表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ連載中】ドアマットヒロインは速攻終了いたします!【GOマンガ原作者大賞受賞作】  作者: 穴澤 空@4/11ドアマットヒロイン発売


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/50

49:スピード結婚……式!


「私、このままここのホテルに泊まるから、三日後に結婚式をなさいな」


王妃殿下の言葉に、動きが止る。

いや、今この人何言った?!

しかし、王族の言葉だ。ノーとなんて言えない。


「は……はい……」


小さくそう返事をすると、殿下は満足気に笑う。


「よかったわ。じゃぁフォルティア公爵にもそう伝えておいてね。どうせ下の部屋とかにいるんでしょう?」


バレバレじゃん……。


「それでは、私は殿下のお泊まりになる部屋の用意を指示してまいります。お一人、侍女の方をお借りしても?」

「ええ、そうね。ゼラティス、あなたついて行きなさい──あぁ、それと一番良い部屋ではなくて、二番目の部屋にしてちょうだい」

「え……、それは」

「だって結婚式の主役が、一番良い部屋を使うべきでしょう?」


言い出しっぺの殿下の言葉にはぶっ飛んだけれど、こうした配慮を頂けるとは、やばい……ちょっと泣きそう。


「ふふ。そんなわけで、一番良い部屋はあなた方が使って。今日は私は王妃ではなくて、実家のメマルティ侯爵家の人間としてきていることにするから」

「ありがたく、お言葉頂戴いたします」


こうして、私とギース様の挙式が急遽、執り行われることが決まったのだった。

──当事者のギース様を抜きにして。



*


「ね、ねぇ。おかしくないかしら」

「美しいですよ、奥様」

「旦那様も見違えますね」


あの日、ギース様に王妃殿下のお言葉を伝えたら、顔を真っ青にして頷くだけの人間になっていた。

そりゃそうよね。王族に指示されたら、断ることはできない。

しかも「なんでまだ結婚式をしていないんだ」というお叱りの意味にも取れるんだもの。

でも、それはすぐに解決した。


殿下のお部屋を用意した後、改めてギース様と二人で挨拶に伺ったら「こうでもしないと、あなた方はいつまでも領民を優先して式をしないでしょう? 時間をかけた式をしたいなら、何度でもやれば良いのよ」と、非常に良い笑顔で言われたのだ。


いや、何度もはお金が勿体ないのでやりませんけどね。

でもまぁ、殿下のお言葉も尤もだと思ったので、私たちは急ピッチで挙式の準備を進めることにしたのだ。

そして、今日。


晴れ渡る青空。

美しい木々。

大急ぎで駆けてきてくれた義理の家族──スジューラク公爵家の皆様。

そして、タウンハウスの皆に、カントリーハウスの皆。

トーオク様やテッサ様。関わった多くの領民たちが、ホテルの中に作っておいた教会堂にいる私たちを見ている。


ちなみに、教会堂は一階のレストランとは反対側のガーデンに面していて、貴族は建物の中の参列席に、領民はガーデンで様子を見ていた。


私のドレスは、ギース様が以前こっそりと用意してくれていたらしく、私の体にぴったりだった。

怖い! いつ測ったの?!

マーメイドラインのドレスに、長いトレーン。あとでホテルの階段で、絵師に絵を描いて貰ってポスターにする予定だ。

このホテルでの挙式を、サービスの一つにするからね。


この世界の挙式は、最初から伴侶と手を繋いで司式者の前に向かう。

ご神体とも言えるドーナツ型の水晶の前で、私たちは永遠を誓うのだ。


「私レダ・フォルティアは、夫ギース・フォルティアに愛と忠誠を誓います」

「私ギース・フォルティアは、妻レダ・フォルティアに愛と忠誠を誓います」


司式者が頷き、先を促す。


「レダ」


ギース様の手が、私のヴェールを持ち上げ、頬に手が添えられる。

そうして。


ゆっくりと、彼の唇が私のそれに重なった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