十二章
一二章
肌寒い中、菫色の瞳を輝かせながら、庭で咲き乱れる秋薔薇を宝石のように煌めく菫色の瞳で眺めているエリスがいる。花々のすばらしい生命を感じながらいつものように歩き回ると、背後から声を掛けられ、驚くのあまりに振り返る。そこには、カッスルがいた。
「こんにちは。ご無沙汰しておりますね。一体、何をされていたのでしょうか?」
少女は、身を隠すように秋薔薇に紛れて囁くように答えた。「秋薔薇を眺めているだけ……」
「そうですか、この美しい秋薔薇の数には、私もうっとりしております。ところで、ハワードはご在宅でしょうか?」
「わからない」少女は、咄嗟に首を横に振った。
カッスルは、わかりましたと言わんばりに片眉を上げながら頷くと、エリスから離れ、玄関に向かうとノックした。
中から階段を下る音が洩れ、探偵は誰の足跡か予測し始める。ドタドタと重く、早足で一定にリズムを刻んだような足音の正体は恐らく、アンであろう。心を弾ませ、扉が開くのを待つ。
すると、案の定、中からアンが出てきた。
「カッスル様ですか。残念ですけれど、旦那様でしたら、往診の為、只今留守にしております。日を改めて、来られるか、お帰りになるのを待つかどちらに致しますか?」
「それでしたら、お待ち致します。今日はハワードに話すことが山ほどあるのですよ。欲を言えば、真っ先に貴女に話してしまいたいほどですよ」榛色の瞳を怪しく輝かせながら言った。
アンは、顔を顰めながら「左様でございますか。では、客室までご案内致しますのでついてきてください」と、探偵を中に入れ、外套を受け取り、ホールスタンドに掛け、案内すると見慣れた客室まで案内された。
「お紅茶をお持ち致しますね」とアン。
「ありがとうございます」と、微笑を浮かべたカッスルは礼を言った。
椅子に静かに座り、鞄から、今回の調査資料を取り出し、紅茶が出されるまで一枚一枚さっと目を通す。グレイ家の奇妙な関連図、人形作家及び愛好家の病的なまでの美の執着、そして、ラファエル卿とかつての友とどれから話せば良いと考えているうちに紅茶の豊かな香りが客室を包み込む。
探偵は、再びお礼を言うとアンは深々とお辞儀をし、客室から出た。すぐに紅茶を入れ、まずはティーカップに注がれた美しい水色を眺め、その後、豊かな香りをじっくりと堪能する。そして、思うぞう堪能した後、ようやく口に運んだ。アッサムの甘く、コクがあり、そして芳醇な香りが口の中に広がる。素晴らしいことに、ミルクティーにも適している。カッスルはミルクを入れて、再び水色を眺める。淡い褐色が控えめな薔薇柄のティーカップの柄の美しさを引き立てているのも楽しんだ。あらゆる本質が持つ美しさを楽しみながら、紅茶を堪能していると少し髪の乱れたレオンが客室に入ってきた。
「ハワード、お邪魔しておりますよ」
「お待たせて悪いな。紅茶のおかわりはどうだ? 忍耐強く常に待たせて悪いなと思っている。そんなお前にはとっておきのすばらしい紅茶を入れてやりたいと思っているのだが、いかがだろうか?」
「結構です、私は今の飲んでいる紅茶をじっくりと堪能したいので」
「そうか、それは残念だ。とっておきの紅茶だったから飲んでもらいたかったのだがな」と、どこかかれは残念そうに言った。
「お言葉ですが、私にとって全ての紅茶はとっておきなのです。毎回、美味しく頂けそうです。それで、本題に入れそうですか? それとも、少しソファにどかっと座るとシガレットケースとマッチ入れを取り出して、巻煙草に火をつけた。疲れた身体に快楽と恍惚が迸る。一服をしている途中に扉がノックされ、アンが入り、主人の分の紅茶を用意する。
