1-142食べ歩きと薬草採取とか
穀倉地帯の街に到着し、爆睡した次の日、『アイギス』のメンバーは露店巡りと食堂巡りをし、この街の食材をふんだんに使用した料理を堪能した
小麦や大麦、野菜に果実、食材が新鮮で尚且つ種類が豊富だった
料理もパスタにパン類、お菓子に揚げ物にリウ達は食べた事のない料理を前に、連日食べ歩きをするのだった・・・
リウは穀倉地帯なので『米』があると思ったが・・・、発見には至らなかった
代わりに大麦を込めの代わりに焚き、この世界に来て初めて『麦ごはん』を食べる事になる、この『麦ごはん』は焼きおにぎりにして、リウのリュックに保管し、徹夜組の夜食の定番料理になるのだった
小麦が豊富という事で、小麦粉を大量に購入し、パンやパスタ、うどん等に加工し、『ひよこ亭』料理の基本となるのだった
野菜もサラダで食べたり、炒めたり、煮たりと何通りの調理方法が確立されており、アライズ・アリサ・アンナは夜に料理の再現をし、肉以外の料理を野営で食する事になる
お菓子もケーキやクレープ、クッキーなど多彩でシルキーやミルキーのリュックには大量に保管するのだった
「この街はイイね~♪食べ物は美味しいし、何より大麦で『麦ごはん』があるのがイイね」
「リウは『麦ごはん』が好物なの?」
「んー、本当は『米』があればイイだけど・・・」
「『米』?」
「僕の故郷の味かな~」
「パンとかじゃなく?」
「そそ、うちでは3食ご飯だったし、こっちでは見かけないけど『お箸』で食べてたね~」
「『お箸』?」
「2本の木の棒・・?を使って食事をするの」
「聞いた事無いですね」
「まぁ、うちの故郷だけのかもしれないし・・・」
「そうなの?」
「うん、食堂でも見ないし、道具屋でも売ってるの見た事無い」
「『お箸』の風習は無いのかもね」
「それは食事も違ってるの?」
「そうだね~、故郷の料理は和食と言って、大豆の加工品の味噌や醤油などの味付けで、調理したり昆布出汁で調理したり、華やかな料理は無いけど、食材の風味を引き立たせる料理が多いかな」
「味噌や醤油はわかんないけど、魚醤は同じものなの?」
「魚から作ったのが魚醤だね、大豆から作った物は醤油かな」
「そっか、どこかの街で見つかればいいね」
「僕達は旅の途中だし、食材探しよりも調味料探しの旅ともいえるね」
「それ以上に美味しい料理を食べれるのがイイね~」
「街についてから、みんな食べてばかりで少しは棍の修練をして身体を動かさないと・・・・」
「・・・ちゃんと毎朝修練してますよ?」
「少しだけ食べ歩き控えようか?」
「それならメンバー全員で薬草採取をやろう」
「それは明日やるの?」
「街に到着して3日間毎日食べ歩きしたし、そろそろ身体を動かそうか~」
「「「了解」」」
「日帰りで薬草採取するの?」
「んー、日帰りで3日間採取してみよう、ギルドに納品して旅資金と荷馬車の改修資金に充てたいし」
「荷馬車の改修をこの街でやるの?」
「うん、穀倉地帯だけあって荷馬車の数も多いし、馬車職人も多そうだから、改修資金が集まり次第、改修拡張をやるつもりだよ」
「それなら採取だけじゃなく、討伐もやれば?」
「討伐は商業者ギルドではクエスト数も少ないし、何より薬草採取はメンバー全員でやれば凄い数揃えられるんじゃないかな?」
「ちなみに、街の周囲には薬草採取場所はきちんと存在するの?」
「どうだろ・・・?穀倉地帯で採取場所は街から離れた場所にしかないかも知れん」
「街道から見ても周りは畑ばかりだったね・・・」
「薬草採取というより、魔法強化で移動ばかりの1日になりそうな気もしてきたな・・・」
「魔法使用で全力で駆けるとか・・・考えただけど痩せそうな気がする」
「今日の晩酌は酒を控えた方がいいかも」
