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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
120/354

1-120最初は薬草採取でしょとか

リウ達は宿屋で昼ご飯を食べ、久しぶりにゆったりとした時間を過ごした

今日は3カ月ぶりに休息日とし、部屋に布団を敷き、みんなで雑魚寝をした

『白銀龍』もこの日ばかりは、みんなと一緒に昼寝をし

荷馬車での長旅の疲れととる事にした


リウは小冊子を眺めながら、これからの旅の道筋を考えていた

この街からの街道は東と西に続いており

東は山間部に向かい、西は海沿いに続いていた

また、山間部は険しい山並みがあると思われ、人里も少ないと書かれていた

西は海沿いを北上していく感じで、川や森が広がる景色があると書かれたおり、街や村などが多数存在すると書かれていた


『白銀龍』の故郷を探すなら東だと思うが・・・、明らかに今の『アイギス』では危険な気もする

それとギルドの資料室で『白銀龍』や龍についても調べる必要があると考えていた

資金も底をつきそうだし、明日からは薬草採取とポーション作成をし

宿代を稼がないとなぁ・・・と、思いながらリウは寝落ちしていくのだった


クラシスとリズは、新大陸でも文字と言葉が通じる事に驚きつつ

小冊子を読み漁っていた、薬草の種類と名前は同じであると確認し

問題はポーションの作成方法と使用効果を直接購入し調べるつもりでいた

商業者ギルドの小冊子ということで、討伐クエストの項目は少なく

討伐対象の生物や野獣については、あまり記載されてはいなかった

2人は明日の薬草詐取は採取作業よりも、周囲の警戒に専念する方が効果的な気がしていた


他のメンバーは長旅の疲れが出ており、晩ご飯の時間ぎりぎりまで寝る事になる、もちろんリウは起されるまで爆睡し、ノノに起こしてもらうまで寝ていた

『白銀龍』もリウ同様に寝過してしまうが、みんなが起きるまでご飯を待っていてくれた


宿屋での晩ご飯は、3角牛の角煮が入ったスープに、ホロホロ鳥の丸焼きなど、肉料理が並んでおり、『白銀龍』は美味しそうにもくもくと食べていた

どうやらこの宿屋の料理は、質よりも量を考え、しかも、酒に合う料理ばかりで、クラシスとリズとアライズはご飯の時から酒を飲み、美味しそうに飲み食べていた


「このスープの味付けは、あまり食した事の無い味だね」


「調味料の違いかな?」


「それとも臭み取りの段階での手順からなのかな?」


「こっちの鳥は美味しいよ~」


「ホロホロだっけ?」


「初めての食べるけどうまー」


「薬草採取しつつ、ホロホロと狩るのもいいなぁ」


「露店で買った方が早いんじゃ?」


各自料理について話し合いが始まるが

一人だけギルドカードを見ながらリウに話しかける


「そう言えば、何で今回は商業者ギルドに加入したの?」


ギルドカードを見ながらジャンヌはリウに聞いてみた

リウは少しだけ考えた素振りをし


「冒険者ギルドは討伐クエストはメインで、薬草採取クエストが少ないでしょ?それにギルドランクが上がると危ないクエストをやるはめになるし、それが嫌でね、僕らは薬草採取は得意だし、ポーション作成も可能だ、どちらかといえば商業者ギルドで、定期的に薬草を納品したり、ポーションを納品した方が安心安全で好いと思ってね」


「まぁ、危ないクエストは嫌だけど・・・、どうしようもない時は手伝うんでしょ?」


「まーね、その時はギルド関係無く助けるよ」


ジャンヌはリウのその言葉に嬉しくなりニコニコしながら話を聞いてた


「それに『白銀龍』を故郷に連れて行きたいし、それまでは危ない事はしたくない・・・」


『あんまり気にすんな』


『白銀龍』はリウの言葉を聞きつつも、あんまり故郷に行く事にこだわりが無い様だった


「そのまま旅をしつつ、ポーション屋をするのも悪くないかもしれんし」


リウは討伐よりも採取を優先的に考え、定期的にギルドへの納品で生活する、そういう旅を密かに考えていた

どこかへ定住するにしても、『白銀龍』の故郷の傍に、『アイギス』のポーション屋を営業する・・・そういうのも悪くない気がしていた


食後は各自宿屋の風呂に入り、部屋で晩酌を始める

リズのアイテムボックスには酒樽が2つあり、リウ達が飲む果実酒の残りが心もとなかった

クラシス達が飲む酒は残り樽1つ分となり、クエストをこなし、追加の樽を購入しなければならなかった


明日からは採取クエストをするという事と、今回は一部屋しか借りなかったので晩酌をそうそうに終え、大きい布団を4組取り出し、眠る事になる

リウはジャンヌとシルキーとミルキーと同じ布団で寝る事にし

『白銀龍』はリウの上で丸くなり眠っているみたいだった


ノノ達もリウと同じ布団で寝たかったが

最近は一緒に寝る事が無くなっており

久しぶりにリウに甘えて眠りたかった

そう思いながらノノ達は眠りに就くのだった・・・



次の日は、『アイギス』のメンバー全員で薬草採取へと出かける

この辺では、回復系の薬草と毒消し系の薬草と熱さまし系の薬草の3種類が採取可能と小冊子に記載されていた

熱さましのポーションの作成は苦手なので、回復系と毒消し系の薬草の採取をメンバー全員でやる事になる


リウはMAPを展開し、街の周辺の黄色マーカーを調べ、近場の採取場所へ向けて歩きだす

今回は地図を描く事無く、リウが道案内をし、確実に薬草を採取する事になる


「この辺は回復系の薬草が豊富だな、多少は毒消し系の薬草が見えるが・・・、まずは各自回復系の薬草を20個採取したら休憩してくれ」


リウはそう言ってメンバーの周囲の警戒を始める

『白銀龍』もリュックから出て来て、リウの足元で警戒を行っている

『白銀龍』の影響か、MAPで確認すると、リウ達の周りには赤マーカーの姿は無く、街道を越え、山間部の方へ移動をしていた


ノノ達10人が採取を始め、1時間後には全員が薬草20個を採取し

休憩をはさみつ、昼ご飯までの間、回復系の薬草を計300個採取する事が出来た

毒消し系の薬草は計35個収集し、次の採取場所へと移動するのだった


昼ご飯は、いつも通りに土壁で周囲を囲い、テーブルとイスも土魔法で作成し、野営らしからぬ食事をするのだった


食事と言っても洞窟内での食事と同じで、アイテムボックス内にある、出来あいの料理での食事だった

それでも宿屋の食事よりも美味しく、それ以上に慣れ親しんだアライズ達3人の料理を『アイギス』のメンバーは大好きいだった


「そういえば、今の街の露店は見てませんでしたが、何をメインで売ってるんでしょう?」


アリサのその一言で、リウ達は午後の薬草採取を短時間で済ませ、街へと戻るのだった


この日の薬草採取の合計は、回復系の薬草を450個の毒消し系の薬草72個となり

商業者ギルドでの薬草採取の採取量を更新する勢いだった

その後急ぎ街へ戻り、ギルドへの納品をし、露店巡りへ出かけるのであった


ギルドへの納品をし、宿代を抜いた金額をメンバーに分配し

各々での露店買い食いをするのだった

『アイギス』は日々の宿代を稼ぐために薬草採取を行うのだった

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