1-186『聖魔法』の本質とか
次の日からリン達は『聖魔法』の修練が始まる
各属性魔法修得は、火魔法なら暖炉の前に座り、暖炉の灯火に自身の魔力を融合させるイメージで修得した、一度その火のイメージを覚えた事で、火属性の魔力をある程度使いこなせるようになった
火魔法なら暖炉の火を、水魔法ならコップに注いだ水を、風魔法は外へ出て全身に風を感じ・・・で修得したが・・・、『聖魔法』の聖属性ってなんだろ?
『かまくら住居』の地下施設に、『アイギス』全員とリン達5人が『聖魔法』を修得するまたに集まっていた、属性魔法はみんな修得済みだあったが、『聖属性』の『聖』の部分だけはクラシスやリズもわからないとの事で、ハルクさんの教えをみんな楽しみに待っていた
地下施設は部屋の隅にある暖炉に炭を熾す、施設の天井部には魔法の光が周囲を照らし、地下とは思えないほど明るくなっており、時間を気にせず修練出来るようになっていた
ハルクさんはリウ達が集合し、暫くしてから地下施設に現れた
装備を整え、左手には杖を携え、右手には『聖魔法』の魔法書を持っていた
「それでは『聖魔法』について教えていきますが、属性魔法と違い『聖魔法』はある程度の適性があります、私が2~3日で修得出来なくても日々の修練で『聖魔法』を修得できると信じています、それでは、『聖属性』について説明をしますので・・・」
そう言うとハルクは土魔法で全員分のイスを作成し、リウ達を座らせる
全員が座るのを確認し、ハルクは話し始める
「初めに『聖魔法』は、属性魔法とは明らかに違うという事だけは知っておいて欲しい、そして、『聖魔法』で修得できる魔法は『聖光』といわれる魔法のみです」
「『聖魔法』は1つで『聖光』のみ・・・」
「それは攻撃魔法ですか?」
リウとノノの質問にハルクがニコニコしながら話し始める
「『聖光』は攻撃魔法とは違うかな、『聖光』は聖なる光・・・浄化といわれる魔法です」
「聖なる光・・・」
「『聖光』があれば『聖属性ポーション』はいらないんじゃ?」
「確かに『聖光』があれば、『聖属性ポーション』は不要だけどね・・・発動時間と消費MPが多くて・・・、実際に『呪い』の解呪に『聖光』を唱える者はいないでしょうね」
「それじゃ、『聖光』は・・・あまり使わない魔法という事ですか?」
「いえ、『聖属性ポーション』でも解呪出来ない場合は、直接『聖光』を使います」
「なるほど、簡易的な解呪は『聖属性ポーション』、それ以上の『呪い』には『聖光』と?」
「そう言う事です」
「浄化と聞くと、冒険者が習得するより、教会関係者が覚える魔法じゃ?」
「はっきりいえばそうです」
「ハルクさんは・・・教会関係者じゃないけど『聖魔法』を使えるのは・・・?」
「まぁ、長く生きていると色々と覚える機会が多くてね、冒険者時代に知り合った神官に教えてもらったんだよ」
やはりハルクさんも昔は冒険者だったのか・・・、それに神官の知り合いですか・・・
冒険者と神官は、ジャンルが違うと思ったけど、そうでもないのかな?
「それじゃ、『聖魔法』ですが・・・」
ハルクさんは座りながら手の中で魔力を集める
「今、手の中の魔力の塊は、無属性の魔力ですが・・・、火属性の魔力の塊は赤く、風属性の魔力は緑に、水属性の魔力の塊は青に・・・・、属性ごとに魔力に色がつきます」
ハルクさんの手の中の魔力の塊は、無色から赤に緑に青に色を変えていく・・・
そして、次に魔力の塊は・・・光輝く白色に変わる
「これが『聖属性』の魔力の塊です」
「魔力の塊を光らせる事が出来れば・・・成功なのかな?」
リウ達は各々で手の中の魔力を操作していくが、誰1人成功させることは出来なかった・・・
リズだけは魔力の塊を白色に変えてみたが、『聖属性』の光じゃなく、『光属性』の白色だと言われガッカリするのだった・・・
ハルクさんは『光属性』の光を見て驚いていたが、リズを始め『アイギス』のメンバーは『聖属性』じゃないのか・・・と思うだけだった
その日は昼ご飯後も地下施設で『聖魔法』の修練をするのだが、中々上手くいかず時間だけが流れるのだった
午後からは何故か龍の巫女のアンリーとシンリーも『聖魔法』の修練を行っていたが、晩ご飯になるまで誰1人気がつかなかった・・・
簡易陣地の食事は、シルクさんに食事をお願いし、簡易陣地の周囲の警戒を龍の巫女の護衛役4人が担当していたが、簡易陣地の周辺に灰犬が接近しても、防壁があるので進入できずに森へ駆けていくのだった
『聖魔法』修練1日目は、誰も魔力の塊を光輝く事は出来なかった・・・
リウは晩ご飯後の晩酌時に、『アイギス』を始め、リン達5人と龍の巫女2人にハルク夫婦が(ひよこ亭)に集まり、果実酒や酒を飲みながら、焼串や焼鳥を肴に飲みはじめていた
「やはりリウさん達の魔力は人間にしては段違いで多いですね、普通なら魔力の操作を長時間すれば魔力枯渇するのに・・・、ヘンリーでさえ何度か魔力枯渇になっていたのに・・・」
「多分、『アイギス』としては魔力操作が上手だからじゃ?」
「それにしても光輝かせるのは難しいですね」
「『聖属性』の本質は浄化ですよね」
「『聖魔法』というか『聖光』の本質は浄化の光です」
「浄化のイメージが出来ないのが原因なのかな・・・?」
「ん?リウさん達は魔法をイメージで捉えてるのかい?」
「はい、魔法はイメージを最優先にし、魔法を修練し修得してます」
「それなら『聖魔法』のイメージは・・・どんな感じで?」
「光輝く光で浄化する感じかな?」
「そうか、浄化するイメージより、魔力の塊を輝かせる事を優先的に考えてるのか・・・」
「違うんですか?」
「少しばかり違うかな、『聖魔法』の本質は闇を祓い清める事です、『呪い』を解呪するのは、『呪い』を祓い清める事、『聖光』とは浄化の光といいましたが、言い方を変えれば闇を祓い清め浄化する事・・・その事をしっかりと考えれば『聖属性』を知る事が出来ると思います」
「闇を祓い清める事・・・か」
『イージス』と本質は同じか?それなら何とかなりそうだな・・・
リウはノノやココを見ていたが、2人もリウと同じ考えなのかニコニコしている
明日は『聖魔法』を修得してるかもな、クラシスとリズも「それならいけるかも」と思ったのか、酒を飲むスピードが上がっていた・・・、シルキーとミルキーも魔法操作をしたいのかリウを見ていたので、「今日は修練修練です」と告げると、2人は頷き『白銀龍』といっしょに六足山猪の焼串を食べている
アライズとアリサとアンナは、シルクと一緒に晩ご飯の料理について話しており、明日の食事は少しばかり『ひよこ亭』よりになるのかもしれない
ジャンヌは相変わらずリウに寄りかかりながら眠りはじめていたので、リウはジャンヌを抱き上げ寝室へと運び、リウは再び晩酌へ参加するのだが、その前に護衛役の4人へ果実酒と焼串などを届けてから、飲みはじめるのだった
『聖魔法』の本質は『イージス』と似ていますが、祓い清めるのみの暴力しかありません。




