1-137森の奥に蠢くモノ⑤とか
深夜の監視塔、目視では確認できないがナニカの反応30・・・
リウ達4人はライフル杖を構え、いつでも狙撃可能で待機していた
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ
森の奥からナニカの足音が聞こえてくる
カサカサカサカサカサカサカサカサカ
月明かりの中でナニカの確認は・・
カサカサカサカサカサカサカサカ
リウはMAPを展開し警戒する
カサカサカサカサカサ
森の中を確認すると
カサカサカサカサ
木々の中に紅い目が点在していた・・・
それはアントにも見えるが、明らかに大きさが小型に見えた
しかし、群れて移動しているのはアント特有の行動として
「ダンジョンで遭遇したアントより小型だ・・・」
「それでも数が多すぎですよ」
「どうする狙撃する?」
「監視のみにします?」
「監視塔の破壊が始まれば狙撃しよう」
「破壊開始で狙撃として、監視塔全体で魔法障壁を展開しましょ」
「それなら僕が魔法障壁を担当しよう」
監視塔の周囲には20匹を超えるアントが存在していた
危害を加えるわけでもなし、何かを探している様子だが・・・
前に山犬を襲撃したみたいに、獲物を探しているのかもしれない
暫くすると、監視塔の周囲からアントの群れはいなくなる
リウはMAPを展開し、アントの群れの移動が監視塔から離れ
森の奥へ向かうのが確認できた、アントの反応が無くなるまで監視続行かな
「アントが離れたから、ノノとジャンヌが寝ても好いよ」
「また、アントが来るかもしれないから、ここで寝ます」
「毛布を持ってくる」
そういってジャンヌは毛布を取りに2Fへ向かう
寝ても好い様に3Fに敷物を敷きつめ、横になっても大丈夫なようにする
ココはアイテムボックスから果実酒を取り出し
監視塔でのささやかな晩酌を始める
外にアントがいるかもしれないという事で、果実酒と干し肉を肴で飲みはじめる
「この森は『白銀龍』の住んでいた森じゃないみたいだけど・・・」
「どうするアントの討伐をするの?」
「今日のアントの動きを見ても、こちらから攻撃をしなければ危険は無いと思うけど・・・」
「もしアントに攻撃を仕掛けたら・・・それはその人の責任でしょ」
「これはギルドにどうやって報告するの?」
「どうしようか?監視塔を残して、塔までにアントは接近する事を伝え、森への侵入を止めさせるのが一番かな?」
「もう一つの塔にもアントは接近したのかな?」
「アントの移動した方向からして、塔には近づいてないんじゃないかな」
「ここで3日間監視するなら、監視部屋の拡張をしないと・・・」
「なんで?4人いても狭くないよ?」
「いあ、どうせなら簡易コンロを置けるように床の補強とかさ」
「確かに寒くは無いけど、夜通し監視はキツイかも、お湯が沸かせれば身体も温められるし」
「それにここで寝るならあったかい方が嬉しいよ」
ココとジャンヌは毛布を身体に巻き、リウに寄りかかる様に寝始める
ノノは2Fに戻り、2組の布団を取りに行き、ココとジャンヌにかけてやる
「風邪でもひいたら困るし」
ノノはそう言って果実酒を飲みはじめる
リウはココとジャンヌを撫でながら
「昔は森へは薬草採取で野営をする事があったけど、監視は始めてかもな」
「あの頃は森で一泊するのは怖かったけど、今では外での野営ばかりな気が・・・」
「まぁ、出会ったころは『ひよこ亭』と一軒家があったし、街を離れて旅をするとは思ってなかった」
「私達は冒険者以上に冒険をしてますね」
「大陸を渡るのは冒険者としては異例だと思うけど、みんながいてくれて良かったよ、一人では絶対生き残るのも無理だし」
「そうなの?リウは最初から何でも出来てじゃない?」
「それはノノとココ、ジャンヌが僕と一緒に修練をし、一緒に強くなってきたからだよ」
「私とココは冒険者なりたてで、リウのやってる事が当たり前だと思ってたよ」
「クラシスの話だと、修練よりも実戦第一で薬草採取よりも討伐を優先するみたいに聞いたよ・・・」
「それで最初は薬草採取とポーション作成ばかりしてたの?」
「そうだよ、ノノ達には戦闘よりも補助的な採取を優先して、冒険者を止めても生計をたてられるように、薬草採取とポーション作成を最初に覚えてもらったの」
「今では『アイギス』はポーション屋として、露店も出店してるし」
「まぁね、薬草採取はどこへ行っても需要はあるし、薬草があればポーションも作成できる、生活出来るほどの収入があればなんとかなるし」
「『アイギス』は薬草採取やポーション作成のみじゃないでしょ、『アイギス』は魔法使いの集団でもあるでしょ」
「結果としてはメンバー全員が魔法を使えるけど、攻撃魔法はココとクラシスとリズが卓越してるのかな?」
「他のメンバーも「ボルト」だけしか使えないけど、攻撃力は他のパーティーよりは数段上だと思うよ」
「そうなのかな?僕も攻撃魔法は「ボルト」のみだし・・・土魔法は建築ばかり上手になるね、簡易陣地や監視塔作りなどは得意~」
「それも普通じゃないからね、土魔法は人気が無いのよりも、使い勝手が悪いので有名らしいし」
「うちのメンバーは土壁とか得意じゃない?」
「そのくらいは『アイギス』では普通に使えます、『かまくら住居』などは私達でも3人がかりで作成するんです、リウとクラシスとリズが凄いんです」
「土魔法はイメージが大事だし、クラシスとリズは僕が作成したモノを忠実に再現している感じがするから、無い物を作るというより見たものを作る感じかな?ノノ達も見たものを見たままに作成したら・・・出来るかもよ」
「そうなのかな~?」
「後は慣れと修練という事で」
「もっと修練しなきゃなぁ」
リウ達は話をしつつ、果実酒を飲み監視を続けるのだった
ココとジャンヌはリウに寄りかかりながら、最終的には膝枕で寝始め
リウは朝まで動けずに監視をしていた・・・
その頃、クラシス達はリウ達のいる監視塔の周囲にナニカがいる事を察知していたが、リウがいるから大丈夫と思い、普通に監視をしつつ晩酌をしていた
アントの群れはクラシス達の塔には接近せずに、何事も無く朝を迎えるのだった
ナニカ=小型アント
攻撃を仕掛けなければ、大丈夫なようです
もし、目の前に群れのアントに遭遇し、パニックになり攻撃でもしたら、全滅必死な気がしますね




