表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
168/354

1-168馬車の旅と修練の日々②とか

次の日の朝方、リウは簡易コンロの前の簡易ベッドでアリサと『白銀龍』と一緒に寝ていた

昨日は簡易ベッドで1人で寝ていたはずなのに・・・、『白銀龍』が夜中にリウの隣で寝たのはわかるが・・・、アリサは何故に隣で寝ていたのか・・・、「まぁ、1人で寝るのは寂しいか・・・」と思い、起き前にアリサの頭を撫でてから、ゆさゆさと揺らし「おきろ~あさだぞ~」と声をかけ、アリサが「ん~」と小さな抵抗を見せたが、リウと目が合うと慌てて起きだし、顔お洗いに荷馬車の方へ駆けて行った

朝方までにポーション作成をしていたアンナとヘンリーは、リウの一連の行為を見て、「いいなぁ~」とか「あれ、やってもらいたい」とか呟いていたがリウには聞こえていなかった

アンナとヘンリーは、ポーション作成で使用した調合の器材を片付け、完成したポーションをマジックバックに保管し、簡易コンロで紅茶用のお湯を交わし始める

お湯が沸騰しはじめると、『アイギス』のメンバーとリン達が『かまくら住居』や荷馬車から出てきた、クラシスとリズとアライズは少しだけ飲み過ぎたのか顔色が悪い気がする

リウは気になりクラシス達に声をかける


「クラシス達は大丈夫?少しだけ顔色悪いみたいだけど?」


そういうとクラシスとリズは、顔を見合わせ「にはは」と苦笑いをした後に


「久しぶりの女子会は盛り上がっちゃって・・・」


「リズのアイテムボックス内のお気に入りの酒と、アライズのお勧めの肴が美味すぎて・・・」


アライズはマジックバックから林檎を取り出し、酔いを覚ますかのように林檎を食べはじめる

二日酔いはポーションでも回復しないので、今日は少しだけ軽めの作業をお願いしよう


「クラシスとリズとアライズは今日は無理しないでね」


「「「は~い」」」


っと、こういう時は3人は声を揃えて返事をする、しょうがない今日は移動するより、疲れをとる事を優先しよう

この日の朝錬は、棍の修練をし、一通りの型をし、無手の状態でも同様に棍の型をし、全員が程良い疲れを感じ朝錬を終了する

アライズが調子悪いので、リウとアリサとアンナが主導で朝食の準備を始める

パンとサラダにサイコロステーキ、野菜スープにカットした果物を大皿にのせ、それと各自紅茶を淹れ朝食の準備を終わらせる

他のメンバーは『かまくら住居』内の掃除に荷馬車内部の掃除、馬達の世話をし、魔法で服の汚れを落としてから食事のテーブルにやってくる

各自各々の席に座り、いつもの朝食の合図で食事が始まるのだった


食事中リウはMAPを展開し、『アイギス』の簡易陣地付近で野営をしていた冒険者達は朝食を終え、既に街道を移動していた、荷馬車で旅をしていた冒険者も今さっき街道を移動中で、『アイギス』の簡易陣地の周りには誰もいなくなっていた・・・


「うむ、やっぱり旅の基本は朝一番で移動なのかな?」


食事も終え紅茶を飲んでいたリウが突然こんな事を言い出し、ノノとココは少し考えてから


「そりゃ、明るいうちに移動するのは基本じゃない?」


とノノが言い、ココは


「森の中は暗くなる前に出来るだけ森を抜けるように考えているはず」


と基本的な事を言うが、ノノとココは2人揃って紅茶を飲み、まったりしているのは見て


「言ってる事とやってる事が違う気がするけど・・・?」


「「休憩も大事~」」


と声を揃えて言われてしまった、ジャンヌは紅茶を飲み頷いていた

クラシスとリズとアライズは、日陰でイスを作成し、仮眠を始めている

シルキーとミルキーとヘンリーは、馬達にブラシで毛並みを揃え、「今日は少しだけゆっくりできますよ~」と馬達に話しかけていた


「それじゃ、私とアンナは午前中は調理荷馬車で焼串の下ごしらえをするからね」


アリサとアンナは調理荷馬車に行き、大猪の肉を串にさし、秘伝のたれに漬け込んでいくのだった

アライズ・アリサ・アンナの作る焼串は露店売りの物よりもおいしいが、一手間も二手間もかかるので、機関がある時にたれに漬け込み、いつでも調理可能な状態にしていた

なお、焼鳥を作ろうにも最近は森の中で見つける事も出来ずにいたので、焼鳥に関しては露店売りの物しか食べていなかった・・・、露店売りの焼鳥も美味しいので不満は無いが、ノノとココとジャンヌは森の移動中はホロホロ鳥の気配を注視していたが見つけることは出来ずにいた


「私達は森へ探索に行ってきます」


ノノとココとジャンヌは、装備を整え簡易陣地の周りを調べに向かった

リウもMAPで周囲を見ていたが、簡易陣地の周りには野犬や大猪等の反応は無く、薬草採取場所も確認できなかった・・・


リン・アイズ・ライム・ジルは、魔法の修練を始めた、魔力の圧縮と維持をしたり、「浮遊」を唱え自分達の杖や槍などの武器を浮かせ、旅の移動中での魔力の枯渇を少しでも減らそうと考えていた

リウは4人の魔法の修練を見ながら、街を離れてからここまでの街道沿いの薬草採取場所を記していた、これはリン達5人だけで薬草採取をしてもらい、ここで戻って来てからポーション作成を1日かけてやってもらえないかと考えていた


「リン達って大猪や野犬は討伐可能なの?」


リンは目の前で浮いている剣を集中しながら見、それでもリウの話を聞いていた


「討伐は可能ですが、無傷での討伐は私たちでは無理です」


「下準備と討伐対象の数にも討伐可能かどうかが決まります」


「野犬3匹までなら大丈夫ですが、5匹以上だと討伐を諦め、私達は逃げます」


リンとアイズの話にライムとジルは「そだね」「1人1匹は危険かも知れん・・・」と言っていたが、今の4人なら大丈夫だと思うんだけども、人の凄さはわかっても自分の強さは自覚してないか・・


午後からはクラシスとリズがリン達を引き連れて大猪討伐に出掛けたが、討伐成功したのかはリウは聞いてなかったが、5人はニコニコしながら帰還したので、成功うんぬんよりもいい経験したみたいでリウもニコニコしながらリン達を見つめていた

アライズト・アリサ・アンナは、リウのアイテムボックス内に保管していた野犬などを解体し、毛皮と肉に分け、他の部位は土魔法で地面に穴を掘り埋めていった

肉は秘伝のたれにつけ、調理荷馬車に保管し、焼串やスープの材料になり、上手に調理されるのだった


実際は森の中での討伐は、リン達のランクを上げるほどのポイントが溜まっているはずであったが、ギルドへの納品もせず、食材として扱っていたので、未だにリウ達は低ランクのままで旅を続けていた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