活動日誌 5ページ目
翌日
「おはよ。目の下のクマ、酷いよ優希……」
「……はよ。麻奈、お前もな」
雲一つない青空。木々を彩る花。温かい太陽。そんな本日朝7時半の天気とは裏腹に、私と優希の顔色は最悪。青空一つ見えない厚い雲がかかったようにどんよりしています。
「「あのね」」
同じタイミングで同じセリフ。幼馴染ならではの直感で、ロクなことを言おうとしていないという事を互いに理解する。
「どーぞ」
「ああ、あのな、俺、とんでもないことに巻き込まれちまったらしい」
「奇遇だね、私も。現実離れしたこのに巻き込まれた」
いつもよりワントーン低く、ずっしりとした声での会話。いつもなら、他愛無い会話に花を咲かせているはずだ。
「「はぁ」」
そろっての溜息。入学式が、憂鬱だ。
が、しかし。
心配のし損だった。
すんなりと入学式は終わってしまった。しかも無事、ホームルームも終わった。早速友人もできた。
そんなこんなで帰り道はそれぞれ出来立ての友人たちと帰った。しかし、やはりと言うべきだろうか。結局のところ、家までは優希と帰るのだ。
「じゃあ、優希また……」
「……また、いるな」
家の前に昨日の女の子とキーさん。
「おーう、なんや自分。えらく早いやんか。ほな行くで」
「優希くん、早いね。じゃ、いこっ」
がしっと腕をつかまれ、黒い車の後部座席に私と優希は投げ込まれるように座らされる。運転席にはキーさん。助手席には例の女の子が座ると、車はどこかへと向かい出発してしまう。
「あの、私たち、親に何も言ってないんですけど……」
「だーいじょうぶッ! 話はつけてあるもの」
この女の子、何者?
「それに、俺たち一体どこへ連れて行かれるんでしょうか……」
「あぁ、にーちゃん。心配せんでええよ。全然、怖くあらへんからな」
キーさん、めっちゃ怖いです。
遅くなって、申し訳ありません……