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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
190/354

1-190乗馬と新しい魔法とか

冬期間の生活が始まってからシルキーとミルキーは、『アイギス』の簡易陣地の地下室で馬達4頭の世話をしていた

毎日の朝錬をし、午前中はポーション作成をし、午後からは地下施設で馬達と駆けっこをし、冬場なので毎日のお風呂は無しにし、代わりにブラッシングは毎日の日課になっていた

また、シルキーとミルキーは週3日は馬達の所で寝泊まりし、少しでも馬達が寂しくない様に過ごしていた


最近は馬具無しで乗馬を楽しむようになり、地下施設での2人による乗馬教室も『アイギス』の楽しみの1つになっていた


今日はリウが初めての乗馬という事で、シルキーが慣れて手つきで馬1頭をリウの傍まで歩いてくる

馬も慣れたものでシルキーの言う事を聞いているみたいだ

リウは何度か馬達にブラッシングをしていたので、馬もリウに好意的な感じだあった

それはリウが馬を撫でた時に嬉しそうに目を細めていたので、リウは心の中でシルキー達とブラッシングして良かったと思うほどであった


「ふわふわのたてがみ気持ち好い♪」


「馬も嬉しそうだよ」


「そかそか、今日はよろしくな~」


リウは馬にお願いをしてから乗馬する事にした、馬具も何もないのでブラッシングの時に使う荷台で馬に乗り、シルキーが馬を先導しながらの歩きだす・・・

リウは馬上での視線が高い事で最初こそ驚いていたが、馬はリウの不安な態度を感じで少し速度を落とし歩きだす・・・

暫らく馬と一緒に歩いていると、リウも慣れてきたのか速度を早足くらいの速度で走りだす

馬と一緒に歩いていたシルキーも馬の速度に合わせて早足になる


「シルキー、もう大丈夫だから、少し馬と走って来ていいかな?」


「本当に大丈夫?」


早足で馬と並行していたシルキーは、リウ1人で馬と走れるか不安だったが、リウを乗せた馬の瞳が「大丈夫、任せて」と言った気がしたので、馬を撫でてからリウ達から離れる・・・

馬はリウを乗せ地下施設を1周し、シルキーの所まで戻ってくる

リウは慣れない乗馬で地下施設1周で足腰ダタダタだった・・・

シルキーから見てもリウは疲弊していたので、リウと馬が目の前についた時に馬を停め、リウを馬から降ろした、リウはその場に座り・・・


「はぁはぁはぁ、足腰痛いです・・・」


「大丈夫?」


シルキーはマジックバックからタオルを取り出し、リウの汗を拭いていく、日頃使っていない筋肉を使用した為に、「明日は筋肉痛になるかも・・・」と呟いていた・・・


「そういえば、シルキーはここでの生活は慣れた?」


「んー?」


「街での生活じゃないし、外は雪で寒いし、毎日修練ばかりで・・・どうかなと」


「んー、簡易陣地の中の生活だけど、みんなと一緒だし、美味しい料理食べれるし、馬達といつも一緒に散歩できるし、最近は色々な魔法も覚えておもしろい~♪」


「おもしろい?」


「うん、魔法を覚えるの好き」


「そういえば、シルキーとミルキーは魔法を覚えるの早かったよね?」


「早いかはわからないけど、色々な事を知るのは好き」


「覚えた魔法で一番好きな魔法って何?」


「『風魔法』なんだけど、『風属性』を纏う魔法が好きかな」


「『火魔法』を纏うのと同じ感じの魔法かな?」


「そうなのかな・・・、『風属性』を纏うと、一時的に早く動けるみたいで♪」


「「身体強化」とか「速度強化」みたいなものかな?」


「同じの様な気もするけど・・・違うのかな?」


「それじゃ、明日の午前中に見せてもらえるかな」


「わかった、ミルキーも使えるから2人一緒で見てね」


「うん、楽しみにしてる♪」


「それじゃ、馬をブラッシングしますか」


「はい、さぁ~」


シルキーは馬を馬達の小屋まで誘導する、リウも後ろについていく

馬達の小屋にはミルキーが馬達にブラッシングをしていた、小屋の中は暖炉の熾き火で暖かかった

どの馬もふさふさのたてがみをしていて、艶の好い毛並みをしていた、数日おきに地下施設で散歩していたので、ストレスも無く冬期間の影響も無く元気いっぱいだった


リウの乗った馬を馬小屋に入れてから、シルキーと2人で馬をブラッシングしていく


「今日はありがとうな~」


ブラッシングを終え、馬に林檎を御馳走しながらリウは話しかけていた

それを見ていた他の馬達も林檎が欲しいのか、シルキーやミルキーに甘えている

2人は「しょうがないなぁ~」と言いながら、馬達に林檎をあげていた


「そだ、ミルキーも明日の午前中にシルキーと一緒に『風魔法』を纏うのを見せてね」


「ん?『風魔法』の纏いを?」


「そそ、さっきシルキーに聞いたの、少し気になってね」


「大丈夫」


「「身体強化」や「速度強化」よりも効率が良かったら『アイギス』全員で覚えた方が良いからね、その時は2人が先生役ね」


「「先生になるの?」」


「そうだよ」


そう言うと2人は楽しそうに笑っていた、リウも楽しくなって2人の頭を撫でていく

撫でられて嬉しいのか2人はリウに抱きつきながら笑っていた



次の日は、シルキーとミルキーは『アイギス』のメンバーに『風魔法』の纏いを教えるのだった

『アイギス』の最年少の2人が先生役になり魔法を教える、それは普通のパーティーではありえない事であったが、『アイギス』では当たり前の事なので誰1人不平不満を言う者はいなかった

それどころか、2人に感謝し、アライズ達は2人の好きな料理を用意するほどだった


この日、『アイギス』は『風魔法』の『風纏い』を修得し、「身体強化」と「速度強化」の2つを兼ね備えた魔法を覚える事になる

それは『アイギス』だけの魔法というわけでは無く、のちにエルフ達にも『風纏い』を教え、『風魔法』の新たの魔法として知れ渡る事になる

シルキーミルキーの新魔法『風纏い』、「身体強化」と「速度強化」の2つを兼ね備えた魔法。

『火魔法』の『火属性』を魔力に纏わせるのよりも、魔法としての完成度は格段に上である。

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