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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
184/354

1-184『聖属性ポーション』の作り方とか

リウ達が簡易陣地に籠り、2ヶ月後が経った頃、麓の街では1つの騒動が起きていた

森の奥で負傷した冒険者が『呪い』に似た症状が出た事で、呪い解呪の為のポーション不足が起こり、魔道具屋、道具屋、教会が総出でポーション作成をしていた

魔道具屋のハルク夫妻も商業者ギルドからの依頼で、ポーション作成をしていたが、解呪の為のポーションは『聖魔法』を修得しているのが前提であった

ハルクが『聖魔法』を修得していたので、1日50個前後の聖属性ポーションの作成を可能にしていた

『聖魔法』の制御とポーション作成時の魔力の纏いにより、2人1組での作業となっていた


作業場でポーション作成をしていたハルクとシルクは、魔道具屋を臨時休業にし、朝から晩まで調合する日々を送っていた・・・

作業机に突っ伏していたハルクは


「しかし、聖属性ポーションは・・・納品してもすぐに完売か・・・」


「それだけポーションが必要と言う事でしょ?」


「ギルドではそんなに『呪い』に似た症状が蔓延してるのか・・・」


「どうやら灰犬が『呪い』に感染してるっぽけど・・・」


「『呪い』は1000年前に『黒い龍』と一緒に消えたと思ったけど、再びこの地に『呪い』が広がるとは・・・」


「聖属性ポーションである程度は感染を防げるけど、このままではまずいわよね・・・」


「麓の街だけならまだしも、付近の街でも『呪い』が広がるようなら・・・、冒険者の出入りを禁止するしかないけど、ギルドとしてはそう言う事はしないだろうね」


「どちらのギルド長も『呪い』を甘く見ている感じがするし・・・」


「私達が出来る事は、聖属性ポーションを増やすことしかできないか」


「冒険者達も少なからず『呪われた灰犬』を討伐しているし、少しずつでも現状を打破してると思いたいね・・・」


「ヘンリー達は無事なのか・・・少し心配だね」


「リウさん達のところは、ここよりも安全なのかもしれませんよ?」


「そうなの?確かに土壁に囲まれていたけど・・・」


「どうやら麓の街の防壁から見えるらしいんだけど・・・、土壁が3mの高さになって、簡易陣地内に4本の塔が建ったらしいし、しかも食糧が数カ月分購入してるはずだしね」


「この聖属性ポーションの作成もリンさん達にお願いしたいけど、『アイギス』の中で『聖魔法』を修得した者は・・・いないか」


「前に各種魔法書を依頼報酬として渡したけど、聖魔法の魔法書は・・・無かったしね」


「私達がリウさん達に聖属性の魔法を教えるのも良いかもしれないな」


「ギルドへのポーションの納品はどうするの?」


「毎日納品してるからギルドでもかなりの数保管してるはずだよ、1~2日納品を遅らせてもだいじょぶでしょ、ヘンリーにも会いに行きたいし、『白き龍』にも会いたいな」


「では、ギルドにポーションの納品しつつ、魔道具屋を数日休む事を知らせてきますね・・・」


「私はリウさん達のお土産用の酒を買いに行こうかなぁ~」


「あなたのマジックバックに入れるだけ買って来てね♪」


「麓の街の特産品の果実酒から揃えてくるよ~♪」


ハルクは露店を巡り、麓の街の特産の果実酒や酒類を購入し、六足山猪の精肉やホロホロ鳥数羽など、酒の肴になりそうな食材も合わせて購入した

『アイギス』には料理上手な女性がいた事を知っていたので、露店の焼串や焼鳥よりも食材をお土産にした方が好いと考えていた

ギルドへポーションを納品していたシルクは、ギルドには娘を会いに行くと告げ、2~3日は魔道具屋を閉める事を報告し、魔道具屋へ戻るのであった・・・


シルクが見た商業者ギルドは、森へのクエストを禁止にした為に、冒険者が付近の街へ移動し、ポーションを作れる冒険者だけしか残っていなかった

冒険者ギルドの方は、麓の街の周囲の灰犬の討伐クエストが大量に公布され、中堅冒険者達が日替わりで街の周囲で灰犬を狩っていたが、怪我をする冒険者が後を絶たず、聖属性ポーションが彼らの生命線と言えた



