表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
器用貧乏な漂流者  作者: 與吉
100/354

0-100野犬の襲撃とか

祝100話更新です。


助手のはずのクラシスとリズはリウに寄りかかり寝始めていた

しかも、荷馬車もいつのまにか静かになっていた・・・

リウは話し相手がいなくなり、アイテムボックスから干し肉を取り出し齧りはじめる、干し肉のにおいにつられて『白銀龍』も御者のリウの傍に来たので、膝の上に座り一緒に干し肉を齧る事になる


「なぁ、『白銀龍』荷馬車が静かだけどみんな寝てるのかな?」


リウは荷馬車の状況がわからないので、膝の上の『白銀龍』に聞いてみた

『白銀龍』は干し肉を口いっぱいに頬張りながら、リウの肩越しに荷馬車を覗き込む


「みんな気持ち良さそうに寝てる」


「そっか、なら今から2人でみんなを守ろうな」


「おぅ、任せろ」


そういうと『白銀龍』は周囲の警戒し始める

それはリウ達が使う危険回避みたいな感じがしたが、『白銀龍』は周囲の警戒と同時に威嚇も発動しているみたいだった、その効果は森の中から動物が逃げ鳥が飛び・・・


「『白銀龍』やりすぎだよ・・・」


とリウに言われるまで周囲を威嚇していた

すると周囲の警戒はそのままに威嚇の効果だけを消す感じで警戒を再開した


「これでいい?」


「そうそう、今の感覚を覚えておいてね。『白銀龍』は存在が偉大すぎて森の生き物が逃げるほどだけど、今の『白銀龍』からは威嚇というか、大きすぎる魔力を制御(?)してる感じがしてなかなかいいよ」


「それならいつもこんな感じでいる」


そういうと『白銀龍』は嬉しそうにしっぽがぶんぶんと動いていた

リウはMAPを展開し、森の中の赤マーカーの反応を調べてみる

さっきまで『白銀龍』の威嚇で、逃げていた山犬や黒熊が、森へ戻っていきいるのを見てとれた


「森へ山犬や黒犬が戻ってきたから、今晩の夜は少しだけ野犬や黒熊の襲撃があるかもしれないな、その時は2人で頑張ろうな」


「任せろ、リウとなら負ける気がしないし、覚えた魔法も使いたい~」


『白銀龍』が夜に具現化魔法の修練としているのは知っていたが、そこから新しい魔法を修得したのは気がつかなかった、もしかして、具現化魔法を修得したのかな?


