0-104湖での初釣りと新鮮な魚とか
次の日、『アイギス』は宿屋を出て一路街道を走る
荷馬車の御者と助手はリウとシルキーとミルキーで3人で操縦していた
『白銀龍』は屋根の上に座り森の中を見ていた、簡易屋根を展開し、周囲の山犬などの反応を感じていた
ノノとココとジャンヌも屋根に上で、荷馬車の四方を警戒する
リウは御者をしながら、MAPを展開し、山犬が接近しているのが見てとれた、すると屋根の上のノノから
「前方から山犬が5匹接近中、荷馬車に接触前に攻撃します!!」
リウは荷馬車に魔法障壁を展開し、隣のシルキーとミルキーは小型杖を構えている、「バババババッ!」屋根の上から『ボルト』の魔法攻撃が、山犬に吸い込まれるように当たっていく・・・山犬は『ボルト』の一撃で討伐していく
討伐し、周囲に動ける山犬がいない事を確認し、ココがアイテムボックスに討伐した山犬を保管していく
「一撃必殺~」
「『ボルト』一発~」
「アイテムボックスに保管完了~」
ココが「速度強化」し、魔力を纏い、荷馬車の屋根から飛び出し、アイテムボックスに保管し、また荷馬車へ戻ってくる
ノノとココとジャンヌは一撃で山犬を討伐し、間髪いれず回収までこなすとは・・・、荷馬車の中からクラウスとリズが苦笑いを浮かべながらリウを見ていた
「ふぅ、やっぱりノノ達はランクD以上の実力がありそうね・・・」
「てか、うちらと同じくらい強いんじゃ?」
クラシスとリズがノノ達の実力について話している
確かに最近のノノ達は、一撃で討伐してるし、それに魔力操作の向上で、魔力を纏う工程も自然にやっていた
魔力を纏う工程は、リウやクラシス・リズ並に自然に行っていたので、次は攻撃魔法と並行して、両手棍での直接攻撃を修得するのも面白いかも・・・
「最近の討伐クエストでも、山犬は一撃で討伐し、大猪は『ボルト』3発で討伐し、黒熊『ボルト』5発で倒してたし・・・、魔法障壁で安全を確認しての討伐なので、正面きっての討伐は不安はありますが・・・」
「それでも盾役を魔法で行い、魔法のみでの討伐は、冒険者としては優秀すぎるわ」
「んー、ランク的にはC以上だと思うけど・・・ランクCは面倒な事が多いからランクアップは控えた方がいいかもね」
「そっか、それなら冒険者ギルドへ行ってもランクアップはしないでクエストの納品だけにしよう・・・」
「それがいいわ、危ない偵察やら討伐やらをギルドから指名される場合があるからね・・・、それに今の方が気が楽だし~」
そういって荷馬車の中へ戻り、クラシスとリズは仮眠をしていた
どうやら午後からの御者と助手はクラシスとリズが担当するみたいだ
アライズ達は調理荷台で煮込み料理を調理していた、荷馬車の中は美味しそうな匂いに満ちていた
山犬の襲撃も終わり、荷馬車は停まることなく走り続ける
リウはシルキーとミルキーに杖をリュックに戻すように言い、引き続き助手をしてもらう
荷馬車の屋根でノノとココとジャンヌは周囲の警戒を再開する
シルキーとミルキーは先ほどの戦闘を思い出し、自分達も同じような事が出来るか考えていた
2人は助手をしながら、手の中で魔力を圧縮し、魔力を維持し、魔力操作をしていた、リウは隣で魔力操作をしているのを確認する
2人は無属性魔法の「身体強化」「速度強化」『ボルト』と魔法障壁を修得済みだった、具現化魔法は修練中で、魔力を纏う事はまだ出来なかった・・・
荷馬車は昼頃までに、山犬などからの襲撃も無く、順調に街道を走る
