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器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
114/354

0-114海底洞窟の入り口とか

リウ達が森林部の中央部で穴を掘りはじめて5日後

海の方向へ続く洞窟を発見する事が出来た

最初に掘った穴が5mx5mだったが、現在は10mx10mになり深さも3mになっていた

そこから海の方向へまっすぐと洞窟が伸びていた・・・

ただ、落盤でもあったのか洞窟は入り口から20m近く崩れていた


「まさか洞窟が崩れていたとは・・・」


リウは横穴を掘りながら、崩れた洞窟の補強をしつつ

荷馬車が通れる広さを確保していた


「この先が海の向こうの大陸なのかな?」


ノノは洞窟の先を見つつそんな事を言っていた

大陸があるのは伝承や『白銀龍』の言葉では知っていたが

この大陸の誰も新大陸に行って事は無かった


「そうなんじゃないかな?」


クラシスとリズは新しく修得した魔法の『光源』で洞窟内を照らしていた

『光源』は擬似的の明るくする魔法で攻撃性も皆無な魔法だった

この『光源』は穴を掘るようになってからメンバー全員が修得した

慣れてくると同時に3つの『光源』を使用できるようだ


クラシスは試しに『光源』を3つ作成し、洞窟の奥の方へ撃ちだした

200m付近で1つ目の『光源』を地面に落とし

400m付近に2つ目の『光源』を地上1mの所に浮かべ

600m付近に3つ目の『光源』を天井部分に設置した


「うむ、600m先までまっすぐな感じだね・・・」


「『光源』が無い場合は通行不可能なのかな?」


「それとも魔法以外で洞窟内を照らしていたのかな?」


クラシスとリズは洞窟内の照明について考え始めた

洞窟の天井には周囲を照らす様には出来てなかった

ダンジョンの様に壁全体が光るわけでもなく・・・


「そういえばココは?」


「洞窟入り口の拡張をお願いしてるよ」


「荷馬車が通れるように木々を魔法で薙ぎ払ってるはず」


「薙ぎ払った木は適度に切断して薪として活用しよう」


「それがいいね、洞窟生活がどれくらい続くかは不明だけど、食料と薪は覆いに越したことは無いはず」


「それでリウこれからどうするの?」


「伝承が本当なら洞窟の先が新大陸・・・、行ってみたく無い?」


リウはニコニコしながらクラシスに話しかける


「まぁ、折角だし行ってみたい気はするけど・・・怖くない?」


「洞窟の先は行き止まりかも知れん、もしくは、先の無い地下への道かも知れん、それでもこの洞窟が新大陸へ行く手がかりなのは確かだし」


「そうだね、先のわからない道を進むのは怖いよね・・・」


「それでもリウはこの先が新大陸だと確信してるんでしょ?」


「あぁ、この道の先は新大陸で間違い無い!」


クラシスとリズは、リウがどうしてここまで確信を持てるのか不思議であった

それでも今までリウは薬草採取や山犬の出現など何か先を読んでいるように見えていた

リウはMAPの事をメンバーに教えてはいなかった

メンバーの前で何度かMAPを展開していたが誰一人気が付く者はいなかった

もしくは、MAPの機能を解放すればメンバーも見れるのか?


