1-174麓の街と簡易陣地とか
次の日は朝から『アイギス』の簡易陣地作成の為にメンバー全員で出向いていた
麓の街から歩いて30分の距離にあった、街道からも離れており、知る人のみが尋ねる隠れ家的な場所でリウを始めノノ達も目を輝かせて喜んでいた
「それじゃ、適当な感じで土壁で囲むから補強よろしく~」
リウが簡易陣地の予定地を杭とロープが囲み、ロープの内側を土壁で2mの高さで囲んでいく
「それじゃ、私とリズも土壁を作成するね~」
「少し離れて・・・この辺から行くね~」
リウ・クラシス・リズは三方向へ別れ2mの高さで土壁を作成していく
「私達は土壁の厚さを整えますね」
「ノノはリウの助手として厚さを見てね、私はクラシスの助手で、ジャンヌはリズの隣でお願い」
「わかった~、厚さは1mでいいのかな?」
「そだね、大猪の突進でも壊れないようにしよう」
「「「「「はーい」」」
2人1組で約1時間で横幅10mの縦幅20mの土壁が完成した
リウ達が土壁を作成していた頃、アライズ・アリサ・アンナは『かまくら住居』型の調理場を作成していた、鍋を同時に3つ使用できるようにしたり、冬場で寒くならないように大きめの暖炉を土魔法で作成した
それとみんなで食事できるように、調理場の隣の部屋は大型のテーブルを作成し、イスも人数分+10個を作成した
アライズの要望でもあった地下室はリウにお願いし、アライズ達3人は調理しやすいように、料理を運びやすいように、何度も作っては解体しを繰り返し、夕方までには内装は『ひよこ亭』と同じ作りになっていた
シルキーとミルキーは馬達の小屋を作成し、小屋の中に小型の暖炉を作成した
暖房もきっちりと作った事により、小屋の中でも寝る事が可能になったので、これにより2人分の寝具を運び、いつでも馬達と共に過ごせる事になる
昼ご飯は完成した『ひよこ亭』での食事となった
パンとサイコロステーキとサラダと、以前『ひよこ亭』でリウ達が食べていた食事が提供された
「なんか久しぶりに『ひよこ亭』に来た気分~」
「はい、テーブルとイス以外は『ひよこ亭』の雰囲気です」
「サイコロステーキとサラダのセットも懐かしい・・・」
「あの頃は森の散策と薬草採取が懐かしいです」
ノノとココとジャンヌは『ひよこ亭』での食事を思い出し静かに食べていた
クラシスとリズも『ひよこ亭』の常連のはずなのにノノ達とは違い「うまうま」と言い食べたいたが
「『ひよこ亭』の食事より、紅茶とケーキのセットしか思い出せない・・・」
「『ひよこ亭』は酒類禁止だったし・・・」
クラシスとリズも『ひよこ亭』で一緒にご飯食べたはずなんだけどな・・・
今では食事は『ひよこ亭』並みになって、しかも酒も飲めるので今の『ひよこ亭』の方がいいのかも
「ねね、『ひよこ亭』ってアライズ達のお店の名前だっけ?」
「宿屋って聞いたけど・・・喫茶店なの?」
シルキーとミルキーは『ひよこ亭』は聞いただけで実際には行った事が無かったな・・・
「んー、『ひよこ亭』は僕達が最初に泊った宿屋であり、食事処で、喫茶店かな?」
「そうそう、街一番の食事で三食『ひよこ亭』でご飯食べてた」
「弁当も美味しかったから、森での野営時も助かったね」
「私は『ひよこ亭』のお風呂も好きでしたよ」
「あー、初心者冒険者用の宿屋なのにキチンとお風呂あったね」
「『ひよこ亭』は初心者冒険者用の宿屋・・・?」
「冒険者になりたてでギルドで教えてもらったのが『ひよこ亭』だったの」
「まぁ、教えたのは私たちだけどね~」
「ね~」
クラシスとリズは昔はギルド職員として働いてたなぁ・・・
今では『アイギス』のお姉さん的ポジションになっちゃった・・・
「クラシスとリズはギルド職員辞めちゃって良かったの?」
「ギルド職員になるのに努力したけど・・・」
「職員になったら思った以上に退屈だった・・・」
「だから、リウについて来て毎日が楽しいから今の方が生きてる感あるよ」
「毎日美味しい食事と美味しいお酒があるのは幸せだよ」
そう言って昼ご飯なのにクラシスとリズは酒を飲みつつ食事をしていた
確かに2人は美味しそうに食べて飲んでいた、ギルド職員としての2人と接していて、今の様な顔を見る事が出来たのも一緒にパーティーを組んでからだな・・・
「僕も2人と一緒にパーティー組めて幸せだよ」
ニコニコしながらノノ達は聞いていたが、クラシスとリズは照れているのか顔が真っ赤になっていた、アライズとアリサとアンナは『ひよこ亭』でのお馴染みの食事を提供できたことに満足しているのか、アライズはこっそり果実酒を飲みだしている、アリサとアンナは追加でカットした果物を大皿に載せテーブルに運んできた
「食後の紅茶を準備してないので、果物でもどうぞ~」
食事をし、軽く昼寝をしてから追加で箱馬車を収納する『かまくら住居』を土魔法で構築し、次に寝床用の『かまくら住居』を大小2つ作った、大きい方を女性が使用し、小さい方をリウが使用する事になる、『かまくら住居』にはトイレと風呂場も一緒に作り、寒くならないように両方に暖炉も作っておいた、暖炉を複数作成したので大量の薪を消費しそうなので、森での薬草採取と同時に薪集めをしなきゃいけないかも・・・
「リウ~、調理場に地下室を作って~~」
「はいよ、調理場に作るとして広さはどうする?」
「保存食と酒の樽が十分保管できるほどでお願い」
「了解、少しだけ危ないかもしれないから部屋の中に入らないでね・・・」
リウはそう言い、調理場の床に手をつき土魔法で足元に穴を開ける、それと同時に床の土を固め崩れないようにし、背の高さにし階段を作成し、天井を補強する為に何ヵ所かの石で柱を立てて、入口に扉をつけ地下室を完成させた
「アライズ~、地下室出来たから一度見てくれ~」
「はーい、すぐいくわ~」
アライズが地下室に来る前に、リウは保存食を地下室に保管しておく、干し肉に干物に馬達の岩塩など、ここには食材のみを保管しておこう
暫らくして、アライズが地下室に来てから部屋の大きさと高さをチェックし、ココとリズがアイテムボックスから酒の樽を地下室に並べていく
「・・・地下室の3割が酒の樽か、保存食と小麦と調味料を含めると6割も使用済みっと」
「これだけの食糧があるなら冬の間は食べるのに困らないかも・・・」
「大猪や野うさぎなどもアイテムボックスにあるし、解体する部屋もこの際作っちゃう?」
「それなら、解体専用な部屋をお願いします」
「部屋の広さは・・・?」
「大猪を解体しても大丈夫な広さで~」
「あいよ」
解体部屋か・・・、調理場の裏にでも作っちゃうか・・・
リン達は戻って来なかったけど、彼女達の要望も聞いた方がいいな
簡易陣地の広さは、数か所の『かまくら住居』を作成し、空きスペースは全体の7割は建物を作成済みで、地下の修練場所はメンバー揃ってから作りだそう、1人だとMP枯渇で失敗しそうだしね




