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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
145/354

1-145学校行事1日目とか

学生たちがダンジョンへ向かい、『アイギス』のポーション屋は閉店とし、リウ達は店内でポーション作成をしていた

200個の薬草をメンバー全員で分担し調合していたので、夕方までには回復ポーションが合計400個となり、そのうち40個は下級ポーションで半値で販売する事になる、鑑定スキルが無いとポーションの性能がわからず、騙される事例が過去にあったらしい・・・、その為店側で下級は半値で販売するのが暗黙の常識になっていた

リウ達は薬草を使いきったので、明日の閉店時に採取する事になる


ダンジョンから学生が戻る前にポーション屋を再開し、怪我をした学生は下級ポーションを購入したりで、リウは大忙しで対応していた

どうやら学校側から支給されたポーションを使い切り、その後もダンジョンで戦闘をし、怪我したまま帰還した学生が多い事を知る

これで明日からは予備のポーションを持ちこむ学生が増えてらいいなと思うのだった

学生がダンジョンから戻り、引率の冒険者が学生の数を数え、全員が戻ったところで、パーティー内での食事の準備が始まるのだが・・・

例によって男女混合のパーティーは食事の分担をするわけも無く、女子が全部担当するというパーティーが目立ち、数組のパーティーが解体し、女子だけのパーティーが1つ完成した・・・、これで男女混合のパーティーは消滅したわけだが、もともと女子の料理を期待していた男子は料理が出来るはずもなく、干し肉をそのまま齧り、本当の意味で簡素な食事をしテントへと戻っていった、女子は干し肉を煮て簡単なスープにし、リウの作成した小屋の中で食事をしているみたいだった


学生間の食事が気になり、引率の冒険者へ食事の提供とまではいかなくても、料理の簡単な手ほどきは教えても大丈夫かを聞き、保存食で簡単にできる料理を、明日の朝に数品教える事にした、もちろん教えるのは『ひよこ亭』のアライズ・アリサ・アンナの3人になるのだが・・・


「・・って事で、明日の朝に学生に干し肉と干物で簡単な料理を教えてほしんだけど」


「んー、いいですが、彼らは鍋やら水やら火やら・・・色々不足してると思うんですが・・・」


「まぁ、各テント前に土魔法で簡単なかまどを1つ作成し、鍋はアイテムボックス内の小さなヤツ10個を渡せば大丈夫でしょ、水と火は冒険者なので魔法でなんとかできるんじゃないの?」


「生活魔法くらいは修得済みと思いたいけど・・・、どうだろ」


「それなら女子に聞いてみますか?隣の小屋に10人いますし」


「そっか、食事のお誘いついでに聞いてみますか~」


ノノとココが隣の小屋へ女子学生を呼びに行く

暫くすると装備を外した状態の女子がポーション屋へ入ってくる、女子はポーション屋の内部が見た目以上に広い事に驚き、また、店員が女性ばかり事にも驚いているみたいだった


「初めましてポーション屋の店主のリウです、今君達を呼びに行ったのは、ノノとココ、それに右からジャンヌ・クラシス・リズ・アライズ・アリサ・アンナ・シルキー・ミルキーが『アイギス』のメンバーです」


「初めまして『冒険者育成学校』の学生のリンです、後ろの子たちは同級生でリウさんの作った小屋で宿泊してます、あんな立派な宿泊場所を作っていただきありがとうございます」


リンがぺこりと会釈をすると、後ろの女子も一緒になり会釈をしていた


「あの、それで、私たちに聞きたい事があるとの事でしたが?」


「そうそう、君達の食事の事で聞きたい事があるんだよ、学校側からは食事はどういう感じで話があったの?」


「食事ですか?各自保存のきく干し肉や干物は持参し、鍋などはパーティー内で1~2つは持っていると思います」


「それじゃ、君達を別れた男子達にも鍋はあるんだね?」


「あります、もともとスープとお湯を沸かす気でしたから」


「それともう1つ、火と水はどうなの?」


「どちらも生活魔法を学生は修得済みですので大丈夫です」


「それならなんで男子は料理しないんだろ?」


「多分あれじゃないですか、面倒とか出来ないとか?」


「はぁ、冒険者になるなら料理くらい出来ないと演習やら野営時にどうするつもりなんだよ・・・」


「それを習うのが学校ですので・・・」


「そだ、明日の朝に保存食での料理教室を開くので参加してね、干し肉や干物での料理方法など教えるつもり~」


「引率の冒険者の許可は・・・?」


「さっき貰った、うちのアライズ達が料理を教えるから期待してね~♪」


「わかりました、では、失礼します」


リンは話が終わったと思い席を立とうとしたので、リウは女子5人に生活魔法でリフレッシュする、どうやらMPが回復してないので自身を綺麗にするのを後回しにしていたみたいだった


