表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
134/354

1-134森の奥に蠢くモノ②とか

次の日の朝、夜中に目を覚ましたクラシス達は眠そうだった

20km先での森の異変に、『アイギス』のメンバーは今後について話し合っていた

朝ご飯前にリウは地図を書き記し、昨晩の赤マーカーの出現と消滅した付近に印をつけた


「森の中を荷馬車で4日間の距離か・・・」


「昨日の反応を見ても数がすごかったから」


「いきなり襲われたら危ない気がする」


「それにどうやって消えたんだろ?」


「日中に見かけないのは夜行性だから?」


「不明な点が多いね・・・」


「今日はどうするの?」


「少しだけ近づいてみよう、周囲の警戒と瞬時に魔法障壁の展開を心がけようか~」


暫くするとアライズ達が料理をテーブルに並べ

みんなが席に着き、手を合わせ


「いただきます」


「「「「「いただきます」」」」」


リウ達徹夜組みも一緒に朝ご飯を食べ、アリサ達4人は眠そうに食べているが、寝落ちしそうだったので、1人ずつ抱き上げ荷馬車へと運んでいく

リウは4人を運び終え、食事を再開する


「さっきもクラシス達と話していたけど、森の奥で何かがいるみたいだ」


「・・・何か?」


アライズは昨晩の事を知らなかったので、リウ達は昨晩あった事を知らせるのだった


「それじゃ、野犬がナニカの襲撃にあって・・・」


「その後、ナニカも一緒に消えた・・・と?」


「距離的には荷馬車で4日くらいの所ですか・・・」


「なんか怖いですよね?」


「それで今日も森を進むけど、周囲の警戒と魔法障壁の瞬時展開をしようと」


「それじゃ、調理荷台での料理は止めておきましょ」


「だね、ナニカの正体が解らないうちは、荷馬車で集団で行動しよう」


食事がすすむ中リウはMAPを展開し、昨晩の位置に変化が無いかを調べていた

クラシスとリズは地図を見ながら話し合い


「4日の距離なら、1日移動して、1日様子見をする」


「1日襲撃が無ければ、安心という事でゆっくり休む事にしよう」


「それとダンジョンで宿泊したみたいに、土魔法で地面を盛り上げて簡易陣地を作成しようと思う」


「けど、森の中で5mも盛り土をしたら目立つんじゃない?」


「森の中だから目立つ事は無いと思うよ?」


「まぁ、木々の合間の広めのスペースを探す事が難しいと思うけどね」


「一応、『白銀龍』にも周囲の警戒をお願いしてるけど・・・」


『任せろ、馬達もきっちり守る』


『白銀龍』は馬達と荷馬車の事をきちんと考えているみたいだ

食事の時は静かに焼鳥と焼串を食べているが、『アイギス』の中で一番周囲警戒と魔法障壁があるしね

リウは「よろしくね」と声をかけ、『白銀龍』を撫でるのだった


食後の紅茶を頂き、リウは仮眠をする前に


「何かあればすぐに起こしてね、簡易陣地の製作は僕がするから、移動中に広めのスペースがあれば、早い時間でも休憩して起してね」


「了解、リウは徹夜で起きてたから早く横になってね」


「こっちの事は任せて、おやすみなさい」


リウはクラシス達に促され荷馬車へと戻るのだった・・・

リウが荷馬車へ戻ったのを確認し、リズが簡易陣地を解除し

荷馬車は森の中へ向け走り出すのだった



昨日同様に森の中は生物の反応は乏しく

森林の中なのに寂しい感じがしていた

それは生命力が乏しいのか、ナニカの影響で変化したのか

『アイギス』のメンバーは知る事が出来なかった


御者のノノは森の移動中、広めのスペースがあるとクラシス達と相談し

地図に広場と書き記し、森での通行した道を書いていく

メンバーも薬草採取などの、森の散策よりも疲れがあるらしく

『浮遊』の担当者がMP枯渇時に、時間に関係なく休憩していた

紅茶を飲みながら、焼串を食べ、まったりしながらMPを回復し

『白銀龍』は焼串を齧りながら、馬達が周囲を警戒しているのか

忙しなく周囲を見つめていた

馬達が落ち着きなく周囲を見渡していたので

ノノとココは馬達を撫で、落ち着かせようとしていた・・・


「どうしたの?」


「何かあったの?」


2人は馬達に声をかけ、撫でていたが一向に落ち着く事は無かった

馬達にはここが危険な事を、身体で感じているのかもしれない

ノノ達は馬達が不安がっていたのもあり、MP回復前に移動する事になる


「危険感知は馬達の方が上かもしれないし」


「『浮遊』はココが担当し、助手はジャンヌで他のメンバーは周囲警戒ね」


「「「了解」」」


御者ノノはゆっくりと荷馬車を走らせる

リズは馬達と荷馬車に魔法障壁を展開し、少しでも馬達の不安を取り除こうとした

この日の休憩を機に、寝る時以外では30分以上荷馬車を停める事を止め

馬達にも「身体強化」と「速度強化」を唱え

1日の移動距離を稼ぐ事になる

移動が速くなる事により簡易陣地のスペースを素早く探せる事になる


「そろそろ簡易陣地の設置の為に広いスペースを探そう~」


クラシスの一言でノノは荷馬車を走らせ、陣地スペースを探すのだった