「それはそうと、洞窟を通るとしたら荷馬車の修理の道具なども購入しないとなぁ・・・、馬の餌なども大量購入しないとな・・・、後は追加で魔法も修得したいな・・・」


「ん?新しい魔法??どんな魔法を修得したいの?」


「これは魔道具屋で聞かないとわからないけど、物を浮かせる魔法を修得したい」


「それなら『浮遊』と言われる魔法があったはず、効果は物を浮かせるだけで、MP消費も少ないと聞いたな」


「出来ればメンバー全員で修得してもらいたい」


「・・・何を浮かせるの??」


「ん?荷馬車だけど?」


「あまり馬車を浮かせるとか聞いた事が無いけど?」


「洞窟がどれほど長距離なのかわからないから、馬の負担を抑えるとしたら、荷馬車の重さを軽減した方がいいでしょ」


「それに対しては賛成だね、馬の負担と荷馬車の負担を同時に軽減できるなら言い事づくめだし」


「それ以上に馬の走る速度も向上すると思うぞ」


リウ達は洞窟の入口へ移動し、深さ3mから荷馬車を走らせる為に

緩やかな坂道になれるように、リウ達3人は土魔法で階段を緩やかに作成していく、階段無しでも地下から登れるように・・・


地上に出るとココが林ぎりぎりまで木々をなぎ倒し洞窟の入り口を作成していた

ココは地面と壁を強化しながら入口を作成し

リウはアイテムボックスから石材を入り口に並べはじめる

崩れていた石材は、新たに土魔法で直し入口の両側に簡易の門の様に積み上げていく


「崩れた石材だけでは・・・こんなもんかな?」


「あんまり見た目綺麗じゃないけど・・・」


「それに洞窟が他の冒険者や街の人に発見されたら大変でしょ?」


「それなら大丈夫だよ、僕らの荷馬車が通ったら入口を完全に封鎖するし」


「・・・埋めるの?」


「そだよ、ここは遥か昔の伝承なのだから・・・」


「それに出口がわからないのに一般人が入ったら危険でしょ」


「そりゃそうだ」


「ココ~、入口はこんなもんでイイよ」


「了解、それで今日の仕事は終了かな?」


「そだね道具つの入り口は完成したし、進入されないように・・・」


リウはそう言うと洞窟の入口を『かまくら住居』で塞いでしまう

それは入口の無い丸いドームが入り口を囲んでいた


「これで大丈夫、山犬も冒険者も侵入出来ないでしょ」


「それじゃ、ノノ達を呼んで今日はゆっくりしよう」


クラシスとリズは薬草採取をしているメンバーを呼びに駆けて行った

リウはココと一緒にお湯を沸かしたり、テーブルとイスを作成し

いつでも休憩できるようにした


暫くすると、薬草採取していたノノ達が簡易陣地へ戻ってくる


リウはノノ達に生活魔法を唱え、メンバー全員をリフレッシュさせる

ココは紅茶を淹れ、ノノ達の前に紅茶のカップを手渡す


「お疲れ様、ここでの穴掘りは終わったし、明日は街へ戻って旅の準備をします」


「薬草採取はもういいの?」


連日の薬草採取で『アイギス』は薬草を回復系300個、MP回復系600個保持していた

明日街へ戻ったら多少はギルドへ納品するつもりでいた

それと道具屋で瓶を購入し、洞窟生活でポーション作成を荷馬車でするつもりでいた


「あぁ、結構な数の薬草を採取したし、今日はゆっくりしよう」


「それじゃ、紅茶を飲んだら食事の準備をしよう」


そういうとアライズ達は紅茶を飲みほし、調理荷台へ向かっていく

シルキーとミルキーも何か手伝いが出来るだろうと思い調理荷台へ歩いていく


ノノとココとジャンヌとリウは、なぎ倒した木々を細かくし薪にしていく

葉や枝を払い、細い枝は長さを整えロープで結んでいく

太い幹の部分は乾燥が必要なので、薪割りをし、少しでも乾燥しやすくする

ここで割った薪は、荷馬車の屋根にのせるつもりでいた


「このぐら薪があれば、暫らくは薪を購入しなくても大丈夫でしょ」


「それと3人には街へ戻ったら、ノノは焼串やパンなどを大量に購入してね」


「どれくらいの量を買うの?」


「とりあえず、3カ月分!」


「・・・ココのアイテムボックスに保管してるかも」


「それじゃ、追加で1カ月分購入して欲しいかも」


「了解~」


「ココは果物を2カ月分購入ね」


「林檎とか柑橘系とバナナだっけ?」


「そだね、洞窟内では食料がどれほど必要かわからないけど、アイテムボックス内なら腐る事も無いし、いっぱい購入してね」


「了解~」


「最後にジャンヌには馬達の餌を4カ月分お願いね、移動が多いから塩分補給の岩塩も半年以上欲しいかも」


「了解、ココのアイテムボックスに保管するね」


「食料はリズと僕のアイテムボックスにも保管するけど、露店の商品はすぐに食べれるから多めに買っておいてね」


「「「はい、任せて」」」


晩ご飯までの間に、リウはノノ達3人に明日の街での買い物をお願いした

食後は、クラシス達には酒と肴をお願いし

アライズ達には保存食や調味料の購入をお願いした

シルキーとミルキーには、露店で好きなものを買うようにし

2人に『白銀龍』と一緒に買い物をお願いした

リウは魔道具屋へ行き、『浮遊』の魔法を購入したり

道具屋へ行き、荷馬車の修理用の車輪や主軸を各5組購入した

それ以外でも、女性陣の着替えを購入したり

新たに大きめの布団を3組購入し、寒くなっても大丈夫なようにした


「それじゃ、今日は簡易陣地で一泊して、明日は街へ戻るからね~」


「「「はい」」


クラシスとリズは酒と肴を出し、アライズはリュックから焼エビや焼貝をテーブルに並べはじめる

ノノ達も果実酒をリュックから取り出し、ちびちびと飲みはじめる

ジャンヌだけは早々に酔いつぶれ、リウの膝枕で寝始める

『白銀龍』はクラシスからステーキ串をもらい齧っていた

シルキーとミルキーは林檎を食べながら、果実酒をちびちびと飲んでいた

なので2人とも目がとろんとしていた


この中央の林には穴を掘っていた5日間、山犬などの反応は全くなかった

その為、土壁の高さと厚さを十分に確保しておけば危なくないという事で

ここでは火の番をすることは無かった

それ以上に『白銀龍』が寝ずの番を進んで担当していたので

リウ達はゆっくり寝る事が出来た


リウはジャンヌとシルキー・ミルキーが寝落ちしそうになっていたので

3人を布団に寝かせ、リウも一緒にジャンヌの隣で寝始める

寝る前に3人の頭を撫でてから横になる


明日は街へ帰り、買い物をしてから海底洞窟の散策かな?

少しの楽しみと少しの不安はあるけど

それ以上に新大陸の方が興味がある!!!


洞窟の入り口発見

新魔法『浮遊』『光源』

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