0-102料理の修得と討伐食材とか
宿屋の一室で目を覚ますと、外は夕方の様であった
リウは半日寝ていた事になる、そういえば昼過ぎに到着したけど、ご飯も食べないで寝たな・・・と思い、リュックから干し肉を取り出し齧りはじめる
荷馬車の旅は快適だけど、夜の火の番が大変だと実感し、それ以上に野犬などの襲撃に備えるという、何重にもクエストをこなしている感じがあるなと思っていた
リウが欲し肉を齧っていると、隣で寝ていたノノが「ご飯?」と聞いてきたので「もうすぐだから起きな」というと、むくりと起きだす
「おはよ」
「んー、おはよ」
リウはアイテムボックスから欲し肉を取り出し、「はい」といってノノに欲し肉を渡し、2人で寝ながら欲し肉を齧りはじめる、ノノはエヘヘと笑顔になりながら齧っていた
暫くするとみんなが起きだしたので、リウは全員に生活魔法を唱え、スッキリな気分にしてから1Fの食堂へ向かい、料理を部屋へ運んでもらうように頼みに向かう
晩ご飯をお願いしてから20分後、従業員が部屋に料理を運んでくる、料理は大猪の角煮や3角牛のステーキ、それに鳥の丸焼きなどもあった、野菜のサラダも見た事のな野菜が確認できる、それと焼きたてパンが2種類あり、硬めのパンに柔らかめのパンが選べるみたいだった
硬めのパンは大猪の角煮のスープに浸けると柔らかくなり、硬いパンが絶品の味わいに変わっていった
柔らかいパンも薄切りにした鳥肉と野菜をはさみ食べると、簡易ハンバーガーになりこちらも絶品だった
料理に使用しているソースが美味しいのか気になりはじめているアライズ達がいたが、リウ達は料理の美味しさに酒も飲まずに食べていた
食事も後半になり、ノノ達は果実酒をちびちびと飲みはじめる、鳥の丸焼きを食べやすい大きさにし、野菜を合わせ食べすすめる
クラシスとリズとアライズは、お気に入りの酒を3角牛のステーキを一口の大きさにし、酒を味わうように飲んでいた
アリサとアンナとシルキーとミルキーは蜂蜜酒を水割りにし、カットした果物と一緒に楽しんでいた、水割りしているので甘めのアルコール分の無い感じになってはいるが・・・飲み過ぎないように気をつけよう
『白銀龍』は3角牛のステーキを一口にカットしたのをリウに食べさせてもらっていた、鶏肉も美味しそうに頬張っていたので、『白銀龍』は肉好きである事が確定した
「そういえばこの鳥は、なんていう鳥なの?」
リウは鳥の丸焼きの残骸を指さしながら聞いてみた
するとアライズが小冊子をめくりながら
「多分、この辺りでとれる野山鳥じゃないかな?」
「野山鳥?」
「そそ、身体が灰色で肉食で小型の動物などを食するって書いてあるわ」
アライズは「ほら」といって小冊子の野山鳥が書かれているページを見せてくれた、リウはその灰山鳥を見て、鮮やかな灰色大型の鷲のような鳥が書かれていた、灰色・・・ひょっとして銀色なのかな?
ここへ来るまでに遭遇してないから、人間を襲う動物じゃないのかもしれないな、討伐クエストではなく、捕獲クエスト辺りが商業者ギルドにありそうだな
この鶏肉は『アイギス』の食卓に追加したいな・・・、それと料理に使われたソースも気になる、調合方法を知りたい・・・
「よし、明日は野山鳥の肉の購入と料理に使用してるソースの購入を1番に考えよう、この街は料理がおいしいから来て正解だったね」
リウの呟きに『アイギス』のメンバーは全員頷いている、なぜか『白銀龍』も一緒になって頷いていたが・・・、野山鳥の丸焼きを気にいったのかな?
