1-179『エルフ巫女住居』完成とか
次の日もリウは相変わらず土魔法を使っていた
エルフの巫女が住み込み用に簡易陣地の作成していた
「土壁を高さ2mの幅1mにし・・・」
「『アイギス』との間に扉を設置し・・・」
「『かまくら住居』は寝室用に5人は泊れる大きさに・・・」
「調理場と食堂は『ひよこ亭』の小型にした感じに・・・」
「お風呂とトイレは必須と・・・」
「会議室か事務室用の部屋を設置し・・・」
「そだ、調理場に地下の小型の貯蔵庫を設置して・・・」
「よし、まずは完成っと・・・」
「寝具や生活用品はエルフの方で何とかしてもらおう」
エルフの巫女が住むのもあるが、女性のみでの生活が予想されるので、外部からの侵入を防ぐ為に、入口は『アイギス』の入り口を使用し、『アイギス』の簡易陣地と『エルフ巫女住居』の簡易陣地の接している土壁に入り口を設け、いつでも出入り自由にした
巫女の女性が住むという事で、『かまくら住居』に大きめのお風呂と、調理場に会議室に簡易トイレなど、宿屋よりも住みやすく、尚且つ、自炊を前提とした作りにし、食事のたびに『アイギス』を尋ねなくても大丈夫なようにした・・・が、それは間違いであることを、後々知る事になる
『アイギス』の簡易陣地では、地下施設の拡張と天井を支える柱の設置と、馬小屋の出入り口と地下施設を繋ぐ通路の設置などを、クラシスとリズとシルキーとミルキーの4人が担当し、冬期間の修練場と、馬達の気分転換用の乗馬用にしたりと、大きく2つの使用の為に4人には頑張ってもらっていた
ノノとココとジャンヌは、冬期間中の使用する薪の収集や、寒さ避けと言われる『火炎草』といわれる薬草の採取をしていた、『火炎草』とは麓の街の魔道具屋ハルク夫婦から教えてもらった薬草だった、『火炎草』はポーション作成で、『寒さ耐性の効果があるポーション』が完成するとの事だった
『寒さ耐性の効果があるポーション』とは魔道具屋では、ポーションと名はついているが、完成品は通常のポーションよりも少量で小瓶サイズであったが、『寒さ耐性』は1瓶で6時間効果があるという事で、ノノ達3人は冬期間の地下施設での修練で常時使用すべく、雪の降るギリギリまで収集をしていた
アライズとアリサとアンナは、河川で釣りをし干物へ加工する日々を過ごしていた
1日釣りをし、次の日は干物を作り、釣り場までの移動中は「身体強化」と「速度強化」を唱えていた
釣り中は2人が釣りをし、1人が周囲を警戒し、野犬が現れたら釣りを止め、安全確保後に釣りを再開するという感じで、アライズ達は1ヵ月釣りと干物作りで過ごす事になる
次の1ヵ月は、アライズ達のみで野犬や大猪の討伐をし、干物作りの様に討伐と解体を交互に繰り返し、食糧となる肉は簡易陣地『ひよこ亭』地下室に保管した、毛皮は加工し簡易陣地内の敷物になったり、エルフの巫女の簡易陣地の敷物になったりした
リン達5人は、土魔法は覚えたてという事で、麓の街の周辺で薬草採取をし、常時「身体強化」と「速度強化」を唱え、採取時でも魔法の修練の場とした、採取する時も2人が採取をし、残りの3人が周囲を警戒し、野犬などの襲撃に備えた、なお、リン達は周囲警戒が苦手という事もあり、薬草採取時には杭とロープで安全な場所を確保し、その中でのみ薬草採取をしていた、ロープを張り安全圏内から魔法で倒すという攻略方法をリン達は実践し完遂してきた
雪が降る前までには、リン達もある程度は周囲の警戒が、ノノ達並みになり野犬などの接近には敏感になっていった
薬草の方も体力回復系の薬草を使いきれないほど採取する事になる
一方その頃、麓の街の魔道具屋のヘンリーは、商業者ギルドの『アイギス』の依頼報酬の魔法書の選別に大忙しだった、どの魔法書をリウ達に渡すかが問題だった・・・
リウに関しては、無属性と土魔法を修得済みとし、他のメンバーも無属性と土魔法はメンバー全員修得済みだったが、それ以外で火魔法と風魔法を修得していたメンバーが数人のみで、魔法特化のパーティーとは思えないほど、魔法の修得が少ないのに驚いていた・・・
「魔法書は、火・風・水があればいいか・・・」
この3つの魔法書があれば4属性の魔法を『アイギス』は修得可能だけど・・・
『アイギス』に必要なのは何だ?