隣の2人は、MP枯渇でリウに寄りかかり仮眠を取っていた
荷馬車を街道側に停車し、リウは荷馬車の周囲を土壁で囲む、昼ご飯の準備をアライズ達に任せ、ノノ達は馬の世話をし、シルキーとミルキーはイスに座り仮眠をし、リウとクラシスとリズは周囲の警戒と同時に接近していた、黒熊の討伐に向かう
黒熊は荷馬車の500mまで接近していたので、リウは威嚇で『ボルト』を撃ってみたが、黒熊は構わず向かってくる・・・。リウは具現化魔法で黒熊の動きを封じ
「紐で動きを封じます、2人で攻撃よろしく~」
リウは具現化魔法の紐で、黒熊の両足を封じ、両手を縛り、身体を木に固定し、クラシスとリズは『ボルト』で攻撃をし、討伐を成功させる
リウ達は荷馬車に接近している、黒熊や山犬を追加で討伐する事になる
最終的に、黒熊が3頭、大猪が2頭の討伐をし、荷馬車へ戻るのだった
荷馬車へ戻ると、昼ご飯の準備を終え、リウ達を待っていた
生活魔法で3人は清潔にし、テーブルの席に着く
リウ達が座るのを確認し、アライズ達はテーブルに料理を運ぶ、シルキーとミルキーも目を覚まし、料理を運ぶのを手伝っていた
今朝から調理した煮込み料理は美味しそうだし、何より柔らかい白パンもテーブルに並んでいた、料理が並び終わり、アライズ達が座るのを確認し、リウは手を合わせてから
「いただきます」
「「「「「「いただきます」」」」
と言って食べはじめる、リウ達は先ほどの戦闘で腹ペコだったので、煮込み料理をお代わりしていた、昼ご飯なので酒を飲まずに、紅茶を飲みながら食事をしていた、食後にカットした果物を食べ、みんなで昼寝をしてから荷馬車を走らせる
午後からは御者と助手は、クラシスとリズが担当した、荷馬車の屋根ではアライズとアリサとアンナが周囲を警戒している
荷馬車では、リウ・ノノ・ココ・ジャンヌ・シルキー・ミルキーが仮眠をし、今夜の火の番をするつもりでいた
午後からは山犬の襲撃が1度あり、アライズとアリサとアンナの3人で討伐していた、討伐した山犬はリズのアイテムボックスに保管し、荷馬車は走り続ける
荷馬車は街道を走っていると、大きな湖が見え始めていた
湖は広く広大な為、今日は湖の傍で一泊する事になる
クラシスとリズは日が高いうちに、荷馬車を街道に停め、簡易陣地を作成する
荷馬車の中のリウ達は、荷馬車が停車しての気がつき、夕方前に停車したので、襲撃があったかと思い、クラシスとリズに話しかける
「どうしたの?」
「今日はここで一泊します。湖の傍なのでゆっくりしようと思ってね、それに湖でまったりするのは好きでしょ?」
「それなら僕は湖に行ってみるよ」
そういうとリウは湖の方へ歩いていく、リウはMAPを展開し、湖を調べてみる
湖には魚の反応はあるが・・・、どうやったら獲れるかな?
釣りをしようにも、釣り針もないし・・・
具現化魔法の紐で加工作成したらいけるか?
アイテムボックスから手作りの棍を取り出し、具現化魔法の紐を極細にし、釣り針を紐を加工に作成する
棍を「釣り竿」とし、具現化魔法の紐を「ライン」とし、紐を加工し「釣り針」とし、落ちていた石を紐に接着し「オモリ」とし、薪の中から小さい枝1本を紐に結び「ウキ」にする
「ライン」を「竿」に動かないように固定し、餌を小さくカットした干し肉を「釣り針」につけ、湖で釣りを始める・・・
土魔法でイスを作成し、ぼんやりしてると「ウキ」に反応があり、手首を返し「竿」を上げると・・・、魚が釣れたが・・・イワナ?
