表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
178/354

1-178『アイギス』の住居とエルフ娘とか

商業者ギルドから簡易陣地の作成依頼を受けてから10日後、リウは麓の街の周囲に簡易陣地を作成している

ギルドの依頼は4日後に完了したが、追加でギルドから麓の街の北側(山間部方向)に、麓の街を囲む防壁の作成である、本当は簡易陣地の増設だったが、冬期間までに防壁を優先してギルド依頼してきた

今回の防壁の依頼報酬は、『アイギス』の簡易陣地の周囲100mを預かり受ける事になった

簡易陣地の周囲を土壁で囲む作業をクラシスとリズにお願いし、広くなった簡易陣地の中では馬達4頭が嬉しそうに駆け、シルキーとミルキーが嬉しそうに馬達を見ていた


「最近、土魔法しか使って無い気がする・・・」


本日、麓の街を囲む防壁を100m作成し、ノノとココとジャンヌが土壁を補強していた

ギルドの依頼から10日経っても同じ事をしている自分に少しばかり納得してなかった


「それはギルドの依頼があったからでしょ」


「それに『アイギス』の簡易陣地の拡張出来た」


「冬期間前にギルドの依頼を終えて、ゆっくり修練しましょ」


最近のリウは、『アイギス』での活動よりギルドからの防壁作成に借り出され、ノノ達以外のメンバーとは食事以外で会えない状態だった


「うん、頑張る・・・」


「残り1/3ですから、早く終わらせてゆっくりしましょ」


「依頼報酬の魔法書を速く読みたいですし♪」


「土魔法は汎用性が高いので上達するのは嬉しいですけどね」


「僕らは麓の街の防壁が終われば・・・、ゆっくりできるんだよね?」


「多分・・・?」


「これ以上依頼を受けなければ?」


「『アイギス』として依頼を拒否しましょ」


「欲しい物は貰ったし、後はギルドで頑張ればいい事~」


リウ達4人は防壁の残りを4日で終了し、商業者ギルドからの追加の依頼を拒否し、冬に備えて食糧の収集や、薬草採取をしアイテムボックスに2000束以上の薬草の採取に成功する

なお薬草採取場所の地図を作成し、『アイギス』のメンバーが数組に分かれ行動した

『アイギス』のメンバー強化前だったので、食糧は河川で釣りをしたり、麓の街周辺で野犬や大猪などを討伐し、毛皮は道具屋で敷物にしてもらったり、食糧になる肉の部位はアイテムボックスに保管し、肉と魚は『アイギス』で使用する食糧の半年分を所持する事になった


雪が降る数週間前には念願の簡易陣地は完成した、大きめの『かまくら住居(ひよこ亭)』と『かまくら住居(リウ達用)と(リン達用)』と簡易トイレに風呂場は男子女子の2つを用意し、馬達の馬小屋(シルキーミルキーの寝処あり)、それと馬達が走り回る場所の地下に、高さ4mの幅50mx長さ50mの地下施設を作成した、四方を土魔法で囲み補強を繰り返し、壁・天井・床を強固な石材っぽくした

冬になったら外での修練は難しいので、地下施設は『アイギス』にとって必須と言ってもいい事だった

地下施設の事はギルドには内緒にしていた・・・、秘密にしたのはギルドから追加で作成依頼が来そうな雰囲気だったからであった・・・


「やっと簡易陣地が完成したけど、まずは魔法の修練かな?」


「その前に彼女らの住居をなんとかしない?」


食事処『ひよこ亭』でまったりしているリウ達の隣にエルフの3人が同じテーブルに座っていた

ギルド依頼の防壁依頼が終わって数日経った頃、エルフの集落から3人が『アイギス』の簡易陣地を訪ねてきた、ハルク夫婦が秘密にしていてもエルフの集落には情報が伝わったらしい・・・

伝わったというのはおかしいか、エルフ達はここに『白銀龍』がいる事を知ったみたいだった

最初はエルフの集落の代表として『白銀龍』を一目見に来たらしいが、気がつけば毎日日替わりで違うエルフが尋ねるようになり、数日かけて簡易陣地を訪ね、日帰りで集落へ戻る・・・、エルフ達の強行ともいえる行動を危険視し、リウ達は簡易陣地内にエルフ用の『かまくら住居』を提供した、それでかエルフ達は1泊して集落へ戻る様になった

