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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
116/354

0-116洞窟は続くよとか

『アイギス』のメンバーは森林部での最後の夜を過ごし

次の日、各自の装備を整え洞窟へと荷馬車を進める

リウは『光源』を唱え、洞窟内を明るく照らす


「それじゃ、荷馬車の御者と助手はノノとココでお願い」


「「はい」」


「クラシスとリズは荷馬車を『浮遊』で浮かせてみて」


クラシスとリズは『浮遊』を唱え、荷馬車を浮かせる事に成功する

2人は『浮遊』の魔法に使用継続とMP軽減をカスタマイズし

長時間の魔法持続を可能にしていた

昨日の夜に『浮遊』を修得し、2人は魔法を自分の物し

それ以上に使いやすいように作り変えてしまったみたいだ・・・


「後で『浮遊』のコツを教えてね~」


リウがそう言うとクラシスとリズはニコニコしながら

「ん~」と、思案し「了解~♪」と言いながら荷馬車の屋根に上がっていった


荷馬車の屋根は林で薙ぎ倒した木で作成した薪が積んであったが

それでも4人くらいは座れるスペースは確保できていた


「クラシスとリズは『浮遊』を持続使用してるから、『光源』はジャンヌかアライズが唱えてね」


「はい」


「任せて」


どうやらジャンヌとアライズも荷馬車の屋根で『光源』の準備をしているみたいだった

荷馬車の中も『光源』を使い明るくしている

それは洞窟移動中、荷馬車の中が暗くては気持ちが滅入るという理由と

荷馬車の中に鉢植えを置き、リラックスする為と

気分的に明るくする為である


荷馬車の中の『光源』はシルキーとミルキーが担当し

持続時間も短いので交互に唱え、魔法の修練になるとし2人にお願いした


洞窟内に荷馬車が完全に入り、200m進んだところで


「洞窟の入り口を封鎖してくるから、少しここで待ってて~」


「了解~」


ノノは荷馬車を止め、ココは馬達を撫でながら周囲を警戒していた

リウは荷馬車を降り、自分の周囲に『光源』を唱え、洞窟の入口へ向かう

魔力を纏い、入口付近にかけて行く

リウは土魔法で地面と同じ高さで土壁を作成する

入口から10mを土壁で塞ぎ、3mを石材で壁を作成し、入口の封鎖を終える


「これで洞窟は10mの土壁と3mの石材で完全封鎖完了」


リウは封鎖が成功した事もあり、ゆっくりとした足取りで荷馬車へと戻る


荷馬車に戻ると、アリサやアンナが荷馬車から下りて

歩いてくるリウの帰りを待っていた


「おかえり~」


「もういいの?」


「あぁー、これで僕達の後から入ってくる冒険者はいないんじゃないかな?」


「そっか、少し残念だけどね~」


「新大陸への道がまた閉ざされた~」


「これが新大陸への道だとして、安全だとはまだ言えないし、安全なら入口を開放しても好いかもね~」


リウはそう言うと、アリサとアンナと一緒に荷馬車へと戻る

荷馬車に乗り、リウは御者のノノに


「それじゃ、ノノ、荷馬車を走らせてみて~」


「了解、行きます~」


ノノが鞭を振り、馬が走りはじめる

クラシス達の『光源』を頼りに荷馬車が洞窟内を進んでいく


リウはMAPを展開し、洞窟内の通路を確認している

通路は広さは荷馬車が2台並んでも大丈夫なほどになっていた

通路には赤マーカーも黄色マーカーも存在してなかった・・・

ただ、通路が伸びているだけで比較的真っ直ぐな道が続いていた

リウはあえて通路の先を確認する事無く

洞窟の中を進む事にしていた

それは、洞窟での生活をメンバーと同じに感じる為でもあった


「そう言えば洞窟内では時間の感覚が無くなるけど・・・どうする?」

 

「それは馬達の状態を見て休憩しようかなと~」


ノノは荷馬車を操縦しながらリウに答える

馬達の状態は『白銀龍』が声をかけ、いつでも馬達を休ませる体制にした

馬達は回復系薬草入りの餌を食べおり、通常の馬よりも走行距離などが向上していた


屋根の上ではクラシスとリズが『浮遊』で荷馬車を浮かせ

アライズとジャンヌが『光源』で荷馬車の前方と周囲を照らしていた

荷馬車の中はシルキーとミルキーが交互に荷馬車の中を照らし

リウとアリサとアンナは荷馬車の隅で仮眠をとっていた

荷馬車の後ろ半分に仕切りをつけ3人は布団で寝ていた

一応、洞窟内では時間の感覚は無いが

寝ずに荷馬車を停めるのには抵抗があったからである

今夜はリウとアリサとアンナが夜の徹夜組となっていた


御者のノノは『光源』を頼りに荷馬車を走らせているが

変わり映えない風景に早くも滅入っていた


「『光源』で明るいけど・・・いつまでたっても同じ風景ね~」


「それりゃ、洞窟内だし・・・」


「周囲は何の反応も無いの?」


「んー、今のところ何も感じないね」


「安全だからリウが荷馬車の中で横になってるんじゃ?」


「それもそうか~」


ノノは前方を見ながら荷馬車を走らせ

ココは周囲を警戒しながら『浮遊』の修練をしていた

『浮遊』の修練と言っても、手元の林檎をたえず浮かせているだけであったが

ココは『浮遊』の持続時間ではクラシスとリズの次に長く

MP軽減の効果こそ無いが、『アイギス』の中では魔法を熟知していた


暫らく荷馬車を走らせ、シルキーとミルキーのMPが枯渇すると

洞窟での初めての休憩をする事になる

洞窟内という事もあり、メンバーのだれも時間の概念が無くなっており

休憩の感覚を2人のMP枯渇した時になる

休憩の時は『浮遊』を解除し、クラシスとリズもMP回復の為に休む事になる


「リウ達3人は仮眠中だっけ?」


「そだよ、今日は夜の番だからね~」


「そういえば、リウはダンジョン内でも時間を把握していたけど、普通はどうやって時間を計るの?」


「普通は時間を計るのは無理よ、それこそ体内時計で計るしかないわ」


「それで今の時間は?」


「んー、まだ、昼までには時間があるかも~」


「それじゃ、今は紅茶のみの休憩でいいかな?」


「それがいいわ、荷馬車の移動時間を考えると、もう2度ほど休憩したら昼ご飯にしましょ」


「了解、走行30分の休憩30分でやってみましょ」


『アイギス』の荷馬車は、その後何事も無い様に夜を迎える事になる

仮眠をしていたリウ達3人は、ぐっすりと寝ていた為

夜の番の時には、土魔法で簡易陣地を作成し

リウはアリサとアンナと共に、魔法の修練をして過ごすのであった



『アイギス』は海底洞窟を3カ月かけて走り抜ける事になる

洞窟内は野獣などの出現も無く、毎日のように『光源』と『浮遊』を使用し

『アイギス』のメンバーは、全員魔力の向上に努める事になる


洞窟突入3カ月後、まだ、脱出はしてません

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