「すまない」と、一言言うと、アンは微笑を泛べながらレオンに会釈をし、部屋から出た。
「快楽で体を癒している最中で、申し訳ないのですが、グレイ家についてお話ししてもよろしくでしょうか?」
かれは、頷きながら快楽に溺れる。探偵は鞄から資料を取り出して、喋り始める。
「さて、まずはグレイ家とあなたのジョージ・ハワードの件ですが、過去に交友関係があったのはご存じですね。ラファエル卿は合流関係を強制的に断たれ、親愛なる友を傷つけてしまった事に後悔し、赦しを乞いたいそうです」
レオンは、ぴたりと手を止め、巻煙草の火を消した。しばらく亡き父ジョージ・ハワードの肖像画を眺めながら、沈黙した後、憂鬱気に重い口を開く。その眼には僅かに涙を浮かべていた。「もう父はこの世にいないが、きっと許してくれるさ。親友を通り越して、親愛なる者通しだったのだから……」
「では、亡くなったことをラファエル卿にお伝えしてもよろしいでしょう?」
「いや、そこは濁してくれないだろうか? ラファエル卿には、イアンとの再会を優先して欲しい。迎えにきた際、両親について、尋ねられた時、俺の言葉でなんとか言ってみるとしよう」
「分かりました。では、次にエリスの父ウリエル・グレイですが、彼は人形作家及び愛好家でラファエル卿の弟になります」
かれは、驚きのあまりに眼を見はって叫ぶように言った。「二人は従姉弟だったと言うのか!? しかも、同じ親で何故性質が真逆なのだろうか?」
探偵は紅茶を啜り、レオンを宥めるように言った。「落ち着いて下さい。まずグレイ家とは近親相姦を重ねた一族だと卿がおっしゃってました。ハプスブルク家のようにかれらは自らの血を【青い血】と呼んでおりました。なんとも皮肉ですね、英国のハプスブルク家ですよ。これが私が知る限りの家系図です」
綺麗に綺麗に描かれた家系図を見て、レオンはまじまじと見る。まずは、名の知らぬ忌み子長女ジェーン、長男ラファエル卿、美に病的な次男ウリエル。その順番通りに辿り、子を見るとジェーンには仕立て屋の男と駆け落ちをし、双子の兄ルーカスと妹ルーナを授けているが、残酷な事に二人の父は病死、母であるジェーンは自殺まで記載している。なんとも悲しい運命だ。次にラファエル卿とシャーロットの間に一人息子イアンが綴られている。卿に関しては、変わりない。最後に、ウリエルと名無しの妻の間に三姉妹の名前が書かれている。長女アンナリーゼと次女ヨランダに三女エリスの名が書かれていた。
かれは、驚きながらも、資料に眼を通しながらも質問をした。「このジェーンはラファエル卿とウリエルの姉なのか?」
「はい、そうですよ。ウリエルから聞き出しました」
「それに、イアンと同様に忌み子とは一体どういうことだ? ジェーンには深い事情がありそうだが……」レオンは渋い顔をしながら足を組む。
「一族で唯一の灰色の髪として生まれ、忌み子として一族から大変疎まれておりました。成人後、中流階級の仕立て屋の男と駆け落ちをし、双子を産んでいます。皮肉にもその双子は青い血を引いてしまったのです」
「それが、ルーカスとルーナか……両親を亡くしたとは言え、よく見世物小屋に連れて行かれなかったな。財政支援してくれる人でもいるのか?」
「二人とも幼い頃、ミシンや刺繍を扱う仕事をしておりましたので、仕立て屋を継続出来るほどの技術を持っていたのですよ。それと、財政支援をして下さる方もいれば、白い髪を高値で売ってるとおっしゃってましたね。鬘で使うにはあの美しい白髪は必須ですから――無論、兄ルーカスも髪を伸ばしておりました」
