0-18副業はポーション売りとか
『ひよこ亭』の扉を開け
「只今、帰りました~」
両手に手甲を装備したまま『ひよこ亭』に戻る
手甲の重さは気にならんな
「「「おかえりなさい~」」」
『ひよこ亭』の3人が笑顔で出迎えてくれた
「新しい手甲ですか~、見ない形状ですね?」
「盾よりはスマートですね~」
「両手に小型の盾??」
3人3様の意見が飛び交うが
「武器屋さんの見習い鍛冶師さんの新作です!」
「リウさんは武器よりも防具を充実していくんですね」
アライズさんが今まで装備しているジャケットやキャップなどを思い出しながら話しかけてくる
「また、装備カラーが黒っぽいですね」
手甲したまま手をにぱにぱしながら話してると
「両手棍とか武器装備も可能ですね~」
リズさんが気になった事を聞いてくる
盾持ちは武器を持つよりも大きめの盾を持つので武器を装備できるのを驚いていた
それに防御力を重視でいくとフルプレートとか両手盾とかのイメージがあるらしく
小型でも両手に盾がある
それに、両手に武器を装備可能というのは聞いたことが無いという
「まだ、見習い鍛冶師の試作品ですけどね。本当はナックルとかグローブとかの殴り系手甲をお願いしたんですけど・・・攻撃よりも先に防御の手甲が完成して即買い即装備しました!」
「リウさんが発案なのですか~」
「殴りの手甲?守りの手甲?」
「では、その手甲は未完成の品という事ですか~」
手甲を外し、リュックにいれる
「そうですね、討伐クエストの為に装備を防御力を上げる必要があったんです!」
「討伐クエスト?野うさぎとか野犬とかですか?」
「はい、ランクアップの為にクエストの難易度が上がるみたいで」
「無理しないでくださいね~」
リュックを背負い、2Fの部屋へ向かう
「ええ、被弾無しでクエストをクリアしますよ」
次の日からは5勤1休にクエストを5日間して1日休むという日常を過ごしていた
小型盾手甲は野犬の噛みつきや野うさぎの突進にはびくともしなかった
両手棍での中距離の攻撃よりも接近しての片手棍を左右にもち舞うように討伐をしていた
舞うように避け、避けからの棍での一撃、離脱しつつ小型盾で身体を守り、一撃必殺の攻撃をあたえる、常時移動しつつの一撃離脱の攻撃スタイルを目標にしていた
討伐をするようになってから『身体強化』『速度強化』はLv2に上昇していた
クエスト時での「魔力を纏う」練習で常時発動を可能にしていた
そのため被弾してもダメージを感じることは無かった
魔力の纏いと常時移動を駆使して戦闘していたためかステータスは速さ・魔力・器用の伸びがすごい事になっていた
リウ 人間 冒険者Fランク
Lv1
HP 90
MP 180
力 15
速さ 25
体力 15
魔力 30
器用 25
スキルポイント 4P
スキル
片手棍Lv2 両手棍Lv1 回復魔法Lv1 無属性魔法Lv2 生活魔法 危険回避 世界標準語 アイテムボックス
隠しスキル
MAP 鑑定眼 具現化(盾)
片手棍のLv2は嬉しいな、小回りも利くし森での戦闘では役に立っている
無属性魔法のLv2は『身体強化』『速度強化』がLvUpしたのと同時に上昇した
アイテムボックスはスキルポイントを消費して覚えた
しかし、Lvが上がらないのは野犬や野うさぎでは討伐の経験値としての少なさが原因なのかな?
