1-140新しい具現化魔法『ハルパー』とか
次の日、『アイギス』は森の監視で疲れた体を癒し、宿屋で過ごしていた
昨日の女性陣の買い物で着替えや食材、調味料の購入を済ませた
リウは昨日部屋で修練していた具現化魔法の事をメンバーに伝え、クラシスとリズは『ハルパー』の修練をするのだった・・・
「イメージは決して壊れない、どんな硬い物でも切り裂く、形状は黄金の短剣・・・」
「壊れず切り裂く短剣・・・」
「一度、リウの『ハルパー』を見せて欲しいんだけど」
「いいよ、僕のも不完全だけど一度見た方がいいかもね」
リウは片手棍を構え、『ハルパー』を唱え、魔力を片手棍に集中するし、棍に黄金に煌めきく、昨日もここまでは具現出来た・・・
この状態で『ハルパー』が決して壊れないのを確かめる事は出来ず、そして、どんな硬い物でも切り裂く・・・これも証明不可能か・・・
「今のところ、ここまでしか『ハルパー』を再現できない・・・」
「『黄金の短剣』のイメージだから黄金の煌めきなの?」
「そうだね、一番最初にイメージしたのは『黄金の短剣』の黄金の部分かな?短剣の形状はイメージせずに、片手棍の煌めきに決して壊れないイメージを重ねた」
「『ハルパー』は武器に魔力を纏う感じで、イメージは壊れず切り裂く黄金の短剣・・・」
クラシスとリズは、魔法の修練というより、瞑想を始め、イメージを固める事を優先し、食事の時以外の時間を瞑想をするのだった・・・
『ハルパー』はノノとココとジャンヌにも教えると、クラシスと同じく瞑想をし、『ハルパー』のイメージを固めるのだった
他のメンバーは、ポーションの作成をしたり、調理荷台で料理をし、旅先での食事の準備の短縮を図っていた
街を離れる前にリウは道具屋で空き瓶を購入し、その他にも馬達の餌やブラシに藁などを購入し、半年以上街を離れても大丈夫な量を購入した
魔道具屋で大型のマジックバックを2つ購入し、空き瓶専用のバックと馬達の戦用バックとし、荷馬車に保管するのだった
街を離れる前日にクラシスとリズは『ハルパー』を不完全ながらも修得し、ノノとココとジャンヌは『ハルパー』の修得には至らなかった・・・、片手棍に魔力を纏うのは修得したが、黄金の煌めきとは言えない感じだった
ノノ達3人は荷馬車での移動中も『ハルパー』の修練をするつもりで、御者と助手をアリサとアンナにお願いしていた
街での最後の晩ご飯は、宿屋の食事とアライズ達の料理の両方を堪能し、残った料理はアイテムボックスに保管し、宿屋での最後の食事を食べ比べを楽しむのだった
明日から徹夜をするかもしれないという事で、リウとシルキーとミルキーは食べ過ぎず飲み過ぎないように夜を過ごすのだった・・・
クラシスやリズ、アライズは相変わらず酒を飲み、露店で購入した焼串や焼魚を肴にし、夜中まで騒ぎさいごの街の夜を楽しむのだった、『白銀龍』は晩酌時にはアライズのそばに座り、焼串を食べさせてもらったり、焼魚を食べやすくしてもらったりと、食事の時以上に晩酌時には良く食べていた
ノノ達3人は魔法の修練で疲れ、晩酌前に寝てしまい、クラシスの相手はアリサやアンナが担当し、酒に付き合い早々にダウンし、リウに布団まで運んでもらう・・・
リウやシルキー・ミルキーは晩酌の雰囲気だけを楽しみ、3人で魔法の修練をしたり、ポーションの作成をし、明日の徹夜に向け夜型の生活スタイルに戻そうとしていた
暫くすると晩酌も終盤になり、アライズがテーブルを片付け、リズが料理と酒をアイテムボックスに保管し、晩酌を終え3人は隣の就寝部屋へ向かうのだった
「3人ともおやすみなさい~」
「「「おやすみ~」」」
シルキーとミルキーは魔法の修練で瞑想中だったので、リウだけ「おやすみ」の挨拶をし、この日の晩酌を終了した
『白銀龍』は晩酌が終わっても部屋へは戻らず、リウ達の魔法の修練に付き合い、自らも魔法の修練に励むのだった
「『イージス』は短時間なら使用できるようになったね」
「それでも実戦での使用は厳しいかも・・・」
「馬達を守るなら魔法障壁で大丈夫だけど、『イージス』は荷馬車全体を守る壁になりそうね」
「完全に攻撃や魔法を防げるけど、『イージス』展開後にMP枯渇になりそうだし、2人は魔法の修練をして、魔力の向上をした方がいいかもね」
「『紐』も私達は使えるけど、長さと耐久性が弱い感じがして、ロープの様に使えるかはわからないね」
「野犬くらいなら動きを拘束できそうだけど、大猪などは拘束は無理かもな」
「長さも簡易陣地を3周分くらいしか伸ばせないし、ロープの代わりに使用できるかは未定だね」
「そういえば『ハルパー』はメンバーで誰も完全に使用できないんだっけ?」
「んー、僕も具現化魔法として完成してないし、完成したら攻撃面の向上になるけど、出来れば『ハルパー』を使わずに旅が出来ればいいんだけど・・・」
「出来れば魔法障壁だけで攻撃全てを防げたらいいんだけどね」
「2人には荷馬車や馬達を守ってもらいたいし、攻撃は僕たちやノノ達を頼って欲しいし」
シルキーとミルキーは、リウのその言葉を聞き攻撃魔法よりも、魔法障壁や『イージス』に特化した魔法の修得に力を注ぐのだった
もっとも2人は、戦う力より守る力を欲していたので、必然的に守り型になるのも頷ける結果になっていた
『白銀龍』は3人の会話を聞きながら、自分は攻撃型なのか守り型を悩んでいた
リウ達と共に旅をしていくうちに、守りの魔法ばかりを修練し、攻撃をすることなく大陸を渡り、今まで過ごしてきた・・・
『白銀龍』は魔力で身体を小型化したので、本来の性能の半分以下になっているのが原因かもしれない
それとも『白銀龍』にとって、『アイギス』は守るべき対象になったのか・・・
それは誰にもわからない事だった
第3の具現化魔法『ハルパー』の修練始まる




