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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
133/354

1-133森の奥に蠢くモノとか

5日後『アイギス』の荷馬車はクエストの発注した村へ到着した

村は丸太で柵を作成し、森に囲まれた村だった

村を横断するように小川が流れており

小川の西側に家が、東側には畑があり

柵の中で生活できるようになっていた

また、村では男性は弓を用い狩猟に励み

女性は畑作に励み、自給自足の生活を送っていた

その為、村にはギルドが無く、小さな道具屋があるだけだった

『アイギス』が村へ着いた時は、荷馬車が珍しい事もあり

村へ入るまでが大変だった・・・が

リウ達はクエストをするつもりが無かったので

村へ入らずにクエスト内容の森の事を聞き

荷馬車を一路、森へ向けて移動する事になる


「それにしても閉鎖的な村でしたね~」


御者のノノが先ほど村での会話を思い出し、助手のリウに話しかける

『アイギス』の荷馬車は村への進入を断られはしたが

クエストの内容を聞き、村人たちは村での行方不明は人攫いと思い

村への進入を防ぎ、また、村から出るのも制限していた


「まぁ、今回のクエストも人攫いじゃないかと思ってるみたいだし」


「今のところ普通の森の様な気がするけど?」


「そうだね、微かに野犬の反応があるかな?」


リウが森の中にいる野犬の反応を感じていた

荷馬車の上にいるクラシスとリズも周囲を警戒し


「森には野犬の反応があるけど・・・」


「今のところ戦闘になる事は無いんじゃないかな?」


「距離を見ても荷馬車を狙ってはいないみたいだね」


『アイギス』が森に進入してからは、荷馬車の上にクラシスとリズが警戒し

荷馬車の中ではジャンヌとココが周囲を警戒し

アライズとアリサとアンナは調理荷台で調理をし

シルキーとミルキーは荷馬車に『浮遊』を唱え、荷馬車を浮かせていた

2人のMPが枯渇したら、アリサとアンナと交代する事になる


『白銀龍』は荷馬車の上でクラシス達と警戒していたが

何故、森の中で違和感を感じていた

それは森の中なのに生物の反応が微弱な事と

木々が生い茂っているのに少しだけ生命力が少ない気がしていた

その違和感が何なのか『白銀龍』は気になっていたが・・・

その日は知る事が出来なかった


荷馬車を走らせ、『浮遊』をお願いしたアリサとアンナがMP枯渇になる寸前で、荷馬車を停車し、休憩する事になる

荷馬車を土壁で囲み、馬達にも同じく身体を休める事にする

リウはMAPを展開し、森全体を調べる事にする

森は広大で河川や滝なども存在し、湖も数か所確認できた

それ以上に赤マーカーの反応は少なく

黄色マーカーも5ヶ所しかなく

『アイギス』としては薬草採取には向いてはいない森の様だった


「野犬などが少なく、薬草採取場所も少ない・・・」


「危険な森じゃない気がするけど?」


「それ以前に生物の反応が少ない気がするけど?」


「確かにホロホロ鳥とか大猪とかの反応も無いし」


「森に生物がいない・・・」


「森の反応を見ても大型の生物がいると思えないし」


「それが不思議なんだよね?」


「周囲の警戒と休憩時の土壁は必須でいこうか~」


「それがいいね、夜も交代で火の番をしましょ」


「そういや、食料は何日分くらいあるの?」


「海鮮物が1カ月分の3角牛や大猪の肉類が3カ月分」


「それ以外で干物や干し肉類の保存食が3カ月分」


「焼串や焼鳥、ステーキ串が1カ月分?」


「それと果物や野菜も数カ月分あるし・・・」


「じっくり森の捜索が出来そうだね」


「馬達の食料も3カ月分あります~」


「馬達も安心です~」


リウ達は休憩ついでに昼ご飯をする事になる

荷馬車走行中に調理したアライズ達の料理を食べ

メンバー交代で昼寝をし、MP回復後に捜索を再開する

荷馬車を使用しての捜索するという事で

御者をノノとし、両側に助手のココとジャンヌが前方を警戒し

荷馬車の上でクラシスとリズと『白銀龍』が周囲全方向を警戒し

荷馬車の中ではアライズが『浮遊』を唱え、荷馬車を浮かせていた

リウとシルキーとミルキーとアリサとアンナの5人は仮眠をし

夜の火の番を交代で務める事になる


荷馬車の移動はアライズのMP枯渇まで行い

そのつど休憩し、『浮遊』を交代で務める事になる

クラシス達による周囲の警戒では森の中で野犬による襲撃も無く

荷馬車はゆっくりではあるが散策をする事になる

『白銀龍』も森の中の僅かな反応を感じてはいたが

今のところ不審場ところを感じる事は出来ずにいた


その日の夜は、土魔法で簡易陣地を作成し

森の中という事で、土壁と『かまくら住居』を分厚く堅甲にし

コンロ焚火の火と絶えさないようにしていた

森の中という事で、軽めに晩酌をし

クラシス達も森の捜索1日目の疲れもあったのか

仮眠メンバー以外がすぐに寝る事になる

『白銀龍』は馬達の側で、丸くなり馬達と一緒に休んでいるようだ


リウはアリサとアンナの3人で火の番をし

シルキーとミルキーは深夜で交代するので今は寝ていた


「それにしても静かな森だな・・・」


「生物の反応も少ない気がするし」


「それ以上に森全体の反応が弱い気がするけど?」


「そこがおかしんだよね、今の時期は虫の声が聞こえるはずなのに・・・」


「虫達も森から消えた・・・?」


「それか捕食された?」


「さすがにそれはないでしょ」


「虫から大猪まで捕食する生物ですか・・・」


「小型で肉食、森の木々も倒さずに移動捕食する」


「そんなヤツがいるのかな?」


「さぁ、ギルドではそういう討伐クエストは見た事無いね」


リウはこう言って紅茶を飲むのだった・・・

アリサとアンナは果物を食べ、徹夜に不慣れなせいか

目をシパシパしていた、濃いめの紅茶を飲み「苦い~」と声を揃えていた

リウはMAPを展開し、荷馬車の周囲の反応を調べていた

周囲2km圏内には赤マーカーは無く

荷馬車から20km離れた所に赤マーカーの反応が5つだけ確認できた

リウはその赤マーカーの動向を目を離さず見ていた


深夜になりアンナとアリサがシルキーとミルキーと交代し

リウとコンロ焚火の前に座り、紅茶を飲んでいた


リウがMAPで確認していた赤マーカーの5つの周囲に、突然無数の赤マーカーが現れ・・・、暫くすると赤マーカーがMAPがら消滅した

突然現れた赤マーカーに『白銀龍』とクラシス・リズ・ノノ・ココ・ジャンヌは『かまくら住居』から飛び出し、20km先を見つめていた

どうやら6人は、森の奥に現れたナニカに気がついた様だったが・・・

夜のうちに現場に近づくような無謀な事を進言する事無く

簡易陣地の安全を確認すると『かまくら住居』に戻り

寝なおす事になるのだった・・・

森の捜索1日目、夜に現れたモノは何なのか・・・

次回、荷馬車が現場に近づく

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