次の日、朝からハルク夫婦は『アイギス』の簡易陣地へと出かけていた

街の外は冒険者達が灰犬を討伐していたので、安心して出向く事が出来た

『アイギス』の簡易陣地は、前よりも数段高くなった防壁に加え、防壁よりも高い塔が陣地内に建っていた、塔の中腹にはリウが座り2人に手を振っていた

ハルクとシルクもリウに手を振り、2人を出迎える


「ハルクさん・シルクさん、おはよう~」


「はい、おはよう」


「リウさん、久しぶりね~」


リウは塔から降り、簡易陣地の扉を開け、2人を簡易陣地へ招待する

扉を進み中へ入ると、土壁の厚さに驚き、簡易陣地の四方へそびえ立つ4本の塔が土壁の一部だと知る

それ以上に簡易陣地内の広さが前来た時よりも広くなり、簡易陣地と言えない程の出来になっていた


「なぁ、リウ君・・・、前来た時より簡易陣地が広くなって無い?」


「依頼報酬で簡易陣地の広さを倍にしてもらったので・・・」


「それに土壁とか、あの塔も作ったの?」


「ですね、修練の合間に少しずつね」


「あのそれで2人はどうしてここへ?」


「最近忙しくてね、合間を見つけて娘に会いに来たのと・・・」


「ヘンリーに?」


ハルクとシルクは頷き「それだけじゃないのよ」と、リウにお土産の果実酒や酒や精肉を渡した

果実酒や酒に精肉は、『ひよこ亭』で料理の下ごしらえをしていたアライズ達に渡した


「ヘンリーなら地下施設でみんなと修練をしてますよ、一緒に見に行きますか?」


「地下施設・・・?」


「そう言えば言ってませんでしたね、広場の下に広めの空間を作ったんですよ~」


「メンバーのほとんどは地下施設にいると思うので着いて来て下さい」


リウはハルクとシルクを連れ、地下施設に案内する

地下施設は魔法で照らしていた、施設の中央ではリンとノノが、アイズとジャンヌが木製の武器で模擬戦を行い、ヘンリーとココが魔法障壁の防御テストと称して、障壁に魔法を撃ち込んでいた、ライムとジルはリズに師事し魔法の修練をしていた

模擬戦や魔法の修練の周りを、シルキーとミルキーが馬達に跨り散歩をしていた

一応、修練場と馬達の散歩道の境には花を植えてあり、地下なのに花畑があるという不思議な空間になっていた


リウとハルク・シルクが地下施設に現れた事により、ノノやジャンヌが模擬戦の手を止め、ヘンリーも両親が現れた事により「あれ、お父さん?」と魔法障壁を解除した事により、数発の魔法を自身の盾にくらう事になるのだが・・・・そこは修練の賜物、性能が上がったポーションで一瞬で治すのだった

シルキーとミルキーも馬から降り、リウ達の傍で「「どうしたの?」」と聞いてきたので「ヘンリーに会いに来たんだって」て教えてあげてた


ノノ達も集まってきたので、ハルク夫妻が「久しぶりです」とメンバーに挨拶をしていたが、麓の街で最近あった事を聞いてからみんなの顔つきが変わるのだが・・・


「それで今現在の麓の街はどうなってるんですか?」


「中堅冒険者以外の外出は禁止になって、ギルドの依頼もポーション作成しか発行してないね」


「ポーション作成のみ・・・それなら調合スキル無しの冒険者は生活できないんじゃ?」


「初心者冒険者は、ギルドが率先して馬車で周辺の街へ移動しました」


「それなら麓の街は、冒険者が少なくなってるんじゃ?」


「ポーション作成が可能な冒険者と、中堅以上の冒険者が滞在してるから大丈夫ですよ」


「それに冒険者ギルドで上級冒険者の派遣を検討してるので、春までには事態が急変する事が無いでしょう」


「『アイギス』としてはこのままここに籠っていても大丈夫と考えて?」


「ここは防壁もしっかりしてるし、これほどの地下施設があるのなら、ヘンリーをこのまま預けておいても安心できます」


「龍の巫女の住居も同じように頑丈なんでしょ?」


「はい、地下施設から龍の巫女の住居へ行けますよ」


リウはそういい指をさす、壁の先には小さな扉があり


「あそこが龍の巫女住居へ続く扉です、基本的に僕らが向こうへ行く事は無いんですが・・・」


さすがに女性だけの陣地へ、こちらから出向く事はしなかった

たまに護衛役の4人が地下施設で修練しているのだが・・・、リウ達が寝静まった頃に修練をしているので、『アイギス』の面々が護衛役と一緒に修練をする事はなかったが、4人がクラシス並の強さを持っていそうな雰囲気だった・・・



「ポーション作成可能な冒険者・・・、それなら『アイギス』のポーションもハルクさんに渡した方がいいですか?」


「それは麓の街へ戻る時にお願いします」


「それとリウさん達に1つポーション作成をお願いしたいんですが・・・・・?」


「いいですけど、手持ちの薬草で作成可能なポーションであれば」


「体力回復系の薬草で大丈夫ですよ、調合が特殊なので普通には作成不可なんですけど」


「普通じゃないポーション?」


「はい、これから作成をお願いするのは、『聖属性ポーション』です」

ハルク夫妻から『聖属性ポーション』の作成を教わります。

というか、聖魔法の修練が始まります。

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