料理も食べ終え、酒もすすみ、眠くなりはじめていたので、交代でお風呂を済ませ寝る事になる、相変わらずノノ達はリウの腕枕で寝る事を希望していたので、リウは要望通り一緒に寝る事になる
リウは明日は腕が痺れる覚悟で寝る事になる
リウは寝る前にMAPを展開し、街の周辺の赤マーカーの反応を確認していた、街全体は石垣などで守られていて、山犬などの進入を防ぐ役割を果たしていた、ただ歪な発展としたせいか、大通りなどの道は無くうねりくねった道がたくさんあった、明日は迷わないように移動しないとな・・・
リウ達が就寝後、『白銀龍』はこっそり具現化魔法の修練を開始する、魔力の放出を抑え、なおかつ少ない魔力を圧縮し、維持し、纏う、その精密ともいえる魔力操作を連日の修練によって、『白銀龍』は魔力操作を格段に向上していた
それは100の魔力を200の魔法で使用する物であったが、『白銀龍』はその事を知らない・・・
ただ、未だに具現化魔法の修練には至っておらず、『白銀龍』はリウに具現化魔法のイメージを改めて聞くつもりでいた
この頃の『白銀龍』は食事以外でも、新たな知識として色々な事を知り、修得していった
次の日リウ達は朝ご飯後に、オルガさんの食材屋を探しに街をさまよう事になる
探すと言っても11人で冒険者ギルドへ行って、『アイギス』が到着した事を知らせる事と、クエストボードのクエストの確認をする為だった
クエスト確認と言っても、MP回復の薬草の採取があればするつもりでいた、薬草を採取し、ギルドへは納品しない、この周辺にあるかを知る為だけに来ていた
クエストボードを見ていたノノ達は、3角牛と大猪、野山鳥の3角クエストがあるのを教えてくれた
これで街の周囲に3種類の食材が存在していたのを知り、『アイギス』はクエストよりも食材確保の為に行動を開始する事になる
その後、受付嬢から道具屋と場道具屋、オルガさんの食材屋と露店が出店している場所を聞き、冒険者ギルドを出て移動を開始する
道具屋で空き瓶を購入し、調合書などが売って無いかを確認し、道具屋での買い物を終える
魔道具屋では新たなマントを購入するつもりでいた、今のマントでもいいが、見た目が黒いだけの厚い布製なので、この際なのでリュックと同じく藍いろのお揃いのマントを作る事になる、多少の攻撃にも耐えれるように付加魔法を追加し、マントの後ろに盾と薬草の刺繍をお願いし、魔道具屋を出る事になる
マント完成までは1ヵ月とし、その間に野山鳥の捕獲をする事になる
次にオルガさんの食材屋を訪ねる
食材屋は道具屋さんよりも敷地が広く、新鮮な肉から干物・欲し肉・調味料が揃っていた、そこは『アイギス』にしてみれば夢のような店であったが、アライズが率先して食材を選び、アリサとアンナが食材の詳細を聞き、調味料に対しては値段に関係なく購入していく
その為リズのアイテムボックスは、食材のストックがすごい事になっていた
保存食や調味料はココがアイテムボックスに保管し、リウ達はニコニコしながら買い物を終える事になる
一応、オルガさんが先日のお礼を言ってきたが、リウ達の買い物を見て、割引をお願いしてきたが、購入する量を見て苦笑いをしていたので、アライズ達に料理を教えて欲しいとお願いし、明日からアルト夫人に料理を指導してもらう事になる、これにより明日からのアライズ達の予定は決定してしまった
リウ達はオルガさん達にお礼を言い店を出て、露店巡りをする事になる
この街の露店は、串焼きや焼き鳥、ステーキ串に鶏肉のから揚げ(?)の様な物まで多彩で食べきれないほどの商品があった
この露店の料理の豊富さを見て、ノノ達は目を輝かせていた
早速ノノ達は露店で焼串と焼き鳥を両手に持ち食べ歩きを始めていた、一応、ジャンヌには食べ過ぎ注意とだけ伝えておいた
他のメンバーも露店で買い物をし、リウの目の届く範囲で行動していた
リウはステーキ串を購入し、リュックの中で待機している『白銀龍』に食べさせる、リウはリュックを抱きしめながら、近くのイスに座っていた
暫くすると『白銀龍』から「おかわり」といわれ、ステーキ串と焼串を購入し、2つとも『白銀龍』に食べさせる、リュックの中では美味しそうに頬張っていたので、リウはニコニコしながらリュックを抱きしめていた
『アイギス』のメンバーはお気に入りの露店の料理をリュックに保管し、リウの傍に戻ってきた
クラシスとリズとアライズは、リュックに入りきらなかったのか、酒の瓶を持ちながら戻ってくる、それをリウはアイテムボックスに保管し、宿屋へと戻る
