭みも無く、肉の硬さも・・・申し分なし」


アライズが煮込んで柔らかくなった肉をを一口食べて感想を教えてくれた

それを見たアリサとアンナも一口食べ、「うん、おいし」とか「もう少し果物を変えても良いかも」とか教えてくれた、煮込み時間は問題無しで、煮込む時の果物を工夫してみるか~


「リウの調理の腕も上がってきたね」


「これなら『ひよこ亭』で調理担当になっても大丈夫」


いあいあ、調理担当は君達3人でしょうに・・・

それでも料理の腕が上がったので、リウは密かににまにましながらアライズ達の話を聞いていた


「大猪の調理は任せても大丈夫ね」


「それじゃ、次は黒熊の料理を楽しみにしましょ」


「明日は黒熊の煮込みに挑戦」


あんまり熊の調理はしてないから苦手意識があるな、焼串とかは調理済みだけど・・・


「あんまり無理しなくても、焼串とかでも良いと思いますよ?」


「もしくは、サイコロステーキ?」


「その2つは食事というより、晩酌時に調理したい料理だね」


晩酌の料理は、アライズ達が午後の修練が休みの時に準備していた

使う食材も食事用に使用した残り物を使うようにし、食材を無駄なく使う様にしていた

酒を飲みながら食べるという事で、竹串に一口サイズの角煮やサイコロステーキをたくさん用意し、アリサとアンナのマジックバックに保管していた


「晩酌の料理はマジックバックにいっぱいあるでしょうに・・・」


「「まぁ、在庫はあるけどね」」


「晩酌用に少し作っても良いけど、アライズ達みたいに美味しくできないけどイイの?」


「久しぶりにリウの肴で酒を飲みたい」


「私も~」


「それなら今日の晩酌に間に合うように、午後にでも仕込みます」


「「「お願いします」」」


アライズとアリサとアンナは、久しぶりにリウの手作りの肴を楽しみにしつつ、頭を下げるのだった、リウは「しょうがないなぁ」と思いながらも何を作ろうか考えていた




「そういえば、アライズ達はここでの生活はどう?」


「どうというのは?」


「簡易陣地の生活の事?」


「それとも冬期間の生活の事?」


3人は色々思う所があったのかリウに聞いていた、ここでの生活に不満があるわけでもないので、何を聞きたいのかわからなかったが


「ここの生活は毎日楽しいけど?」


「毎日修練の日々だけど、みんなと一緒に成長しているし」


「それに街の宿屋より快適な生活って・・・普通じゃありえないからね」


「そっか良かった、ここでの生活に不満があったらどうしようと思ったよ・・・」


「それは考え過ぎだよ、広い調理場に美味しそうに食べてくれるみんながいて何に不満があるというんですか」


「そうそう、みんな美味しそうに食べてくれるし」


「こっちとしても毎日作りがいがあって充実した毎日ですよ?」


「地下施設では乗馬も出来るし、冬期間なのに夏場の様に身体を動かせるのもいい」


「冬場なのに、いつものように修練出来るほど、地下施設は暖かいから地下生活でも良いと思っちゃうよ」


「まぁ、簡易陣地は過ごしさすさ重視で作ったからね、食事と晩酌はとても大事♪」


それを聞きアライズ達は笑いながらリウの話を聞いていた

リウ達と旅を始め、こんなにも同じ場所で過ごすのは初めてだったが、充実している毎日に驚きつつも笑って過ごせる事に感謝していた

簡易陣地の地下には、貯蔵庫の地下室、修練場の地下施設、装備品を保管する地下室、地下施設横の地下菜園など、簡易陣地の地下の拡張は進んでいく。


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