魔法は修練でなんとかなるとして、今まで数少ない魔法で旅をしてきたのに、今から新しい魔法を覚えても大丈夫なんだろうか・・・
それともポーションの技術を教えた方が『アイギス』の為になるんじゃないだろうか・・・
装備品の杖とかは、雪が降る前に魔道具屋で決めると言っていたし
「装備品は武器以外では・・・、冬場のブーツとコート、毛糸のセーターとかは・・・人数分x3着あれば十分かな?」
リウ達は冬場はクエストをしないと言ってたし、簡易陣地で春まで修練するはずだから、エルフ特有のポーション作成や、エルフ魔法を私達が教えるのもおもしろいかもしれない・・・
エルフ魔法は、木魔法とか森魔法と言われるものだった
エルフの集落は、その特有の魔法で森を移動し、集落ごと移動する事を可能にした
木魔法を用い、地上に集落を作らず、樹上に集落を作成し、深い森の中でもある程度の安全を確保していた、森の野獣以上に狩りが得意で、猛獣以上に森を闊歩していた
ただ、それでもエルフは1000年にもわたり『白き龍』と『黒き龍』を見つけることは出来なかった
『アイギス』のリウ達が『白き龍』を連れてくるまで・・・、ハルク達にはリウ達が自分達が崇拝する神様を連れて来てくれた恩人として、言葉にできないほどの恩を感じていた
本来であればエルフの長老が『アイギス』のリウ達の元に出向くのだが、リウ達は春に自分たちでエルフの集落へ行くという事で、少しでも森の中でも安心してエルフの集落へ行けるように手助けをするつもりだった
「装備品以外も渡した方がいいんじゃないですか?」
装備品と魔法書を選別していたハルクに、妻のシルクが『毛糸の玉巻2本棒針』を籠に入れて現れた
手作りのセーターでも作れと・・・?
ヘンリーも手作りセーターを作れは・・・しないよな、あの子は私に似て細かい事は嫌いなはずだし
「えーと、シルクさん?それは・・・リウ達にセーターを作れと?」
「違いますよ、リウさん以外にセーターとか帽子とか作ればいいかなと」
「『アイギス』の依頼報酬では、毛玉とか無かったと思うけど・・・」
「これは私からのプレゼントですよ、冬の間ずーっと修練だけでは飽きるでしょ?」
「飽きるって言っても、彼らは自分らで考え、自分たちが好きな事をやっている」
「それにリウさん達の隣に、エルフの集落からエルフの巫女が住み着くみたいだし、少しだけ『アイギス』の彼女達に頑張ってもらいたいのよ~」
「ヘンリーの応援じゃないのかね?」
「そこはヘンリーだけじゃなく、リンさん達もそこまで自覚してないわよ?」
「これは春までの息継ぎにもなるんだし、『アイギス』の女性陣も少しは可愛らしくなると思うし♪」
「そういうものなのかね?」
「そういうものです」
ハルク夫婦は楽しそうに『アイギス』の報酬を用意する日々が続く・・・
一方その頃、エルフの集落ではエルフの巫女の選別に紛糾していた
彼女達の誰を『白き龍』の側で生活させるか、どうすれば『白き龍』に認めてもらえるのか
エルフの集落では1000年ぶりの龍の再来に湧いていたが、『アイギス』の面々が春にはエルフの集落へ訪れるという事を、今から集落を上げて楽しみにしていた
雪が降る前の冬前なのに、エルフの集落は来年の春の事で頭がいっぱいだった
エルフの巫女が決まるのは、リウが『エルフ巫女住居』が完成した4日後の事だった
巫女が2人に護衛役4人の女性6人が『アイギス』に訪れたのは、それからさらに3日後の事だった
エルフの巫女用住居完成とエルフの巫女が決まった模様
次回、巫女が『アイギス』に来る




