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5-3

今日は王子とお会いする日です、

と言われ、何を話したら?と頭に疑問が浮かぶ。


「ドレス、パーティの時のしかございませんの」


暗に、王子と会うの無理だよね?

そう言うと、王宮のメイドがすぐさまドレスを用意する。


おおう、魔法使いですか?


その後もアクセサリーや小物が全て準備され、

しかもそれが自分にぴったりで、

王宮の城には、魔法使いがいると確信する。


着飾った姿で、第一王子の元へ向かう。


「綺麗だね、どんな花より美しい」


そう言って、手にキスをされる。


お約束の社交辞令とは言え、

かっこいい男性に、さらりと言われると、胸がどきどきする。


パーティの時はオールバックできっちりしていた髪も、

今日は下ろしてさらさらしている。


それだけで、元々優しい印象が、更に優しく感じる。


「第一王子も、今まで会ったどんな男性よりも素敵ですわ」


「本当?」


「しかしこの事は秘密で」


手を口の前でシーとサインを出す。


「どうして?」


「お父さまが拗ねるからですわ」


そう言うと、第一王子は楽しそうに笑った。


本当に笑顔が素敵な方ね。


第一王子と何の話をするべきか、話題に困っていたが、

実際話してみると、すごく話があった、


領地の話を面白そうに聞いてくれるし、

国の立場からいろんな意見をくれる、


爺とは領地の話をするが、それとはまた違った発見があり、

ずっと繋ぎを取りたいと願っていた公爵を、

紹介してくれると言ってくださった時は、

思わず手を握ってしまった。


正直、こんなに充実した時間を過ごせるとは思っていなかった、

第一王子は、次期王として、十分な知性を持っている、


「ここまで、国にお詳しいなんて、そうとう努力をされたので

 しょうね」


「子どもの頃、勉強すればご褒美に街に連れて行ってもらえて、

 城から出たかった私は、必死で勉強したんだ」


「街へ出たかったのですか」


「露店でりんご飴を買うのが、最高に幸せな時だったんだよ」


「まあ」


王宮で豪華な料理を毎日食べているはずなのに、

りんご飴が好きだった事に微笑ましく感じる。


「レオノーラ嬢は、子どもの頃、どんな食べ物が好きだったの?」


「私は・・・」


こうして、気が付くと話が弾み、時間はあっと言う間に

過ぎていった。


もちろん領地について話すものの、深く運営に携わって

いた事は話していない、

ほとんど雑談だし、問題ないでしょう。

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