宿屋へ戻ってから露店の商品の食べ比べをしようとしたら・・・、晩ご飯がもうすぐと言う事で、食後の晩酌の時に露店の商品の食べ比べをし、ココのアイテムボックスに保管する商品を決定する事になる
もっとも食べ比べるには、リウ達が選んだ商品の3倍は露店に並んでいるので、定期的に食べ比べをするつもりでいた
果実酒に合う肴の商品はどれかとか、野営時の食事に合うのはどの商品かとか、パンにはさめるのに1番合うのはどの商品かとか、『アイギス』のメンバーはこの街一番の盛り上がりをしていた
次の日からアライズ・アリサ・アンナ・シルキー・ミルキーの5人は、オルガさんの食材屋を訪れ、アルト夫人に料理の指導をお願いしていた、とりあえず7日間の予定でアルト夫人の料理教室に通う事になる
まず最初に、野山鳥の調理方法を教えてもらい、からあげ、煮込み、炒め、焼き、最後に丸焼きを教えてもらいう事になる、次に3角牛の料理を覚え、大猪のこの地域の料理を覚え、アライズ達5人は数々の肉料理をマスターしていく、彼女らもレシピノートを書いており、7日間にノート1冊分の料理をマスターし、最後に宿屋で食べたソースの作成方法を知る、数種類の野菜を三日三晩煮込み出来あがった物が宿屋で食べたソースであると知る、そのソースはオルガさんの食材屋でも購入可能だが、アライズ達は自家製のソースを街を離れる前に完成する事になる
リウとノノとココとジャンヌの4人は3角牛の討伐を行う為に森へ向かっていた
本当は灰山鳥の討伐を考えていたが、ノノとココが最近は攻撃魔法を使っていないし、森の散策も久しぶりと言う事で、まずは3角牛の討伐をしてみる事にした
討伐と言っても、リウが魔法障壁で動きを止め、ノノ達3人が魔法で止めを刺すという作戦で行う、いざ3角牛の討伐が始まると、リウが動きを止めノノ達が攻撃を始めると・・・ノノ達の攻撃の威力がありすぎて瞬殺してしまう事が判明する、どうやら龍の騒動の一軒で3人の魔力が向上し、討伐は出来ても寸止めは不可能な感じに3人は成長したみたいだ・・・
この後、日を改めて3角牛・大猪・野山鳥の討伐を行い、倒し過ぎた分はギルドや道具屋へ納品し、旅の資金へとなった
クラシスとリズは冒険者ギルドへ向かい、小冊子をもらい、資料室で周辺の地図を広げ、周辺の討伐対象の生き物を確認し、周辺で採取可能な薬草を調べ、クエストの補助的な知識の習得に努めた、それ以外で討伐記録を調べ、山犬が大量に増えた事を知る
次に商業者ギルドで物の流れを調べ、特産物や露店での商品など、ある意味『アイギス』のメンバーが知りたい知識を調べつくす気でいた
クラシスとリズはこのあと半月間、両ギルドの資料室に籠る事になる、2人のまとめたノートは2冊分の資料になり、街を離れる時には大量の食材と料理を『アイギス』にもたらす事になる
この街に来てから半月後、ココのアイテムボックスには3角牛が4頭、大猪が3頭、灰山鳥が15匹・・・解体前の死体を保管していた、解体に関してはクラシスとリズとアライズが可能という事で、アイテムボックスに大量に保管した
リズのアイテムボックスには、解体済みの野山鳥の肉の塊やアルト夫人の料理教室で調理した料理などが保管してあった
リウのアイテムボックスには露店で購入した商品が保管してあり、いつでも食べ歩き可能になっていた、その為リュックの『白銀龍』がいつでも焼串を要求してくるが、リウはそのたびに『白銀龍』に食べさせていた
『アイギス』のメンバーは料理を修得し、資料室で必要な知識を修得し、森で食材を現地調達し、明日からは2組に分かれ森で討伐クエストを実施するつもりでいた
1組目をリウ・ノノ・ココ・ジャンヌ・シルキー・ミルキーとし、まずは大猪討伐へ向かう
2組目はクラシス・リズ・アライズ・アリサ・アンナとし、野山鳥討伐へ向かう
なお討伐クエストとして、討伐後はギルドへの納品をする事にした
2組に分かれてはいるが、朝ご飯後に出発し、弁当を持参し、晩ご飯までに戻る事にし、半月を討伐クエストで消費していった
連日の討伐でメンバー全員が無属性魔法の『ボルト』を修得し、全員が魔法障壁あり、攻撃魔法ありの遠距離特化の冒険者パーティーとなる
これはダンジョン攻略の必須であり、もし問題があるとしたら魔法が効かない相手には滅法弱いという事だった・・・
そして、毎日の晩ご飯後の晩酌時に、アライズ達の成長やシルキー達の成長を聞きながら、飲むのが毎日の楽しみだった
最初の街では考えられないほど、リウ達は毎日酒を飲んでいたが、その事を指摘する人はいなかった
『アイギス』が討伐報酬よりも討伐食材を考える様になる
ノノ達3人の魔法攻撃がリウを越えはじめる




