活動日誌 4ページ目
「幹隆さん、本日はお話が有ってきました」
「そんなぁ、ごうちゃん急じゃないかい? まさかだけど、また……」
「えぇ、早急に対処するようにって上からの命令も」
「参ったなぁ、僕ももういい年だし……」
知らないうちに話が進む。よく分らないけど、俺は今蚊帳の外ってやつだ。
いたいけな少女といい年こいた専業主夫の会話を聞いていると、二人の目線がこちらによっているような気もする。
「ねぇ、幹隆さん。この男の子は息子さん?」
「そうだよ。それが何か? ……あぁ、その手があったね!」
今、俺の中にあると思われる野生の勘的な何かが『ヤバい』と俺に警告をした。俺は何とかこの場から離れるための口実を作るために思考回路をショート寸前まで巡らしたが、これと言っていいものが見つからず
「コーヒー入れてくる」
の一言も、ごうちゃん(?)さん(?)の
「いらない」
の言葉で泡になった。どうにかしてやがるぜ。だってその後の一言なんだと思う? 真面目な顔して
「カルピスだったら貰うケド」
だぜ? しかもその後の親父の言ったのなんか
「ごうちゃんは甘いの好きだから原液たっぷり入れるんだよ。あと、僕にもちょうだい」
絶対入れてやんねー。代わりに片栗粉入れてやる。
まぁ、それから父がカルピスもどき、もとい片栗粉ピスを飲んで悶絶したのは言うまでもない。
そんなことはさておき、俺がカルピスを入れて戻ってくる間に話はヒートアップしていて、何やら雲行きが怪しくなっていた。戻ってきた俺に父が一言。
「僕さぁ、ヒーローやってたんだよねぇ……でも年でさぁ……」
ごうちゃんさんも一言。
「貴方のお父さんの代わりに戦ってくれない、かな?」
なんてこった、ついにやばいぞ。そう思った時にはもう遅くて、そこから二人の『契約して』攻めが始まった。
そして今に至る。
「ヒーローの証を着けて、日曜日の朝にやっているヒーローみたいなポーズして、『正義の味方に変身!』って叫ぶと変身できるよ」
「それだと日曜日の朝の美少女戦士になりかねないんですケド……」
この場合、冗談抜きでなりそうなので本当に怖い。
「大丈夫! なるのはヒーローだから‼」
こんな不安で一杯の日は入試以来だ。
そんな訳で、ヒーロー、始めます。
遅れて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん。
すいませんでした。真面目に書きます。受験生になるので、お手柔らかに……