リウは魚が釣れたので荷馬車へ向かって
「おぉーい、釣れたぞぉー、誰か来てー!」
そういうとアリサとアンナがバケツを持って駆けてくる
アリサとアンナは魚を確認し、バケツに入れてすぐさま荷馬車へ駆けて行く
アンナは次の魚は?っと言う感じで見ていたので、リウは釣りを再開する
5分もしないうちに魚を釣り上げ、すぐにアンナは荷馬車へ魚を届ける
計15匹の魚を釣り上げ、その日の釣りを終了する・・・
荷馬車へ戻るとコンロ焚火のまわりで魚を焼いていた、塩をふっただけで焼いているにもかかわらず美味しそうな匂いがしていた
調理荷台でアライズが料理をし、アリサとアンナが焼魚を焼いていた
クラシスとリズは何であのやり方で釣れるのかをリウの「竿」を見ながら話しあっている
ノノ達は自分達も釣りたいとリウにお願いし、シルキーとミルキーも明日は釣りをやりたいみたいだ
リウは魚の匂いに山犬が集まる危険性を感じ、MAPを展開する・・・、確かに山犬が集まり、簡易陣地で向かっているのが確認できた
リウは土魔法で土壁を補強する、高さを上げ、厚さを増し、いつも以上に堅甲な作りにする
クラシスやノノ達は、簡易陣地へ集まりつつある山犬の反応を感じていた
そのうえで、今夜の火の番をリウ・ノノ・ココ・ジャンヌ・シルキー・ミルキーとし、晩ご飯後に6人が仮眠をし、クラシス達が寝る頃に交代でリウ達が火の番をする事になる
その日の晩ご飯は、焼魚に干し肉のスープ、3角牛の焼き肉と豪華な食事となった、干物は食べていたが新鮮な魚は、この世界で初めて食べたかも・・・
シルキーとミルキーは初めて食べる焼魚を美味しそうにかぶりついている
『白銀龍』もはむはむと焼魚を齧り、嬉しそうにしていた
リウも焼魚をかぶりつき、初めて魚の美味しさを実感していた
「新鮮な魚ははじめてかも~」
リウがそういうとノノ達も頷き、焼魚を食べている
この世界は漁業が盛んでは無いのかもしれないな
もしくは、海で飲み漁業をしてるのか・・・、釣った魚を売るのはいいが、悪目立ちしそうだから、販売は無しだな・・・食べる分をアイテムボックスに保管するだけならありか?
「湖の魚は初めて食べた~」
「干物ばかりで、これは美味しい~」
「明日は釣りまくりましょう~」
ノノ達3人は明日は釣りまくりするつもりらしい、他のメンバーも頷いているから、数日はここで釣りをしているのもいいかもしれないな・・・
いつでも釣りを出来るとは限らないし、何より新鮮な食材が手に入るなら、釣りまくりもいいかも~
「了解、釣りの用意はするから、今日は火の番をしっかりしようね~」
「「「「はい!」」」
そういって焼魚を食べはじめる、多めに釣り上げていたのでシルキーとミルキーが2匹目を食べている、数匹残っているのを、明日の朝ご飯でスープにするというのでみんなニコニコしながら聞いていた
食後、リウ達は仮眠をし、夜の火の晩に備えた
火の番をしながらリウは明日の釣りの事を説明していた、ノノ達は真剣に話を聞き、薪の中から「ウキ」を選んでいた、「竿」は自分の両手棍を使用すると言い、ノノ達5人は「ライン」は自分で作成するといい具現化魔法の紐の修練を始める
リウは具現化魔法を始めた5人に少しだけのアドバイスをし、1人で周囲を警戒する、荷馬車の周りには山犬の反応は無いが、1k先には山犬の群れの反応があった
リウは山犬の接近を警戒し動向を注視していた
荷馬車の屋根の上では『白銀龍』も警戒をしていて、リウはそれだけで十分すぎる護衛を得たと思っていた
魚の種類は数あれど、名前までは誰も知りません




