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生死の狭間
これは、大陸が二つに割れた、二つの国がある世界の物語。二つの国は、何年もの間に渡り、戦争を続けていた。
文化の違い、考え方の違い、相応の無理解の結果生まれた戦争は、二つの国ができた頃から長きに渡り、今も尚、その戦火をとどめようとしない。
人々は、いつ来るか分からない死と、いつまでも続くと錯覚する生の間で、二つの考えを得た。
死を悪とし、拒絶して生に縋り続ける者。
万物の命を平等とし、輪廻転生を信じて今を生きる者。
二つは決して交わることの無い、生と死への妄信とも言えるただの執着。