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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
14/354

0-14プレゼントはバレッタとか

アンナさんがウエイトレスの制服から上に白いジャケット着てカウンターの前でアリサさんと話していた

「リウさん今日はアンナと一緒にデートって本当ですか?」

慌てたアンナさんがアリサさんに手でチョップを頭に落としながら

「デートじゃないで、リウさんにお店の案内に行くんですよ~」

アリサさんは頭をさすりながら首をかしげながら

「それはデートでは?」


盛り上がっている二人の前まで行き

「ちょっと普段着を買おうっと思って付き合ってもらうんです、いつも同じ服しか着てなくてね」


「確かにリウさんはジャケット姿しか見かけませんから今日の普段着な格好はめずらしいですね」


「そんなに気にすることないと思いますけどね~」


「普段着といっても着れる服が2組あるだけで、アライズさんに服装に気にかけなさいと言われましてね」


アリサさんとアンナさんも同じ考えなのか

「リウさんはスタイルがいいから服装替えたらモテると思いますよ」


「冒険者ギルドでもリウさんモテモテじゃないんですか~?」


モテる?モテモテ?無いでしょ、あそこは職場だし

「冒険者ギルドでも薬草採取しかしてないし、冒険者の知り合いもいないからモテる要素は一つもないよ」


「そういえば採取専門で活動してましたね、だからクエスト後なのにジャケットも汚れてなかったんですね」


「冒険者ギルドの受付さんからは、褒めてましよ。採取は丁寧だし、収集数も多いのでギルドとしても安定しているといってましたよ」


「ギルドの受付さん・・・、クラシスさんとリズさんあたりかな?」


「クラシスさんとリズさんは、『ひよこ亭』の常連さんで昼ご飯の時とかによく聞きますよ」


「二人とも甘いものが好きみたいで、おみやげのにクッキーも買っていきますね~」


冒険者ギルドで見る二人のイメージしかないので新鮮な感じだな

「クエスト前に二人にクッキーをお土産してもいいかもしれませんね」


「リウさんもクエストの時の非常食にクッキーを持参してください」

アリサさんがニコリと微笑みながら勧めてきた


「リウさん、そろそろ行きましょ。アリサ少しだけ店を空けますから後はよろしくね~お土産買ってくるから~」


「はいはい、楽しんできて!」


「「いってきます」」

二人揃って『ひよこ亭』で出る

街を二人で散策しながら歩いている


「アンナさんも買い物したいって聞いたんだけど?」


「新しい服が欲しいです、可愛いやつ~」


「いつもウエイトレス姿しか見たことないから普段着が気になるな」


「ウエイトレスは『ひよこ亭』で住み込みで働いてますからね、今日も普段着というかジャケットを羽織っている感じで変わり映えしないか~」


「似合ってますよ、自分的には新鮮でイイです」


「今度はウエイトレス姿でない時にでも見てもらいましょう」


「イイですね、楽しみにしてます」



「ここです、服屋さんの『エル&エム』です」

店の前でアンナさんに教えてもらったけど、店の入り口が右が男性用、左が女性用なのかな・・・店舗の左右でカラーリングが違うな・・・右が青で左が赤・・・派手だな


「なんか派手な店ですね、一人では入りずらいかな」


「『エル&エム』は二人のデザイナーさんが夫婦でやってる服屋さんです。エルさんが女性向けでエムさんが男性向けで、今日はこの店で買い物します」


店に入ると、下着からジャケットに靴下から帽子まで服屋さんというか服装から小物まで揃っている品揃えか・・・侮れんなこの店は


「すごい品揃えですね、靴下欲しいかも。普段着も何着か欲しいな」


「リウさんの普段着から見ていきましょうか~」


「いいんですか、アンナさんも買いに来たんでしょ?」


「私のはリウさんに選んでもらいますから大丈夫です~」


女性の服はわからんぞ、選ぶときは店員さんに助けてもらおう

「了解です、それじゃ『ひよこ亭』でもはずかしくない普段着を買おう」

持っている服は上下同じ色のやつしか持っていなかったので、少しだけ質のイイやつを選ぼう。一つ一つを手に取り選んでいると


「リウさんは黒が好きなんですか?」


「好きというか黒っぽい服しか着たことないな」

自分の持っている服を思い出しながら話す


「選んでいる服というか、手にしている服が黒のみだったのが気になって聞いてみたんですけど~」


「あえて黒以外を選んでみるか・・・」


最終的に選んだ服は、着心地は重視で色は紺っぽい上下を選び、革のベストと靴下も一緒に購入した。ギルドと『ひよこ亭』でしか過ごさない自分としては贅沢した気分でいっぱいだな


