1-172馬車の旅と酒と肴と麓の街とか
間違えて同じ日の同じ時刻で2話Upしちゃった・・・
リウ達の買い物が終わり箱馬車で休憩している頃、ココとリズは露店を巡り調味料を購入していた
保存のきかない物はココがアイテムボックスに保管し、それとこの街で初めて見かけた調味料も調理方法を聞きメモをしながら保管していく、調味料だけで大量になったので、2人は酒を購入する前にリウと合流し、調味料の受け渡しをする事にした
箱馬車では買い物が終わったリウが馬達を撫で、リンとヘンリーが御者席でぼんやりしていた
「リウ達は買い物終わったの?」
「おかえり~、終わったよ?」
リウは箱馬車に購入した装備品などを指さし、頼まれていた買い物を終えた事を告げた
ココとリズは保存の効く調味料を箱馬車に載せ、もう一度露店へ買い物へ戻る
「調味料を多く買いすぎて一度戻ってきたのよ、これから酒と肴を買ってくるからさ」
リズがニコニコしながら話しているのを聞いたリンとヘンリーはついて行きたそうにしていたので
「それならリンとヘンリーも一緒に行ってきな」
「馬車についてなくていいの?」
リウの提案にヘンリーは不安そうにしていたので、リウは笑顔で「大丈夫」と告げると
「それなら一緒に行きます!」
リンとヘンリーは御者席から降り、ココとリズについて露店の方へ向かう
リウはリズにギルドで受け取った報酬を手渡す、リズは革袋の中の金額に驚きつつもニコニコしている
「リズとココの好きな酒など購入していいからね、酒は樽買いが可能なら2~3樽お願いね」
「はいよ、川辺の街なので干物もありそうだし、色々買い揃えるね~」
リズとココは手を振りながら歩いていく、リウとヘンリーは買い物籠を背負いついていく
まぁ、リズがいれば美味しい酒を探せるし、ココがいれば美味しい肴を見つけれるでしょ
リンとヘンリーの2人がいる事で過剰な量を購入しないと・・・と思いたいなぁ
リウは商人ギルドの馬車置き場で街並みを眺めていた
街ぐるりと囲む防壁は街の住民に安全と安心を与えているのか、街の住民の往来も激しかった
その中でも冒険者の数が今までの街の中では一番多い、近くにダンジョンか狩り場でもいるのかな?
そう思ってリウはギルドで貰った小冊子を眺めてみたが、ダンジョンはダンジョン調査で行った事のあるのが1つで、それ以外だと山間部の周囲の深い森が薬草採取が有名みたいだ
「薬草採取が有名・・・一度は行ってみたいな」
それ以外だとこの辺のクエストについても記載してある
主だったものは薬草採取に、野犬に黒犬と大猪と六足山猪の討伐と、商隊の護衛依頼も多いみたいだし、この街のギルドクエストは豊富だな
この中でも六足山猪討伐は魅力的だった、倒すのも難しいのもあるけど、討伐後のギルド納品が山猪の大牙のみという、食糧となる山猪の身体は納品しなくていいみたいだし、山猪1体あれば『アイギス』のメンバーで1ヵ月は余裕で賄えるほどの肉量だという・・・、何より高級品という事で冒険者の中には専門の六足山猪の討伐者がいるみたいだし・・・
それと黒犬は冬場に身体の色が黒から灰に変わるみたいで、冬場では灰犬として討伐依頼が発注されるらしい、冬場でしか灰犬の毛皮が手に入らないという事で、黒犬の毛皮より高値で取引されているみたいだ
「麓の街に滞在して、薬草採取と灰犬討伐で生活費は何とかなるかな」
「薬草採取なら、今から2ヶ月くらいしかやれませんよ?」
リウの呟きを背負い籠の背負った冒険者が声をかけてくれた
冒険者は苦笑いしながら、背負い籠の薬草を見せ
「これが君が見ている小冊子に書かれている薬草だけど、冬場には雪に隠れて探す事は難しい」
冒険者の手元には綺麗に採取された薬草の束を見せてもらう
薬草はリウの知っている物と同じだったが、やはり冬場は雪に隠れるのか・・・
リウが沈んだ顔を見て少し気になったのか、冒険者は違う薬草を見せ
「これはHP回復ポーションじゃ無く、風邪薬となる薬草だね、熱さましと咳どめに効果がある、ポーション作成はポーション屋が専門だけど、簡易的には根を薄く切り煮つめれば完成する」
風邪薬の薬草は細長い葉をし、根が球根になっている感じの薬草だった
採取場所は日当たりの良い山間部・・・?
