1-158ダンジョン調査⑥とか
ダンジョン調査4日目、リウ達は回復ポーション50個を完成させた
一緒の徹夜組のライムとジルは、魔力操作の圧縮を修得し、短時間なら手の中で魔力塊を維持出来るようになった、もっとも繊細な魔力操作という事で精神的な負担が多いみたいだった
朝方の修練をし、冒険者達の朝ご飯と昼ご飯の準備を終え、希望者にポーションを販売した
ポーションが50個しか用意できなかった事に関し、冒険者の方から次の日の為にポーションを用意して欲しいとの要望を受け、ダンジョン調査に赴いた初心者冒険者11名は薬草採取をし、順次ポーション作成を行う事になる
「それじゃ、薬草採取は昼頃に一度戻ってきてください」
「「了解です」」
初心者冒険者の薬草採取を行う2組のパーティーリーダーが声を揃えて返事をする
2組のパーティーは『アイギス』の簡易陣地から東と西へ別れ移動を開始する
彼らが収集する薬草は回復系薬草、初心者御用達のクエストでもあるので昼までには午後からポーション作成する分は確保できそうであった
薬草採取は彼らに任せ、ノノ達11名は晩ご飯の準備をし、アイテムボックス内の薬草をポーション作成を始めるのだった
リン・アイズ・ヘンリーは最初こそ魔力操作の修練をし、MP枯渇気味になるとノノ達のポーション作成を観察していた
今は明日の調査の為に数を確保するのが大事と思ったのか、ノノ達には声をかけず邪魔にならない位置で昼を迎えるのだった
徹夜組のリウ・クラシス・リズにライム・ジルは昼ご飯の準備後に仮眠を始めていた
ライムとジルは寝る前に魔力操作の修練をし、MP枯渇になってから倒れるように眠る事になる
この日の初心者冒険者の薬草採取で、100個以上の回復系薬草を収集し、リウ達が目覚める前に80個のポーションを完成させた、なお薬草の状態が悪いものも含まれており、状態が悪い薬草は馬達の餌となった
夕方になり、リウ達が目を覚ました時、昨日以上に怪我を負った冒険者が『アイギス』の簡易陣地の前に並んでいた
冒険者もダンジョン内部で連携して調査をしていたみたいで、怪我を負った冒険者は多いがポーションを上手に使用し、3Fの手前まで調査をしていたみたいだが・・・
3F突入と同時に大型の黒犬が現れ、冒険者の一団が2Fへと撤収する事になる
冒険者達は調査よりも生き残る事を考え誰一人駆ける事無くダンジョンから帰還したという話だった
「それじゃ、明日からのダンジョン調査はどうするんですか?」
ポーションで怪我を治し、晩ご飯を食べていた冒険者のパーティーリーダーに話しかける
リーダーは少し考えてからリウに答える
「そうさな~、大型の黒犬の動向は気になるが、3Fから移動する事が無いなら討伐はしないけど・・・」
「それ以上にここにいる冒険者のみでは討伐は全滅必死ですよ・・・」
「冒険者ギルドから上級冒険者パーティーを派遣してもらうしかないね」
中堅冒険者の面々も3Fでの大型の黒犬の討伐は危険が伴うと思ったらしい
他の冒険者も3F以上の調査は危険だと思い、このクエストのダンジョン調査の完遂は無理だと思いはじめていた
「それでは今回のダンジョン調査はどうなるんですか?クエスト期間は未定でしたけど、内部調査は実施したわけですが・・・」
リウの素朴な疑問に対し、パーティーリーダーは
「ダンジョン調査は明日1日で終了だな、ダンジョン1Fと2Fの調査は終わってるし、3Fの大型の黒犬に関しては階層を越えての移動の有る無しの調査をすれば大丈夫だろう、ギルドとしても無理な階層での戦闘で冒険者が全滅したとなれば他の街のギルドから何を言われるかわかったもんじゃないしな・・・」
「それじゃ、僕らも明日1日の食事とポーションの準備をしますね、明後日は街への帰還でいいんですか?」
「そうだな、明日の3食と明後日の2食をお願いしてもいいかな?」
「わかりました、明後日は2食ですが、朝ご飯後に街へ帰還します」