ジェーンの生き様に同情を覚えたレオンはそのまま沈黙をしてしまった。いや、沈黙せざる得なかったのだ。あまりにも、過酷で我が子を残してまで夫の後を追ってまで死を選ぶとは一体どんな心境だったのだろうか? ジェーンについては、後日ラファエル卿に尋ねるべきだとかれは考えた。
「ここまでで、質問はありますか?」
「――そうだ、ルーナだが、エリスと会ってないか? エリスは白い髪の緋い眼の女に恐ろしいことにあったと言っている」
「ルーナは会っていないとおっしゃってましたね。ですが、安心してください。彼女が嘘をついているかは後日わかることですよ、ルーナの件は調査は達成ということでよろしいですか?」
どこか不服そうな様子で唇を尖らせる。カッスルは言った。「双子は警戒心が強いのですよ、変に詮索してみてください。門前払いです。それでも、構わないのであれば引き継ぎ、調査しますが如何なさいましょう?」かれは首を横に振った。
「では、次の資料ですが、ウリエルの人物画です。ヘンリーに描かせました」
人物画をレオンに渡すと、初老を迎えている割には威厳があり、とても若々しい容姿の持ち主だった。同じ血を引く兄である卿がまるで見窄らしい老人に見えるほどだ。兄弟で何故ここまで異なってしまったか、考えると恐ろしいものだとレオンは思った。
「これが、ウリエルの顔だと覚えておいてください。しかし、ラファエル卿がいかに苦労しているのが分かりますね。それと、ポリーと呼ばれる乳母ですが、それらしき方が扉を開けて下さりましたよ。エリスの件でウリエルに虐待されたのか、粗末な扱いをされてるようで、やけに怯えた様子で周囲を伺っておりました」
「肝心のポリーの人物画はないのか?」カッスルは微笑を浮かべて、ポリーと思われる人物画を渡した。
「ありがとう。特徴は?」
「白髪混じりのすっかりと燻んでしまった薄い金髪に至る所深い皺が刻まれた老婆でした」
「後ほど、エリスに見せてみるとしよう。しかし、髪の色が異なるだけで忌み子扱いと奇妙な一族だな」
「ラファエル卿がおっしゃるには、古い古い一族たちは正常だったそうですよ。白い髪の子供が生まれてから狂い出したそうです。そこで、全ての歯車が狂い出したのでしょう」
「イアンは狂い出した歯車を元に戻すピースのようなものなのか?」
紅茶を注ぎ、その美しい水色を眺めながら探偵は言った「そうでしょうね――だから、邪魔なのでしょう。イアンもラファエル卿もね――ですが、卿は狂った歯車を元に戻すとおっしゃってました。古い古い一族たちとイアンの為に……」
「一先ず、ラファエル卿にここに来てもらうのが先決だな」
「そうですね。彼も何か決心したようですし、近々ここに訪れるでしょう」と、紅茶を飲んだ。
「他に何か言わなかったか?」
「ラファエル卿からはウリエルは美に病的な程、執着している癇癪持ちの男だから注意しろとのこと。そして、ウリエルは父子共々呪いに塗れて逝くがよいとおっしゃってましたね。しかし、一族同士で歪み合うだなんてまるでハムレットを連想させますね」
「ああ、実に愉快な現代版ハムレットだ」
「一つ言い忘れました。今、ロンドンではエリス・グレイの噂に飽き、卿の隠し子がいるのではないかと大盛り上がりですよ。一部の貴族は、ご丁寧に各地の見物小屋まで見て回るほどでした。忍耐深い彼らには、温かな紅茶を差し上げたいものです」
「俺も同感だ」
「一先ず、二人はここにいる以上安心です。が、警戒は怠らないで下さいね。では、失礼致します。」と、客間の扉を開けて、外套を着ようとすると上機嫌なイアンが階段を駆け上り、自室を開け閉めする音が屋敷内に大きく響いた。