EランクまでにはLv2になればイイなぁ
5勤1休での休日は採取した薬草を使いポーションの作成をしていた
道具屋でポーション作成キットを購入して自分用のポーションを試行錯誤しながら製作していた
ポーションの作り方はポーションのレシピは、道具屋での店売りポーションを『鑑定眼』で鑑定したらレシピを見る事ができた
薬草の下処理に手をかけての作成を目指していたが店売りよりも下級のポーションしか作成できなかった・・・
「薬草を乾燥後に粉末状にした方がいいのか・・・」
「それとも薬草を煮つめたほうがいいのか・・・」
ポーションを瓶に詰めながら次の作成について考えていく
瓶が30個を超えたあたりから
「道具屋と魔道具屋で売ってもらえるか相談しとくか~」
タオルで瓶を包みながらリュックに入れていく
リュックを背負い、「カチャ」と瓶がすれる音がするが割れてはいないみたいなので「ほっ」とする
「買い物に行ってきます」
「「「いってらっしゃい~」」」
「晩ご飯までには戻りますね~」
手を振り『ひよこ亭』の扉を開け店を出る
ポーション用の瓶も買わなきゃいけないから先に魔道具屋にいこう
リュックを背負いなおし露店を見ながら歩いていく
魔道具屋の扉を開け店主を見つけ
「すいません、ポーションの買い取りはやってますか?」
店主が不思議そうな顔で「使わないポーションでも売るのかい?」という風に見てきたので
「少しだけ自作でポーションを作成したんですが、数がたまってきたので買い取り可能ならお願いしようかなっと」
「素人がそう簡単に作れるもんじゃないんだけどな」
「ポーションが店売りでも通用するか見てもらってもいいですか?」
リュックからポーションの瓶を1つ1つ並べていく
店主はカウンターに置いてあるメガネを着けて瓶を見ていく
「ほー、初めてにしては安定したポーションだね」とつぶやくと
「見るだけでわかるんです?」
「メガネに物体鑑定の魔法がかかってる魔道具の1つだよ。そういや使うとこ初めて見せるか」
ニヤリとして瓶をみていく、10個鑑定をし、メガネをカウンターに置いて
「ポーション10個とも下級並みの効果はありそうだけど、ポーションのレシピは知っていたのかい?」
「レシピというか、村にいたころにポーションを作っていた爺さんの手伝いを少しだけしてました。見よう見まねで細かいところまでは再現できなかったです」
無理のないようなウソをついてポーションのレシピを知っている風に装ってみた
「いあ、それでも下級を10個も作成できる段階で、ポーション屋の「見習い調合師」と同じ効果のポーションを作るとはすごい事なんだがね・・・」
「実は10個じゃなく30個ほど作ったんですが・・・鑑定お願いしてもいいですか?」
カウンターの上に残りの20個も並べていく・・・
店主は1つ1つを手に取り鑑定をしていくと
1つだけ下級じゃないものが含まれていた
「これは1つだけポーション(並)があったよ、残り29個は下級ポーションだね」
ポーション(並)を手に取り見てみると、確かに他のよりも透明感のある色合いをしていた
作った工程は一緒のはずだから瓶に詰める時間の関係がポーションの性能を上げたのかな?
「下級以上のポーションを作れる可能性があるだけども来たかいがありました!」
ポーション(並)を手に取り店主は話しかける
「どうする30個納品するかい?それとも自分で使うように保持しとくかい?」
ん~、ポーションは休日に作成することができるからな・・・
「全部売ります、そのかわりポーション用の瓶を50個ほど売ってください」
「あいよ、下級ポーションは見習い冒険者御用達の商品だから1つ20Lで29個だから580Lね。ポーション(並)は1つ100Lで買い取りだから・・・合計680Lになります」
「瓶は1ついくらなんですか?」
「瓶は1個5Lでの販売だから250Lだね。680Lから250Lを引いた数は・・・430Lだね」
店主から430Lを手渡された、臨時収入としては嬉しい限りだな
「冒険者ギルドでもポーションの納品っていうのがあるらしいが善かったのかい?」
「・・・今、初めて知りました」
「まぁ、ギルド納品もここに売るのも値段は変わらないからさ。気が向いたら来とくれ」
瓶50個を割れないようにタオルに包みリュックに入れていく
リュックを背負い、荷崩れないかを確かめる
「わかりました、毎日ポーションを作成しているわけじゃないんで期待はしないでくださいね」
扉に手をかけ店を出る前に店主に声をかける
「どうやれば安定してポーション(並)を作成できますかね?」
ポーション(並)を手にし店主は
「ポーションの性能は薬草を丁寧に加工する事が大事と聞いた事があるけど・・・どの工程で丁寧な仕事をするかわ知らんわな。最後の1つを作った時はどうだったの?」
「その1つはポーションは煮つめてから・・・冷ましたポーションを瓶に入れたのかな、それとも丁寧に薬草をすり潰したか・・・、偶然の産物なので数をこなせば作成の工程が判明すると思います」
「副業のポーション作成なんだから無理すんじゃないよ」
「はい、また何かあれば来ますのでよろしくお願いしますね」
手を振り店を出る。臨時収入もあるし露店を巡って帰るか~
「あいよ、またな!」
ポーション(並)をふりながら声をかけてくる
ポーション30個で600Lになる事がわかっただけでもよかったと思おう~♪
ステータス上昇とスキルのLvUp