「アンナさん選んでくれてありがとうね」


「ふふふ、それを着たリウさんとまた来ましょうね~」



「それじゃ、アンナさんの服選び始めましょうか」


「私のはワンピースを見に来たので、少し見てきていいですか~」


「はい、店内を見てますから声をかけてください」



アンナさんはパタパタとお目当ての売り場に向かっていった、今のうちに『ひよこ亭』のお土産を買っておこう

「店員さんはどこだ~、すいませ~ん」


「はいはい、いらっしゃいませ。何をおもとめで?」


「お世話になっている方にプレゼントをと思いまして・・・」


「アンナちゃんと一緒に来たということは『ひよこ亭』の方々に?」


「はい、アライズさんアリサさんアンナさんにと思いまして」


「それでは髪止めのバレッタがいいと思いますよ、3人とも長髪なので仕事中にも使えるかと思いますので」


「バレッタ・・ですか、見せてもらっていいですか?」


「はいはい、こちらです。形も色もありますからゆっくり選んでください」

商品棚の前で1つ1つ選んでいく、アリサさんとアンナさんは色違いのリボンの形のバレッタをアライズさんにはローズ(薔薇)の形のバレッタを選んで店員さんに手渡す

「すいません、3つ下さい」


「はい、ありがとうございます」


「あの1つずつプレゼント用に包んでもらえますか?」


「大丈夫ですよ、間違いが無いように包みにメモを挿めておきますか?」


「はい、感謝をこめて書かせていただきます」

3人分のメッセージカードを受け取り、1枚1枚記入していく。カードを包みに挿めていく

「お会計お願いします」

バレッタ代を支払い、自分の買い物袋とは違う買い物袋に入れておく

「いい買い物ができました、ありがとう」


「まいどありがとうございました~」



ふぅ、プレゼントも買えたしアンナさんは・・・どこにいるかな~


店内を見てまわると2つのワンピースを見比べているアンナさんを見つけた

「アンナさん決まりましたか?」


「リウさん、どっちがいいと思います~?」


淡い色の緑と黄のワンピースと手に取り悩んでいた


「そうですね、アンナさんの銀髪には淡い緑のワンピースが似合うと思います」

アンナさんは自分の髪を見てワンピースの相性を考えてから


「これにします、ちょっと待っててくださいね」

アンナさんはワンピースを持って支払いに向かっていく


「では、店の前で待ってますね」

服屋さんを出て、アンナさんを待っていると


「おまたせしました~」

ワンピースの入った袋を手にしてパタパタと向かってくる


「それじゃ、帰りましょうか。そろそろ『ひよこ亭』も混んでくるかもしれませんし」


「そうですね、今日は戻りましょう。もう少し露店を見ながらゆっくりしたかったんですが次の機会にとっておきましょう」



店を出て20分しないうちに『ひよこ亭』へと到着する。まだ、混んでいる時間帯ではないらしくアリサさんがテーブルを拭いている、店に入り

「ただいま、もどりました~」


「「おかえりなさい~」」

アライズさんとアリサさんに迎えられる、二人とも気になったのかテーブル拭きもそのままに近づいてくる


「買い物どうだった、欲しいもの買えました?」


「いい買い物できました、アンナさんに選んでもらったので満足です」


「うんうん、楽しんできたんなら好かったよ」


「アンナもちゃんと買えたみたいだしね~」


「?」


「アンナは買い物に行っても悩んで買いそびれることが多いからね~」


「買い物に行く時は、またリウさんにお願いしようかね」


「アライズさん、買い物は悩んでいる時も楽しいのでイイんです。今日はその中でも当りを引いただけです!」

ぷんぷんと効果音を出しながらアンナさんが話している


「そだ、これを3人にプレゼントです」

買い物袋から3つのプレゼントの包みをだす

「これはアライズさんに、これはアリサさんに、これはアンナさんに・・・」

一人ずつ手渡していく、3人ともびっくりしながら受け取ってくれた


「いいんですか?」


「はい、3人にはお世話になっているのでお礼と感謝の気持ちです」

3人は包みのメッセージカードをみて、バレッタを見ている

「3人のイメージで選んでみました、髪止めなら仕事中に着けていても邪魔にならないと思いまして・・・」


メッセージカードとバレッタを胸に抱き、3人とも

「「「ありがとうございます、大事にしますね」」」

アリサさんとアンナさんはエヘヘと微笑みながら、アライズさんは嬉しそうに微笑みながらバレッタを着けていく、バレッタを着け3人とも感想を聞きたそうにしていたので


「3人ともお似合いですよ、素敵です!!」

やっぱり買ってよかった

こっちの世界に来てから初めてのプレゼントだったけど、喜んでもらえたみたいだ



「今日は部屋に籠ってホルダー作りしてます」


「はい、わかりました。バレッタありがとうね」

アライズさんは髪に着けたバレッタを撫でながら話す


「お似合いです、それでは晩ご飯の時に降りてきますので~♪」


アライズさんにはローズバレッタ

アリサさんには白いバレッタ

アンナさんには黒いバレッタ

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