「随分と機嫌がいいな、イアンに良いことでもあったのか?」
「後ほど、兄として伺ってみては如何でしょう?」
レオンは呆れた顔でふた返事をして、カッスルと別れた。かれは、メイドを探すとコニーを見つけた。メイドの名前を呼ぶと、潔く返事をし、何故イアンが上機嫌なのかを伺った。コニーは嬉しそうに微笑を浮かべて答えた。「イアンさんのお父様からお手紙が送られて来たのです」
「それは、朗報だな。あとで、詳しく話を聞いてみるとしよう。ところで、エリスはどこにいる?」
「エリスさんでしたら、庭にいらっしゃるかと思います」
「そうか、ありがとう」
三枚の資料を持ちながら、玄関へ向かい、扉を開ける。秋薔薇が咲き乱れる庭の中で探すと、花と戯れる可憐なエリスがいた。声を掛けようにもその姿の美しさに息を呑み、思わず見惚れてしまった。少女は、レオンと眼が合うと花のような微笑を浮かべて「どうしたの?」と尋ねた。ハッとしたかれはエリスに話があると言って、書斎室まで誘導した。
「花の鑑賞をしているところ、申し訳ない。君に尋ねたいことがあって呼んだんだ」
「尋ねたいことって何かしら?」小首を傾げながら言った。
「字はどれくらい読めるようになった?」
「よはど難しい単語でなければ読めるようになったわ」エリスは喜びのあまりに微笑を泛かべた。
「そうか、読書は捗っているか?」
「イアンのような難しい本はまだ読めないけど、絵本なら完全に読めるようになったの。これも、レオンとイアンのおかげよ。ありがとう――ところで話は何かしら?」
「この君に見て欲しいんだ」カッスルから受け取った相関図を少女に渡す。じっくり読み眺めるエリスの顔色は次第に青白くなり、驚きのあまりに口元を華奢な手で押さえた。暫く沈黙すると、相関図から眼を離し、不安そうな表情でこう訊いた。
「レオン、近親相姦と忌み子って一体どう言う意味なの? あまりよくないのかしら?」
かれは、深刻そうに眉を顰めて言った「とてもよくない意味だな。近親相姦に至っては、血縁関係が近しいもの同士で婚約し、生を授けた者たちのことを差す。一方、忌み子は不吉で望まれずに生まれた子だ」
「そんな……ねえ、レオン聞いても良いかしら? 近親相姦で生まれた子ってどんな子が多いの?」
「そうだな――基本的には奇形が多かったり、精神的に致命的な支障が出るものや酷い癇癪持ちが多いとされている。だが、君たちの場合は奇跡だ。イアンとその父に君はとても正常だ――俺たちと何も変わらない。恐らく、忌み子とされているラファエル卿の姉ジェーンの双子の子供も自らの青い血を嫌っているのだから恐らく、正常だろう。」
「もし、正常でなければ、どうなっていたの?」
「あまりこのようなことは言いたくないが、精神面では君の父親のように狂っていたかもしれない。身体面ではあまり例えで出すのは良くないが、エレファントマンのようになっていてもおかしくない。それと、君の父であるウリエルだが、こんな感じかい?」恐る恐る、怖しい男の人物画を見せると少女は驚きで眼を見はり、一二歩と後退った。
「あまり見たくないけど、とても特徴を捉えているわ。どうやって、お父様と接したの? 常に美しいものにのみ興味がなく、癇癪持ちでとても話しづらい人なのに一体、どうやって会えたのかしら?」
「それは、雇っている探偵のカッスルにしか知らない。一先ず、君の父は怖しい男であることはよく分かったよ。次に、この老婆だが、見覚えはあるかい?」
恐怖で暗く濁った眼に、菫が生命を宿し、花開くようにキラキラと輝きを取り戻す。数十週間ぶりに愛する人の人物画を見て、愛おしそうに撫でた。