「それでも多少は飲むけどね・・・」
「「「「もちろん」」」
その日の晩酌は、酒や果実酒を控え、肴は新鮮野菜のサラダにし、深酒になる前にメンバー全員が寝る事になる
晩酌の肴もサラダは初出しだったが、好評だったので新鮮野菜の補充をアライズにお願いするのであった、保管はリウのアイテムボックに・・・
翌日、『アイギス』のメンバーは大草原で薬草採取をする為に、「身体強化」と「速度強化」を唱え、リウを先頭に採取場所へ向け駆けだす
リウはMAPを展開し、薬草採取場所を目指していた
街から離れ、穀倉地帯は外れ、あまり人の訪れない場所に薬草はあった
回復系の薬草ばかりだが、採取場所は広大で11人が交代で採取しても、全体の2割しか採取できないほど豊富な薬草が生い茂っていた
ここまで魔法強化で2時間、採取時間は休憩時間を除けば、4時間程しかなく、この日は薬草を300個ほど採取し、街へ戻るのだった
この日から3日間、同じ場所で薬草採取をし、ギルドへは薬草500個程納品し、残り500個はリウのアイテムボックスに保管し、徹夜の時にでもポーション作成をするつもりだった
3日間の薬草採取で連日の食べ歩きの太めの体形を、元の体形に戻し、街を離れるまでには、スッキリした体系を維持する事になる
「美味しい物はカロリー高いんだよね・・・」
「カロリー?」
「えーと、美味しい原因?美味しい物ばかり食べると、太りやすい?」
「美味しい物は控えればいいの?」
「食べた分だけ、運動したらいいんだよ」
「それだけでいいの?今回の薬草採取でも同じ効果が得れるのかな?」
「大丈夫だと思うよ、魔力を消費し、身体を動かし、肉体的にも精神的にも消耗し消費したし、運動としては最高な事をしたと思うよ」
「毎朝の棍の修練よりも効果があるの?」
「朝錬は棍の修練になるし、何より街の中では魔法は基本的に禁止な事もあるからね、魔法以外の攻撃と防御には棍が最適だし」
「ジャンヌは槍使いだけど、棍も使いこなすの?」
「基本は同じだし、ジャンヌ、クラシス、リズの3人は『アイギス』の中でも棍のスキルLvが高いんじゃない?」
「それはリウよりも強いという事?」
「今ならノノやココより僕は弱いと思うよ・・・」
「それはなぜ?」
「多分、みんなの方が修練速度が速いんじゃないかな?」
「それは魔法もなの?」
「そそ、魔法の修得もノノやココは早かったよね、具現化魔法だけは僕の方が上手に使いこなせるけど・・・、それもすぐに追いつかれるし、やっぱりみんな修得速度は僕以上だと思うよ」
「それは知らなかった、リウは上手に魔法を使いこなしてるから気が付かなかった」
「魔法はイメージが大事だし、イメージを形にするのが得意なのかも」
「ノノやココが瞑想をやるのは、ある意味イメージ作りの為だし」
この日の晩酌はリウの修得速度について、みんなで話し合い、「魔法はイメージ」という認識で幕を閉じるのだった
『白銀龍』もリウ達の話を聞き、魔法はイメージはというが、イメージが大事なのは具現化魔法だと思っていた
『白銀龍』は『イージス』は修得済みで、現在は『紐』の修練中であった、『ハルパー』は武器を装備していないのでイメージ出来ず、旅が再開したら夜中にコッソリ教えてもらうつもりでいた
『白銀龍』が具現化魔法を修得している事は、リウ達は知らなかった、何故ならリウ達は『白銀龍』に戦う事をお願いせず、荷馬車やメンバーを守ってもらう事だけを頼んでいた、リウ達が『白銀龍』に戦う事をお願いするのは、同じ龍との対峙の時と考えていた・・・そういう場面には遭遇したくないとメンバー全員が思うのだが・・・
この世界でも美味しい物はカロリー高めで、みんな等しく太ります
3日間食べ歩き、3日間遠出の薬草採取をし、体形維持をするのであった




