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1-6

その後はマリアンヌの情報を元に、

いくつかのお茶会に出席した。


情報は大切だし、マリアンヌの情報は信頼しているが、

それだけでは足りない。


例えば、『歌が上手い』と聞いても、

貴族令嬢として上手いのか、プロレベルなのか、

その声はどういう声なのか、どう上手いのか、

どうしても情報だけだと足りない部分があるからだ、


また、自分の家を支えてくれている分家へも、

顔を出しておいて、繋がりを強化しておく事も必要である。


他にも、領地の商品を大量に扱ってくれている、

商人の交流会に出席して、パイプを強化しておく。


(流石に疲れたわね)


王都に着いてから、人に会い、話をしっぱなし。

書類仕事に追われていた頃はそれはそれで大変だったが、

精神的疲労が半端ない。


「働きすぎです」


ミナに半泣きで言われてしまった。


「王都にいられる時間は短いの、有効に使わないと、

それとそろそろドレスをオーダーするわ」


数回お茶会に出席して、今の王都の流行は掴んでいた。

継母に頼んでデザイナーは押さえてあるので、

すぐに製作してくれるだろう。


「はい、すぐに手配します!」


ミナの仕事は迅速だ、元々継母から連絡は行っているが、

次の日にはデザイナーと会う約束を取りつけてしまった。


貴族は屋敷にデザイナーを呼ぶのが普通だが、

私はいろんな布を見たいので、デザイナーの店へ

足を運ぶ事にした。


王妃選びのドレスのオーダーとあって、

店は貸し切り。


王都の一等地に建ち、いかにも高級な店と分かる店構えだ。


デザイナーを筆頭に、お針子がずらりと並んで出迎えてくれた。


「よろしくお願い致しますわ」


「当店をご利用頂き、光栄でございます」


初老にさしかかったデザイナーに希望を伝える。


「最新のデザインでございますか?

王子は古典デザインが好きでいらっしゃいます、

そちらの方が、いいかと思いますが」


「いいえ、他の方と同じでは、かぶってしまいますわ、

 私は斬新なデザインで勝負をしたいと思いますの」


まったく王妃選びで勝つつもりはございません、

と言う言葉を心の中で飲み込み、

笑顔でリクエストする。


「他の方のリサーチもお済みとは流石ですのね、

 かしこまりました、誰もが目を引くデザインにさせて頂きますわ」


「よろしくお願いね」


新しい取引が生まれるかもしれないし・・・


こうして、王子以外の人の注目を狙ったドレスを、

デザイナーと生地選びから熱中して依頼した。

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