3-1 波乱のパーティ
婚約者を選ぶパーティの当日。
パーティ自体は5時からだが、朝早くにメイドに起こされる、
私自身は、肌の手入れやメイクにあまり興味はない、
しかし、メイド達は、私を磨く事に命を懸けている。
私が不細工なら、領地の化粧品やメイクが売れません!
と私に一番刺さる脅しを言って、せっせと手入れをしてくれるが、
実際、彼女達が満足したいだけだと知っている。
まあ、エステは気持ちいいし、業務づけでくすんだ肌が
甦るのは正直ありがたいので、
基本的には彼女達が満足するまで、したいままにさせている。
今日も、「王子を落とす”必殺メイク”!!!」と言って、
朝からエステにヘアセット、メイクと余念がない。
はっきり言って、本人の数十倍気合が入っている。
そんな彼女達に、王子狙いじゃなくてごめんね、と
心の中で呟きながら、自分が変わっていくのを見つめている。
私は童顔を気にしている。
なので、大人びたメイクにしてねと言ったら。
「任せて下さい!!!」
と気合の入った返事が返ってきた。
本当に逞しく、頼りになる。
ドレスはエンパイア風で、上は女神のような白い光沢を
放っている。すぐ胸の下に少し太めの黒のベルトが巻かれ。
その分スカートの部分は長く、小さめの赤いひらひらした布が、
何枚も重ねて作られている。
さっすが最新のデザイン、おしゃれ。
大人びたデザインに、下品でない程よいセクシーさ、
これが私の求めていた物!
複雑に編み込まれた髪は、アップにしてもらっている。
これなら童顔がばれない!!!
3時頃には準備は全て出来上がり、
今日交流をもっておきたい人物のリストに再度目を通す。
早く今日を乗り切って、領地に戻らないと・・・
いくつかはこちらでも書類を捌いていたが、
それ以上に私の机の上で決裁を待っている書類を思って、
はあっと息を吐いた。