暫らくすると、簡易陣地可能なスペースが見つかり

荷馬車を停車し、クラシスとリズが簡易陣地の1.5倍の広さに土魔法で土壁を作成する、厚さと高さを堅甲にし、馬達を素早く休ませる事になる


「荷馬車で休んでるリウ達を起して~」


土壁を作成し、5mも盛り土をする為に、リウの魔法が必要だった

荷馬車で仮眠をしていたリウ達は生活魔法でスッキリし

リウとノノとココとクラシスとリズの5人は、土魔法で簡易陣地のスペースを5mの盛り土をし、木々の上の位置まで陣地を移動する事になる

これにより山犬の襲撃を完全に防ぐ事になる


「はぁ~、ダンジョン以来の盛り土だけど成功だね~」


リウは見晴らしが良くなった景色を見ながら呟いた

少しだけ森の奥を見渡せる事になったが


「ここからでは昨晩の森の異変についてはわからないか・・・」


「『かまくら住居』と馬達の小屋を作成しよう」


「そだ、馬小屋と『かまくら住居』は石材で足元を固めてね」


「石材?土魔法で土を固める感じで良いのかな?」


「そそ、土を魔法で凝縮するイメージで固定化してみ、石並の強度がある石材になるから」


「ん~、なら今日はリウが馬小屋の足元を石材にしてもらえるかな?」


「了解、僕が石材に加工して見せるから、ノノ達は良く見ててね」


「「「うん」」」


リウは地面に手をつき、馬達の足元の土を圧縮凝縮し、馬小屋の中を石材に加工する、ノノ達もリウの土魔法を見て、各々で足元の土を圧縮していく

ノノ達は不慣れな事もあり、圧縮し凝縮する工程で統一して加工する事で出来なかったが、歪であれ足元を石材に加工する事に成功する


「こうして・・・こう!」


ノノが手元の土が変化し石材に加工していくのを見、もう少し平らになればきれいなのになぁ・・と、思いながら土魔法を唱えていく


「圧縮し・・・凝縮する」


ココは土魔法で土壁や住居の作成は得意だったが、土を石材に加工するのは初めてで、ノノとジャンヌに比べ凝縮率が高く、槍で突いても破壊不可能な硬さになっていた


「んー、上手くいかない・・・」


ジャンヌは土魔法での加工は苦手らしく、圧縮する工程までは出来たが、凝縮する事が苦手で、時間をかけ石材に加工していった


馬小屋の足元は、馬達が休ませる場所にココの加工した石材を使用し、その周りをノノとジャンヌの加工した石材を並べ、足元の安全を確保した

シルキーとミルキーは完成した馬小屋で身、体を休めている馬達に餌と水をやり、馬達にブラッシングをし、先ほどまで怯えていた馬達はリラックスした感じになっていた

夜は馬達が不安がる可能性があるので、シルキーとミルキーも馬小屋で休めるように、土魔法で簡易ベットを作成し、2人の寝袋をベットに設置した


『かまくら住居』の方は、クラシスとリズが作成し、住居全体の地面を石材で加工し、安全面の向上に成功する


森の奥に近づいた事で、コンロ焚火を2つに増やし、晩ご飯までの間にリウ達は簡易陣地の地面を石材へと加工する、浴槽の周囲とトイレも石材で加工し、この場所に宿泊し、森の警戒をする事になる


地面の加工が終わる頃に、アライズ達が料理が完成した知らせが届く

森の中の野営なのに、防壁並の堅甲な足場を作り、陣地を形成し、浴槽とトイレもあり、馬達も安心して寝泊まり出来るようになっており、リウ達は宿屋以上の食事と宿泊を確保していた


「今日も『ひよこ亭』の料理を堪能できる~」


「出来あいのスープだけどね、ここで1日宿泊するなら、明日の食事は手の込んだものを用意できるよ」


「エヘヘ、それは楽しみ~」


「アライズ達の料理は露店より美味しいし、いくらでも食べれる~」


「肉や魚ばかりじゃなく、野菜や果物を食べてね」


「焼串と焼鳥ばかりもダメですよ」


「そうそう肉・野菜・魚とバランス良く食べていこうね~」


・・っと言いながらも、肉料理が美味しく、食べ過ぎなほどメンバー全員で食べていくのだった


「この角煮のシチュウーは絶品です」


「私はこの大猪のステーキが好き」


「ホロホロ鳥の丸焼きも負けずに美味いです」


「このサラダも美味しいよ、肉と交互に食べるといくらでも食べれます~」


アライズ達3人は調理した料理が、きれいに食べられていくのを、ニコニコしながら見ていた

食事の後半にリズが果実酒を取り出し、焼串や焼鳥を肴に飲みはじめる

コンロ焚火の周りを石材に加工したので、敷物を地面に敷き、イスから降り飲みはじめる

コンロ焚火が2つになった事もあり、布団が無くても寒くなく、この場で寝る事に問題は無かった


シルキーとミルキーは果実酒を飲まずに、馬小屋へ向かい馬達と一緒に夜を過ごすのだった


リウとアリサとアンナは徹夜組なので、果実酒は飲まずに焼串を食べ、酔って寝始めたメンバーを介抱し、晩酌の雰囲気を楽しむ事になる


森の捜索2日目の晩酌を終了し・・・

5mも盛り土の上に簡易陣地を作成した

『ひよこ亭』の料理なので、宿屋以上の食事を食する事になる

焚き火2ヶ所で防衛力Upと野外で寝る事も可能にし~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