8
「そうなのよぉ、あのホテルのレストランよ。あたしたちが一生かけても行けるような場所じゃないでしょって、失礼なっ、てかwww
圭ちゃんがおいしいもの食べなって連れてってくれたのよ。もちろん二人でよぉ。あ、三人か――お腹に赤ちゃんいるもんね。
え? 義母? 行ってない、行ってない。圭ちゃんも内緒にしてんじゃない? 知らんけどwww
でももし誘ったとしても、あたしと一緒じゃかっこ悪いとかなんとかで来ないんじゃない?
え? はっきり言われてるわけじゃないけど――別にあんたが怒ることないじゃんwww
――圭ちゃんもさ、バッグ買ってくれたり――もちろんブランドもんよwww――アクセサリーや服もなんでも買ってくれるんだけど、口を開けば赤ちゃんのことばっかなのよ。すっごい優しいのは赤ちゃんのためって感じ。
うん、そだね。そのためにこうなってんだから、当たり前っちゃ、当たり前なんだけどさ。
うんうん――贅沢させてもらってるしね……でもね……う~ん、どういえばいいんだろ……時々見下げられてる? って感じ? するんだよね。たぶん本嫁さんと比べられてるんだろな……
え? いやいやいや、別に悲しいとか寂しいとかないよwwwほんとほんと。
ま、これがシュウちゃんだったら、こんな気ぃ遣わなくてもいいのにな~とか思っちゃったりはするけどねwww
あれ? あたしも比べちゃってるかwww
え? シュウちゃん、あの女と別れたの? ふーん。どうせまた浮気したんっしょ。え? あたしのこと捜してる? いまさらだね……あたしがこんなになってるって言わないでよ。圭ちゃんに迷惑かけんのやだし。
……あぁぁ、でもさぁ、こんなでうまくいくのかな、あたしの結婚生活……ねえ、赤ちゃんが産まれたら、きっとほったらかしにされるよね? 離婚される未来見えるもん。
結局そうなるんならさ、いくら子供出来るからって、今結婚なんかしなくてよくね?
そだね、今別れるより、結婚してからのほうが慰謝料たっぷり取れるかwww
え、親権? もちろん圭ちゃんに、っていうか義母に取られるに決まってるよ。
う~ん、そうだけど……でも、母親面して引き取ってもなぁ、子供に苦労させちゃうだけだろし、たまたまできちゃった圭ちゃんの子なんて愛せるかどうかわからんし……
ま、どうせ義母が手放さないって! それだけは確実www
うん、わかった。お腹に赤ちゃんいる間は我儘放題やって、いいものいっぱい買ってもらう。
うんうん、離婚される時のために換金できそうなもの貯めとく。うんうん、へそくりもしっかり貯めとく。で、慰謝料もぶん取るwww
あっ、そろそろ圭ちゃん、帰ってくる頃だ――じゃ、またね」