森の中では採取不可能っぽいな、山の中を散策しないと探せそうにないな
「この薬草もギルドでクエスト発注してるんですか?」
「んー、どちらかというとポーション屋とかが発注して、冬場で風邪薬として販売するね」
「この薬草は道具屋で買えますか?」
「んー、道具屋よりはポーション屋での方が置いてあるかも」
「それなら一度ポーション屋へ行ってみます、色々教えてもらってありがとうございます」
「たまたまギルド前で新顔を見かけたから声をかけただけだし」
「僕は『アイギス』はリウって言います」
「俺は『シーゲイト』のゲルト、この街の冒険者ギルドで活動してるから、何かあったらギルドに来てくれ!」
「はい、その時は是非!」
ゲルトはそう言い、冒険者ギルドへ向かい
リウは小冊子を見ながらMAPを展開し、この街の周囲と麓の街の周囲の赤マーカーを調べる
確かに山間部に近づくにつれ赤マーカーの山犬なのか黒犬なのかの反応が激しいな
それに規模は小さいが薬草採取場所が多数存在していたので、討伐しつつ薬草採取は可能だな
暫らくMAPで周囲を確認していると、リズ達が箱馬車に戻ってきた
「色々買い込んできたよ~」
ココがニコニコしながら両手に焼鳥を持ち、1本をリウに手渡し「これお勧め~」と言い
確かに焼鳥は露店売りの物よりも美味しい、どちらかというと宿屋とかの料理に近いかも
「うん、これ美味しいね」
「いっぱい買ってきた~」
ココはマジックバックを指さしニコニコしている
リンとヘンリーもマジックバックを大事そうにしている、2人も何気にいい買い物をしたみたいだ
リズは試飲のしすぎで顔が少し赤くなっているので戻って来てから箱馬車の中で横になっている
「それじゃ、簡易陣地へ戻ろうか」
リウが御者席に座り、リンとヘンリーがリウの両側に座る
ココは箱馬車の中のリズを心配し隣に座る、リウは全員が箱馬車に乗り込んだのを確認し、一路簡易陣地へ向け走り出す、箱馬車はココが魔法で浮かせる
簡易陣地へ向かう御者席でリウはヘンリーに麓の故郷の事を聞いてみた
「ヘンリーの故郷はどんな感じなの?」
「んー、麓の街はエルフの集落の受付みたいな所です」
「受付・・・?麓の街は純粋なエルフの集落じゃないの?」
「エルフの集落は麓の街より山間部よりの深い森の中にあります、深い森は迷いの森と言われていますが・・・、今の私ではエルフの森へ到着するのは無理です」
「それは一度エルフの集落を離れたから?」
「それもありますが、エルフの集落は同じ場所で生活するのではなく、数年で集落を変更するので、知っている集落の場所へ行っても現在も集落が同じ所へあるとは思えないんです・・・」
「それじゃ、エルフ達はどうやって集落を離れても戻って来れるの?」
「それは簡単な事ですが、集落変更は周期があるので移動後半年は集落が動く事はありません、その時に麓の街へエルフの加工品や装飾品を販売するんです」
「それじゃ、『白銀龍』の故郷の手がかりは直にはわからないのかな?」
「それについては商業者ギルドと冒険者ギルドの資料室で調べられると思います、そこには深い森の事や山間部の生物などの資料もあるはずです」
「まずは麓の街の両ギルドでの調べ物か・・・」
「それと宿屋か借家探しかな・・・」
「最悪、麓の街の周辺で野営かな・・・」
「寒さを我慢できるなら野営でもいいけど・・・」
「野営するなら宿屋以上に快適な生活を目指しますよ」
「リウが言うと、そうなりそうで怖いわ」
「「確かに・・・」」
麓の街の情報があり、新キャラの「俺は『シーゲイト』のゲルト!」が登場!
次回、簡易陣地で合流と麓の街での生活が・・・・。
そこまで進められるかは未定。