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1-1 お妃選び

「お妃選び?」


おやつの時間だとメイドに呼ばれ、

居間に行くと、いつもはクッキーなど簡単な焼き菓子なのに、

ケーキが用意されたのと、

いつもおやつを食べない父親がいて何かあるかなと、

身構えていると、思いがけない事を言われた。


いつも一緒におやつを食べている継母のロザリーが、

心配そうに見つめてくる。

その膝には3歳になったばかりのエドワードがいて、

顔にクリームをいっぱい付けて愛らしい。


「第二王子はもう婚約者も決まっているから、

今回は第一王子だな、正式に王太子にする前に、

婚約者を決めておくつもりらしい」


父親から、いかにも高級そうな封筒が渡される、

蜜蠟は赤、これは命令である事を示している。


「はいはい、王妃選びね、久しぶりの王都で羽を伸ばしてくるわ」


封が開けられた封筒の中身を出し、手紙の内容を読む、

簡単に言うと“王妃選びをするので、パーティに来い”

と言う内容だった。


まあ、話の内容からも予想通り。


王妃は伯爵家以上から選ばれる、年齢は16歳から18歳、

辺境伯令嬢である私は、侯爵と同等かそれ以上の地位にある。

国境を守備しており、重要な拠点を治めている。

年齢も17歳で未婚だ、


それを考えると、手紙が来た事はまっとうであり、

同時に断る事は不可能だろう。


「パーティか、久しぶりにドレス作らないとね」


「王都で作るの?」


ロザリーが心配そうに聞いてくる。


「ええ、最新の流行にしたいし、王都で作るわ、

お店だけ押さえておいて欲しいの」


「わかったわ」


「ああああ・・・レオノーラのドレス姿、

 可憐で妖精のように魅力的で、

 王子が虜になってしまうに違いない!

 王妃になる事は名誉だが、なかなか会えないのは辛い」


父親のガルは、大剣も余裕で振り回す、巨体で、

顔を手でおおい、嘆いている。


「王妃になるって決まってないわよ」


「何!王妃に選ばれるに決まっているだろう!

私の娘はヴァルフリート王国一だぞ!!!」


どうやら、父親の中では、私が王妃に選ばれるのは

決定事項らしい。


私はそんな訳ないでしょう、と心の中で突っ込みを入れながら、

ケーキにフォークを通す、


いちごの少しの酸味とクリームの甘味が絶妙で、

ついつい頬が緩んでしまう。


王妃候補に何人選ばれるかは分からないけれども、

おそらく私より家格が上の公爵令嬢もいるだろうし、


なんと言っても、辺境で育っているだけに、

槍を振り回すとか、おてんばに育っている。


貴族令嬢としてのマナーは最低限身に付けているが、

王妃となるべく教育を受けてきている令嬢に比べれば、

全然たいした事がない自覚がある。


それなのに、どうしてここまで王妃に選ばれると、

断言できるか分からない。

まあ、思い込みが激しい父親だけでなく、

ロザリーも頷いているだけに疑問。


まあ、正直王妃になろうという野望もない、

父親に言った通り、気軽に王都を楽しむつもりで出かけるつもりだ。

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