0-105山犬の襲撃と具現化魔法『網』とか
次の日は、湖の釣り場でノノ・ココ・ジャンヌが仲良く釣りをしていた
3人は具現化魔法の紐の作成に成功出来ず、朝方リウが3人分の「釣り竿」を釣作り手渡したのもだった
午前中はノノ達3人で、午後からはリウ・シルキー・ミルキーの3人が釣りをする予定になっていた
ノノ達には釣りのやり方を教え、「ウキ」の動きと「竿」の上げるタイミングを教えると、あっという間に1匹釣り上げた
どうやら「ウキ」が水中に沈んだ瞬間に「竿」を上げるので、リウよりも釣りは上手らしい、ノノ達の3人の後ろでシルキーとミルキーも「ウキ」のタイミングで指先を上げていたので、午後からの釣り果も期待できそうだ
リウは釣り上げるたびに、後ろに控えているアライズ達に魚を渡し、人数分を焚き火で炙り、それ以上の魚を捌いてアイテムボックスに保管した
ノノ達は午前中、3時間で27匹釣り上げる
午前中はリウ・シルキー・ミルキーの3人が釣りをした
最初こそ釣りのタイミングをつかみ損ねていたが、リウの釣りを見てからは、シルキー達も順調に釣り上げる事に成功する
リウ達も午後からの3時間で23匹を釣り上げ、食料の追加と食事の充実の一端を担う事になる
本当は2~3日湖で釣りをしたいが・・・、昨日今日と2日間この場で焼魚を調理していたので、荷馬車の周囲の野犬の群れが集まりつつあり、街道の安全と荷馬車の安全を考え、明日の朝には移動する事にした
「ねぇ、リウ・・・「釣り竿」をもう少し細く出来ないかな?片手で持つには太すぎるし、重い・・・」
「まぁ、両手棍に紐を接着しただけだしね・・・。次の街に行ったら細めの木の枝か幹でもあればいいんだけど・・・」
「もしくは、具現化魔法で「釣り竿」を具現化する?」
「魔法の使い方、間違ってません?」
ノノ達は使っていた「釣り竿」が不満みたいだな、ノノは持ちずらいし重いと、ココは具現化魔法で作成とか考えてるし、ジャンヌの具現化魔法の無駄使いと考えているか・・・
この世界にも竹みたいな素材があればいいんだが・・・
リウとノノ達の話を聞いて、シルキーとミルキーの2人も頷いてる、やっぱり両手棍は使い勝手が悪いみたいだな
まぁ、何にしてもアイテムボックスに魚が20匹以上保管してあるし、ここの釣り場以外でも釣りをすればいいだろう、もしくは、湖だけじゃなく河川でも釣りをやれば違う魚を釣り上げる事も可能かもな
次の日は朝ご飯後に簡易陣地を解除し移動を開始する
街道を南に進み、次の街を目指すのだが・・・、広大過ぎる湖のせいか未だに湖から離れずにいる・・・、1日移動し街道側で停車し、すぐさま簡易陣地を作成する
リウは1人で釣りを始め、他のメンバーは簡易陣地内で調理や住居の作成をしていた、また、荷馬車の屋根で周囲を数名が警戒し、いつでも狙撃可能な状態になっていた
リウは湖で釣りを始める、1時間で12匹を釣り上げ荷馬車へ戻る
どうやら森の方で山犬が群れていると、ノノが知らせてくれて慌てて荷馬車へと戻ったのだ、狙撃可能だったが山犬の数が多すぎるという事で、戦うよりも耐え逃げる事にする
もしも、他の馬車に被害が及ぶようなら、ノノ達が山犬を討伐するつもりでいたが、今日は朝から街道を走る馬車はいなかった・・・、山犬が群れているのを知っているのか、それとも他の要因で馬車の通行が無いのか・・・
もっとも次の街は山間部を超える必要があるので、もう5日間はかかる予定だった、湖と森もあと1~2日で抜ける予定なので、釣りも今日が最後になる、「釣り竿」は次の街で必ず作成すると誓うリウだった・・・
リウは周囲の山犬と山間部でも何かが群れているのを知っていた
その事を晩ご飯の時に話していた
「湖と森も明日あたり抜けるけど、山間部も危ないんだっけ?」
「そうだね、山犬とかはいないけど・・・、山間部の討伐対象の生物は、一概に強敵が多いし、地理的な問題で戦いづらいはず」
「それなら今日と一緒で荷馬車の屋根に待機して狙撃をした方がいいかもね」
「山間部で一泊する時は山際に停車するか、出来るだけ広い街道を選んで停車しましょ」
「薪とかはアイテムボックスに保管してる?」
ココがアイテムボックス内の薪の在庫を確かめ
「薪はまだまだあるよ、少し買いすぎたかも・・・」
「まぁ、無いよりはいいか」
アイテムボックスの整理をする必要があるか
その後は、いつも通りに晩ご飯を食べ、火の番をするのだが
荷馬車の周りに野犬が接近しているのに気がついたノノが
「野犬接近、数は30!」
火の番をしていたノノとココは、リウとジャンヌを起し、荷馬車の屋根に上がり狙撃の準備を始める
リウは荷馬車に寝るメンバーに声をかけ
「山犬が接近してるから、少しだけ狙撃をするからうるさいかもしれない」
「んー、大丈夫。危ない時は起してね・・・」
クラシスはリウ達を信用してるのか、すぐに寝なおしてしまった
アライズ達も寝てるし、シルキーとミルキーも『白銀龍』を抱きしめて寝ていた、『アイギス』の荷馬車は山犬30匹くらいは4人でやられないと知っているみたいだ、もしくは信用してる?