「ありがとうございます」


「食事の準備でMPがギリギリで寝る前に生活魔法を唱える気でいました」


「汚れと一緒に綺麗になった気がします」


「汗臭くない~」


「さっぱり~」


「どうしてそんなに親切にしてくれるんですか?」


リン達は見習い冒険者の自分たちにこんなに親切にしてくれるリウ達が不思議でならない、引率の冒険者もここまで親身になって教えてはくれなかった


「僕も冒険者なり立ての頃に、ギルドの方に親切にしてもらったので、出来るだけ初心者冒険者には優しくするんだよ」


「私達もリウから色々教えてもらったし」


「そうそう、魔法とかの先生はリウがしてくれたよ」


「ポーション作成についても教えてもらったし」


ノノとココとジャンヌがリウから初心者の頃に教えてもらった事を話す

確かに魔法やポーション作成などを教えたが、今ではリウよりも上達していた


「最初の助言はするけど、それ以降は自分自身の修練の成果です」


「それで私たちにも色々な事をしてくれるんですか?」


「まぁ、君達には冒険者という職業柄、男子よりも劣って見られがちです、さっきも男子ともめていたでしょ、彼らが子供すぎるのも問題だけど・・・、それに君達は誰からも優れた冒険者になればいい」


「まずは明日の朝の保存食での料理教室ですか?」


「冒険者の資本は食事から、ダンジョンへ行こうとも森での野営時でも、どこでもいつも通りに食事が出来れば生きていける、それだけで他の冒険者から優れた事になるし、何より美味しい食事を食べられる事が1番イイ」


「うちのパーティーではみんな料理が出来るし、アライズ・アリサ・アンナの料理は絶品だよ、元料理人という事もあるけど野営時でも宿屋での食事よりも美味しい食事を毎日食べてるし」


「私達3人は3日間ここで料理を作ってたけど、あなた達も食べてみる?これから晩ご飯だし、5人が追加しても大丈夫ですよ」


「一緒に食べれば食事の大事さがわかるか~、どうする?」


リンは学校行事は自分達の食事で過ごすという前提を崩していい物かと考えていたが、宿屋以上の食事と聞いて少しだけなら食べていいか~っと考えていた

リウは後ろの4人と相談し、食事を頂くというのはダメとし、味見のみをしてみる事にする


「あの食事を頂くのは行事中は無理なので、料理の味見をしてもいいですか?」


「うん、いいよ」


「それじゃ、食事はどうします?いつも通りに外で食べますか?」


「時間的にギルド員の3人も来るころだし、外で一緒に食事しますか~リンさん達も外に来てもらえるかな?」


リウがリン達5人を外へ誘導し、外では大きめのテーブルと人数分のイスを土魔法で作成する、アライズ達3人はテーブルに料理を並べる、シルキーとミルキーも手伝いをし紅茶を淹れている

暫くするとギルド員の3人も挨拶を交わしイスに座る

リン達の前にも料理が並べられ、美味しい匂いと共に食欲を誘う

アライズ達も席につき、ギルド員とクラシスらの前に酒を置き、リウは手を合わせて


「今日も一日お疲れ様、いただきます」


「「「「「いただきます」」」」」


リウ達は合図とともに食事を始め、クラシスとリズは乾杯し酒を飲みはじめる、ギルド員の3人も食事をし酒を飲みはじめる

リン達は目の前の料理を一口食べ、味見と言いつつ角煮のシチューを完食していた、焼串や焼鳥・焼魚も食べ、ここがダンジョン前という事を今は忘れていた


「この中で保存食の料理は焼魚とスープがそうかな、それと焼きたてパンもここで作ったし」


「この焼魚は干物を焼いたものだし、スープは干し野菜と干し肉に調味料で味付けをしたもの、パンも小麦粉から手間をかけて焼き上げたものだよ」


「大麦や蕎麦の実でも美味しい料理が作れるから、明日の朝は色々な料理を学べると思うよ」


「焼串と焼鳥は、森の中で狩れる獲物だし、それと解体スキルを覚えるのも必須だね、パーティ内で何人かは修得して損は無いよ」


「何種類かの調味料があると料理の幅が広がるし、最低でも塩があれば大丈夫かな?」


「干物を焼くだけで1品なるし、干し肉を煮込むだけで簡単なスープになる」


「大麦は脱穀し、炊けば美味しいし」


「蕎麦は脱穀し、スープの具になるし」


リンは保存食での調理法を次々と話されて少しだけパニックになっていた

他の子たちも次々と言われ困った顔をしている


「みんなストップ、リンさん達が困ってる」


「あぁ、ごめんごめん、教えたい事がいっぱいで・・・」


その後は食事を楽しみ、気がつけばリンさん達以外が果実酒などを飲みはじめ、学生のリンさん達は隣の小屋へ戻る時間になり


「それじゃ、私達は隣に戻ります、今日はごちそうさまでした」


リンがリウ達にぺこりと頭を下げ、他の4人も同じく頭を下げる

リウ達は「また、明日ね~」と挨拶をし、リン達は隣の小屋へ戻っていく

リン達は小屋へ戻り、各自の保存食の在庫を調べ、さっき聞いた話の料理を作れるかを話し合っていたが、明日の朝に料理教室の事を思い出し、リン達は保存食を片付け、早めに寝始めるのだった



リン達が隣の小屋へ戻ってから、リウ達は明日の料理教室の事を話し合っていた、先ほど話あった『麦ごはん』と『蕎麦の実』、『干物の焼き物』に『干し肉スープ』などの中から、明日教えるのは何がいいかを決めかねていた

簡単そうなのは『干し肉スープ』かな、干し肉や保存食を塩コショウで煮込む簡単スープ、これなら料理の出来ない男子でも調理可能という話になった

ダンジョン攻略1日目終了、男女のパーティーは解体し、1つの女子のパーティーが完成しました

明日の朝はアライズ達の料理教室を予定してます

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