「あぁ、我々も各々の荷馬車での帰還になる、君達の報酬は食事と別途ポーション代になるので街へ戻り次第、商業者ギルドから報酬が支払われると思う」
「了解です、明日1日無事に乗り切りましょう」
「だな、ここでの食事は美味しいが酒が無い生活はそろそろ限界だ・・・」
「街へ帰って酒場で飲みたいなぁ~」
「君達の食事も後2日しか味わえないのは残念だけどね・・・」
冒険者達は晩ご飯後は各々のテントへ戻り、装備を直したり、明日に向けて身体を休ませていた
リウ達は後片付けをし、少し遅めの晩ご飯をとる事になる
ここでの生活も残り1日、明後日には街へと戻る事になるし、リンさん達とも2日後にはお別れになるな
食事の後は、女性陣からお風呂へ向かい、寝る前に各自ポーション作成をしてから寝る事になる
リウとアライズは食事の後片付けをし、アライズは『白銀龍』の元へ晩ご飯を届けに行った
リン達5人は交代でお風呂を済ませ、魔力操作をしたり、ノノやココのポーション作成を「じー」と見つめていた
最後にリウがお風呂を済ませ、簡易陣地へ戻るとノノ達と一緒にリン達もポーション作成をしていた
リン達は初めて言う事もあり、ポーション作成をしてはいたが、ポーションが完成する事は無かったが、毎日の修練でポーションが完成するのはそう遠くない事だとリウは思っていた
「リンさん達はポーション作成は初めてなの?」
夢中にポーション作成をしているリン達に話しかける、5人は頷きながらも声を揃え
「「「「「「初めてです!」」」」
「冒険者学校ではポーション作成の授業とか無かったの?」
「戦い方や採取について、冒険者の最低限の知識は教え込まれましたが・・・ポーション作成などの加工や作成に関しては学校では教えてなかったです・・・」
リンが代表して学校での授業についてリウに教えているが
「それじゃ、ポーション作成などはどうやって覚えるの?」
リウの疑問に対してアイズが答えてくれた
「それは商業者ギルドでポーション屋へ直接弟子入りするか、独学で修練するんじゃないですか?」
「リウさん達はどうやってポーション作成を修得したんですか?」
「僕は独学で、ココはポーション作成は冒険者になる前に弟子入りしてたんだっけ?」
「弟子入りとまではいかないけど、初歩的な事は教えてもらったけど、『アイギス』に加入してからリウに本格的に指導してもらったかな~」
「私達はリウとココが先生役だね~」
「そうですね、私とノノはリウとココが先生ですね」
ノノとジャンヌは森の中での薬草採取やポーション作成などを思い出しながら話していた
「私とリズは独学でポーション作成を覚えたけど」
「まぁ、基本を覚えていて『アイギス』加入後に本格的にポーション作成を始めたかな?」
クラシスとリズは、『アイギス』前からハイスペックだったし、加入後は誰よりもポーション作成の成功率は高かったなぁ・・・
「アライズ達やシルキー・ミルキーは『アイギス』加入後にみんなで教えていたね」
「それを言うなら、冒険者としてのイロハはリウさん達が先生ですよ」
アライズ・アリサ・アンナ・シルキー・ミルキーは頷きながらもニコニコしながらリウ達を見ていた
「まぁ、なんだ・・・うちは冒険者というよりもポーション屋とか食堂に近い活動を最近してるし、討伐よりも採取がメインだしなぁ」
「それに関しては、討伐もするけどクエストというより食糧として討伐してるから、ギルドランクは上がらない・・・」
「そういえば、みなさんはギルドランクいくらなんですか?」
「ランク更新してないけど・・たしかFランクだっけ?」
「そんなに強いのにランクF・・・」
「それに私達は商業者ギルドの一員だし、冒険者ギルドの一員じゃないから・・・」
リン達はギルドの違いよりも、ランクFに驚いているみたいで、リウ達の話を半分も聞こえてはいなかった・・・
ダンジョン調査も残り1日に、2日後には街へ帰還します
『アイギス』リウ達のギルドランクF、初心者ランクですね