レオンは喋り始める。「彼女がポリーで間違いないのか?」
「ええ、間違いないわ。今頃、お父様に粗末な扱いを受けているに違いないわ……」
「それは、気の毒に。乳母として側にいて欲しい気持ちもあるだろうが、ポリーの安全の為にもラファエル卿に頼んで孤児院の世話係にして貰うことは出来ないだろうか。そうすれば、安全だ」
「確かに安全だけど、長年寄り添ってきたポリーとは離れたくないわ」
かれは、深刻そうな顔で額に手を当てながら、話した。「エリス、ポリーとは未来永劫一緒にいられるのは無理なのだよ。君はゆくゆくは結婚しなければならないし、ポリーだっていつまで生きられるかわからない」
「レオンの家にポリーを世話係として置いておくのはダメなの?」今にでも泣き出しそうな声だ。
「置いてやりたいさ。だが、ポリーが望んでももうメイドとして雇える枠がないのさ」
「皆と離ればなれになるのなら、結婚なんてしたくないわ!」と珍しくエリスは大声を上げ、涙を流し、書斎室を飛び出した。
かれは呼び止めることなく、寂しげな背中を見届けた。すると、異変に察知したイアンが部屋から出てきて、書斎室に入り「どうしたの?」と尋ねた。
「いや、なんでもない」とレオン。
「そうなの? なんか寂しそうな顔してるけど本当に大丈夫?」とあえて二度尋ねた。
「大丈夫だ。先ほど、上機嫌だったそうだが、何かあったのか?」
イアンはにやりと、笑いこう答えた。「お父さんから手紙をもらって明日ここに来るんだ! やっとお父さんに会えるから嬉しいよ!」
その一方で、レオンは焦燥感に駆られていた亡き両親について尋ねられたら、自分は一体どうすれば良いのだろうか。頭の中がセピア色から徐々に真っ白になって行く。嘘をついて、両親は病死だったと優しき残酷な嘘を述べるか、真実である馬車の事故死と述べるか――どちらを述べたとしても残酷でとても悲劇的な物語だ。二つの悲劇的な物語の選択に夢中になっていると、イアンが肩を叩いた。「ねえ、レオン? 何度も呼んでも応答しないし、ずっとぼーっとして一体、どうしたの?」
かれは、頭を抱えながらイアンに言った。「明日、ラファエル卿に会う事に対して、緊張していたんだ。イアンを除いて、中流階級が上流階級と話す機会なんて滅多にないから何を話せば良いのやらと頭の中が真っ白になってたのだよ」
イアンは「大丈夫だよ、お父さんは他の貴族と違って皆平等に扱うんだ。孤児院にいた時もそうだったよ」
「そうか、なら安心だな」とレオン。
少年は得意げな顔で微笑を泛べると、かれはどこから弱々しい微笑を泛べ返した。僅かな異変に察知したイアンはこう尋ねた。「エリスと何かあったの?」
普段は、泰然自若としているかれだがどこか迷いのある動作が気になった。そして、容赦なく少年は訊いた。「ねえ、エリスと何かあったの?」
レオンは、その通りだと言わんばかりに、焦り始め「特に何もない! 何もないんだ」と否定した。かれは「本当に何もないんだ、ただ少し彼女と揉め事をしただけさ」
「それって、場合によっては助け舟が必要?」
「ああ、エリスとの件はマティルダやカッスルに相談してみる」
「よほど深刻だね」
「ああ、深刻で頭が痛いさ。イアンは明日の支度でもしたはどうだ? 一張羅を用意しなければならないしな!」
「そこまで、しなくて良いのに! じゃあ、僕は明日の支度してくるね!」
「あまり張り切りすぎるなよ」
「レオンもね!」とスキップして書斎室を後にした。
そして「俺にエリスを愛する資格なんてないんだ……」と呟いて閉まってゆく書斎室の扉を見つめた。