「それなら夜に『白銀龍』の魔法を楽しみにしていよう」


暫らくの間、リウと『白銀龍』は2人(?)で荷馬車の旅を楽しんだ


昼頃になり荷馬車を街道側に停車し、そこでやっと助手のクラシスとリズを起し、荷馬車の周りに土壁を作成した

それは無理の中に山犬達が戻ってきた事に対する警戒でもあった


土壁を完成させ、荷馬車へ戻るとメンバー全員が目を覚ましていた

アライズ達は調理荷台で昼ご飯の準備をし、ノノ達が周囲を警戒し、クラシス達がテーブルとイスを作成し、シルキー達がコンロでお湯を沸かし紅茶の準備をしている

すると周囲を警戒しているノノ達が


「森の中に山犬の反応がある・・・」


「荷馬車の周囲にはいないから大丈夫だと思うけど・・・」


「それにしても昨日までいなかったのに・・・?」


それと聞いたリウは『白銀龍』の魔力操作で森に山犬達が戻った事を知らせた、これで討伐クエストを旅の間に実施出来ると聞き、ノノ達は楽しみにしていた

そういえば龍の騒動から、討伐系のクエストはしていないし、アライズ達も討伐クエストはやった事が無いかも・・・

リウが色々考えていると、料理が完成したみたいでアライズ達がテーブルに料理を並べていく、シルキー達も紅茶カップを並べていく

今日は出来あいの料理と保存食を使用したスープと焼きたてパンとなっていた

リウはみんなが席に座ったのを確認し、手を合わせて


「いただきます」


「「「「「いただきます」」」」


リウはMAPを展開し、森の中での赤マーカーの反応を見ていた

食べながらMAPを見ていたので、ノノ達には何か考えている風に見えていた

それは1人で荷馬車を動かし、疲れているのではないかと考えていた

実際にはリウは『白銀龍』と話し、疲れとは別に周囲の山犬の行動を気にしていた

心配になりノノはリウに疲れていないかを聞いてみた


「リウ疲れてる?何か考えているみたいだけど・・・?」


「ん?疲れてはいないよ、なんかね森の中で山犬の反応が多くてどうしようかと思ってね・・・」


「まぁ、森に動物が戻ってきたのは嬉しいけど・・・」


「それでもこの数は冒険者ならまだしも、商隊とかなら危険かな?きちんと冒険者の護衛は必須な気もするね」


「そいや護衛依頼は一度もやってないね・・・、やらずにランクCになっちゃった」


そういえばノノ達も護衛依頼は未経験かも・・・

最近は冒険者として、薬草採取とポーションの納品しかしてないかも

それでもパーティー11人が生活出来ているからいいのかもしれない


食事もすすみ、食後の紅茶を飲みながら、午後からはクラシスとリズが荷馬車の御者と助手をする事が決まり、リウは荷馬車の中で休憩する事になる

休憩と言っても、荷馬車の屋根に簡易屋根を張り屋根の所に横になる、日陰で風が気持ちよく眠くなるがリウは睡魔と闘いながらMAPを展開していた

MAP上で赤マーカーを確認していたが、街道にも白マーカーの反応が数か所あった・・・冒険者か商隊なのかはわからないが、街道の遥か先に反応があり、今は赤マーカーが接近していないが、夜には襲撃の危険があったが距離がありリウにはどうする事も出来なかった


荷馬車の屋根で難しい顔で考え事をしているのを、ノノは心配そうに見ていた、ノノには街道先での冒険者の事など知らないので当たり前であるが、それでもノノに心配して欲しくないので「大丈夫だよ」といいながら、ノノの頭を撫で屋根の上で2人で並んで昼寝をする事になる

リウが昼寝から目覚めると、リウの隣にノノとココとジャンヌが一緒に昼寝をしていた、4人で昼寝をしていたので、今夜の火の番はこの4人でやることになる


4人は目を覚ましてから、周囲を警戒し、街道の外・・森の中に山犬か黒熊の反応を捉えていた、それは日中は安全であるが夜は危険な気がしていた

その為、リウから夜の火の番をお願いされ、今日は一緒に寝れると勘違いするが、それが勘違いと知るのは、食後の晩酌をするときであった


その日の夜は、野犬などを警戒し街道の傍ではあるが、森側では無く草原側に荷馬車を停車し簡易陣地を作成していく、土壁を荷馬車よりも高く、そして厚く堅甲に作成し、コンロ焚火を夕方から焚いていた

晩ご飯は調理荷台で料理をし、食事をコンロ焚火を囲みながら食べ、順番にお風呂に入ってから、みんなで晩酌をし、深酒になる前に寝る事になる


「そういえばノノとココは火の番は初めてだっけ?」


「んー、そうかも」


「ジャンヌはやったことあった?」


「私は何度かやったけど途中で寝ちゃって・・・」


「今日は大丈夫だと思うよ、僕ら4人は昼寝をしたし、交代で火の番をすれば大丈夫だって」


そういってリウはノノ達に林檎を渡し、夜の火の番が始まる

最初はノノとココが火の番をし、周囲の警戒と焚き火の火の番とし、もし野犬などの襲撃があった場合は『イージス』を展開し荷馬車を守り、メンバーを起し追撃をする事になる

真夜中にリウとジャンヌに交代し火の番をする、ここまで荷馬車の周囲には野犬やらが近づいていたが、土壁を超える事が出来ずにいた、リウとジャンヌは眠気覚ましに、林檎やドライフルーツを齧りながら周囲を警戒していた