クラシスはそんなエルフ達の為に、専用の簡易陣地を『アイギス』の敷地内、もしくは、周辺に作成してみないかと言っていた


「そう言えば何でエルフのみなさんは訪ねて来てたの?『白銀龍』を一目見て帰って行ってたけど?」


「私達は龍の巫女だからです」


「昔『白き龍』が村の周囲に住んでいた時に、龍の世話係を通称『龍の巫女』と言われていました」


「『龍の巫女』は龍の言葉を理解したと言われています」


「それで日替わりで訪ねてきた理由は・・・言葉を理解できるかの確認だったり?」


「はっきりいえばそうです」


「私には言葉を理解できませんでした・・・」


「私もです・・・」


「1つだけいいかな?昔のエルフは龍の言葉を本当に理解していたの?」


エルフ娘3人は頷き、「「「はい」」」と声を揃えて返事をした


「言葉が分からないと世話ができないとかで、言葉が分かるエルフが側にいたと言われています」


「それじゃ『白き龍』の名前は知ってる?」


エルフ娘3人は、何を当たり前な事をといいながら


『『『白き龍は白き龍って名前です!!』』』


「あぁー、やっぱりそうか・・・」


エルフ達は『白銀龍』の名前を知らないか・・・、やはり昔も今もエルフ達は龍の言葉を理解できていない


「『白き龍』が名前じゃないんですか?」


「違うよ、それはエルフの通称でしょ」


「たしかに・・・」


「それなら貴方には『白き龍』の言葉を理解できるんですか?」


「どういう訳かね」


「貴方は龍の巫女ですか?」


「はぁ、男が巫女っておかしいでしょ!」


「それではスキルですか?」


「多分ね、どうやって修得したかは不明だけど・・・」


「そのスキルを修得すれば、『白き龍』と話せる・・・」


「話せるのが重要じゃないと思いますけど?」


「そんな話せないと何を考えているのかわかりません・・・」


「そう?うちのメンバーは僕以外は話せないけど、みんな仲良くやってるよ?」


リウの膝に座っている『白銀龍』は、リウ達とエルフ3人娘の話を聞いていたが、話せない事がそんなに大事と思って無いのか、膝に座りながら昼寝をしていた

リウは寝始めた『白銀龍』を撫でていたが、エルフ3人娘も撫でそうにしていたので


「エルフ娘も撫でたいって、撫でても良いか?」


『んー、良いよ』


『白銀龍』は目を瞑りながら、ぼんやりしながらリウの言葉を聞いていた

エルフ娘達にはリウと会話する『白銀龍』の言葉は、「ガウガウ」としか聞こえておらず、リウと『白銀龍』の雰囲気で撫でても良い許可で下りた事を何となく理解した


「撫でていいってさ~」


リウはエルフ娘達が撫でやすいように座りなおした、エルフ娘達は席を立ち、リウの傍まで近づき恐る恐る『白銀龍』を撫でていた、『白銀龍』は毎日のお風呂のおかげで、白い毛並みはモフモフで癖になりそうな毛触りだった


「やわらかい・・・」


「モフモフだぁ」


「これは癖になる・・・」


3人とも『白銀龍』も毛並みにうっとりしている


「3人ともそろそろいいかな?」


3人娘はうっとりしながらも、ニヨニヨしながらモフっていたので、少し『白銀龍』が引き気味だったので、早々にモフるのを止めてもらった、やっぱりというか3人とも残念そうな顔をしつつも、撫でるのを止めていた


「それでどうする?エルフの集落からエルフの巫女?が来るのは理解したけど、エルフ専用の簡易陣地を作るかい?」


「それは常時『白き龍』の側にいても良いという事ですか?」


「エルフの集落へ帰らなくてもいいの?」


「ここで住むのはダメなの?」


『白銀龍』を撫でて3人ともおかしなテンションなのか、いつも以上に饒舌に話している

リウは3人が聞いてきた事に1つずつ答えていく


「まずは、側にいるのはいいよ」


「よかった~」


「次に、集落に帰らなくてもいいの・・・だけど、今回の『アイギス』の隣にエルフ用の簡易陣地が出来る事を知らせる為に1度戻ってください」


「それはもちろん、集落からの返事を聞かないと・・・」


「次に、ここで住みのはダメです、ここは『アイギス』の簡易陣地で僕達の住居です」


「そうですか・・・残念です」


「そのかわり隣に住むなら、いつでも遊びに来ても良いですよ?」


「本当ですか?絶対ですよ?」


「約束します、まずは、エルフの集落の許可を貰ってきてください、話はそれからです」


「「「わかりました、急ぎ許可を貰ってきます」」」


リウの言葉を聞き、エルフ3人娘は荷物をまとめ、エルフの集落へ帰って行った

エルフ特有の魔法なのか、リウ達の使う「身体強化」や「速度強化」とは違う魔法を使用し、エルフの集落へと駆けて行った


「エルフはせっかちな性分なのかな?」



ギルドの依頼はとりあえず完了し、エルフの巫女候補3人が登場ですが、話の中では日替わりで登場との事で、名前はまだありません、常駐エルフ娘が現れたら名前がわかります

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