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1-4

書類に目途がついた時点で、すぐに王都に向かって旅立った。


パーティまでは後3か月あるが、ドレスを作ったりすると、

決して早い訳ではない。


屋敷の面々に、まるで戦場に送り出されるかのような、

盛大な見送りを受けて、旅立った。


道は大きくて馬車もさほど揺れる事もなく快適、

思っていた以上の道路の良さに感動する。

海外からの輸入品を運ぶ重要なルートであるとともに、

戦場になった時、すぐさま兵士や物資を送れるよう、

重点的に整備しているが、予想以上だ。


爺によると、他の領地だとお金が回らず、

ここまできちんと整備されていないんだそうだ、


「私の領地は恵まれているのね」


「交易で潤沢な資金があるのはもちろんですが、

 レオノーラ様を始め、領主に恵まれていたのです」


確かに、道の補修で大金が必要で、

少し腕を震わせながら、決裁の書類に判を押したわねと、

過去の自分を懐かしく思う。


今まで、民の為に一生懸命だった、

それがこうして実際に自分が民の為に役立っている事を

実感して嬉しく思う。


途中宿に泊まったが、どこも恐縮しながらも、

歓迎してくれた。


普段は家と商売ギルドを行き来し、市場を覗くぐらいの生活で、

商売ギルドもすっかり顔なじみで、気さくに話してくれる、

むしろ、気さくすぎて、口論するぐらいだ、


そんな感じで、“高い身分”だが、垣根のない生活をしていた。


しかし、海外の交易も盛んな領地である、

時々、海外の高官を屋敷にお招きする事もある。


そんな時の為に、社交術も身につけていた。


馬車から手を借りて降りるだけで、その場に溜息がもれる、

人々は自然に頭を下げ、丁寧に出迎える。


その高位貴族ならではのオーラに圧倒されると共に、

自分の領主の関係者が、美しく気高い人物である事に誇りを持つ。


宿に着いて、ほおっと息をつく。


「馬車を降りて、宿に入るだけで一仕事ね」


「相変わらず、素晴らしい対応です」


メイドのミナが誇らしげに語る。


王妃選びの旅なのだ、普段は質素倹約で、

動きやすい服装をしているが、この旅ではそうはいかない、

辺境伯令嬢として、恥ずかしくない恰好をしていた。


とはいっても、海外から買い入れた最新の布を使って、

その布のアピールも兼ねている。


どこまでも領地ファースト。


宣伝係、広告塔、なんでもOK。


まったくブレないのがレオノーラであった。

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