その頃『白銀龍』は荷馬車の屋根に座り、荷馬車の周囲の野犬を見ていた、昨日までは『白銀龍』の威嚇ともいえる魔力の放出で逃げていた者たちが、今は『白銀龍』がいる荷馬車を囲んでいる、もっとも土壁を破って中へ侵入してもリウ達が負ける事は無いが、その時は『白銀龍』も一緒に戦う気でいた


その日は朝まで野犬の襲撃は無く、日が昇ると同時に野犬は森の奥へ戻っていった・・・

リウとジャンヌは朝方まで火の番をしていたので、朝ご飯後に仮眠をとる事になる

今日は御者と助手をノノとココが担当し、荷馬車の屋根でクラシスとリズが周囲を警戒していた、森の中から山犬の反応があるが、数が多くいつでも『イージス』を展開できるようにしていた

荷馬車の中では、リウとジャンヌが仮眠をとり、アライズとアリサとアンナは周囲を警戒し、シルキーとミルキーも荷馬車の中で森からの山犬の反応に怯えていた、『白銀龍』は怯えているシルキーとミルキーの傍に行き、「大丈夫」と言う感じで声をかける、もっとも2人には「ガゥ」としか聞こえてはいなかったが、2人は『白銀龍』を抱きしめ不安を払しょくしようとした


昼ご飯の為に街道側に荷馬車を停車し、荷馬車を簡易陣地で囲む、リウは仮眠から目覚めると同時に荷馬車から飛び出し街道へ向け駆けようとする

それを見たクラシスはリウに声をかけ


「どうしたの?何かあった?」


「街道先の馬車が襲われている・・・、今はまだ大丈夫だけど危ない気がする」


クラシスは意識を街道の遥か先へ向ける、リウのいう通り冒険者の反応と野犬の反応を捉える、冒険者の数の割に野犬の数が多すぎる・・・、リウ1人ではあぶないのでは・・・?クラシスは少しだけ考え


「リウ、前の馬車を助けて来て、それとジャンヌも同行してリウの補佐をお願い」


寝起きのジャンヌは最初ぼんやりしていたが、生活魔法を唱えてもらい意識がはっきりしてから


「まかせて、いってきます!」


と言って2人で「身体強化」と「速度強化」を唱え、魔力を纏い、街道を一気に駆けていく、身体の限界を超える速度で前方の馬車へ近づく


馬車は山犬に囲まれており、馬を守る様に戦っているのが遠目でもわかった、今は数匹の山犬を倒しているのが見えたが、それ以上の山犬が馬車を遠回りに囲んでいた

リウとジャンヌは、駆けながら馬車を守る冒険者達の邪魔にならないように、野犬を狙撃していく、それは冒険者達から見たら駆けている冒険者が、遠くから魔法で山犬を倒しているというものだった、リウとジャンヌは倒されていく山犬達が警戒し馬車から離れる事を期待したが、逆に野犬はリウ達へ向かってきた

リウはジャンヌへ指示を出す


「魔法障壁を展開するから、ジャンヌは攻撃をよろしく」


「了解!」


リウは目の前に魔法障壁を展開し、リウとジャンヌを包み込む、その中でジャンヌは1匹ずつ野犬を倒していく


前方の馬車もリウ達に半数の野犬が動いた事で、馬を守っていた冒険者は野犬を確実に倒していた


暫くするとリウ達の周りにも、馬車の周りにも野犬はいなくなっていた

リウは魔法障壁を解除し、ジャンヌと一緒に馬車へ近づく

馬車を守る冒険者達もリウ達が近づくのに気がつき


「おぅ、助かったぜ!もう少しで馬がやられるとこだった」


冒険者のリーダーらしき人が声をかけてきた

リウはなんとか大きな被害なしで山犬を撃退できたことに満足していた


「そういや、お前さん達は誰だい?」


冒険者のリーダーらしき人物はリウ達に少しだけ警戒し話しかけてきた

野犬襲撃、それは前方の馬車、撃退するはリウとジャンヌ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