荷馬車の屋根に上がると、月明かりの中、荷馬車へ近づく山犬が見てとれた、視界不良の中、ノノ達は次々と山犬を狙撃していく、視覚で認識しないで山犬の反応を頼りに狙撃しているのかな?
リウは山犬の反応だけでの狙撃は不可能で、MAPの追尾で狙撃をしていた
時間にして20分かからずに山犬の討伐を終える事が出来たが・・・、討伐数24匹、逃亡6匹となった・・・
逃げた6匹がまた襲ってくるのかと思うと、リウ達はそれだけで疲れそうだった
「みんなお疲れ~、見えずらいのにノノ達はすごいね」
「んー、山犬がいそうなところを狙ったから~」
「見えないけど、見えた気がして~」
「山犬の反応を狙った感じかな~」
ノノ達にもどうやって狙撃したのかわからないみたいだ・・・感覚で狙撃したのかな?そのやり方は見える時よりも高度な気がするのだが・・・?
「まぁ、何にしても僕がアイテムボックスに保管してくるから、ノノ達は引き続き警戒よろしくね。それからに荷馬車のみんなを起さないように、静かにね・・・」
「「「はい」」」
ノノ達はコクリと頷き、荷馬車から飛び降り焚き火の傍で、周囲の警戒を再開した
リウは土壁を飛び越え、山犬24匹をアイテムボックスに保管する、一応荷馬車の周囲に山犬などがいないかを確認するが、近づいている物はいなかった
リウは簡易陣地へ戻り、焚き火の傍で紅茶を飲んでいるノノ達の傍へ向かった
ノノ達はさっきまで戦闘をしていたとは思えないほどリラックスしていた
リウはさっきの戦闘で汗をかいていたので、焚き火にいる4人に生活魔法を唱え、サッパリしてから、リウは紅茶を飲みはじめる
「はぁー、さっぱりさっぱりー」
リウは目を細めながら紅茶を一口飲み、「はふぅ」とつぶやく
隣を見るとノノ達もリウのまねをして「はふぅ」と言っていた
「このまま待機だけど、明日からは山間部を通過だから、山犬以外を見る事になるかも・・・」
「んー、少し楽しみ~」
「食べれるやつなら、なお良し」
「荷馬車へ突っ込むやつがいないといいけど・・・」
ノノとココは山間部の生物を気にしてる・・・?ココは食べる事前提で話してるし、ジャンヌは荷馬車の事を考えているけど、荷馬車へ突っ込んでくるなら、魔法障壁を常時展開しないとなぁ(=_=;
リウ達は朝まで焚き火で干物を炙って食べたり、果実酒をちびちび飲みながら、周囲を警戒していた
リウは果実酒を飲みながら、具現化魔法の修練をしていた、紐を瞬時に編状にするのをイメージし展開していた、最初は編状と言うより、作りかけの「あやとり」のような具現化した紐が出来あがり、次に網の目をイメージし展開し、手のひらサイズの網の目の紐が出来あがった
「イメージは出来た、網の目になった・・・が、これは小さすぎる」
リウの具現化魔法を隣で見ていたノノ達は、網の目の具現化した紐を見て、何に使うのか予想だにしなかった・・・、ここにいったってはリウがまた変な事を考えたと思っていたが、ココが口にすることは無かった
ジャンヌはリウの具現化魔法の紐が発展し、網の目になった事を驚き、自分にもできるかを考えていた
リウの考案した具現化魔法の『紐』、発展型の『網』は今後の『アイギス』にとって防衛としても、採取としても、今後使える魔法としてリウは修得に励むのだった
ノノ達も具現化魔法の修練をリウと一緒に朝方までやり、朝ご飯後にはMP枯渇と寝不足で眠る事になるが、クラシス達は山犬の襲撃で疲れたのと思い、昼過ぎまでそっとしていた
3番目の具現化魔法『網』を修練中
次の日から山間部を通過予定




