ワールドクラウン
ー1つの大地として始まった大陸は、あらゆる変動を重ね100の大地へと分断された。その1つ1つの大陸を国とし、国王と国民が存在する。その100の国全てに到達した者には世界の王の称号「ワールドクラウン」が贈呈される。その王冠を求め、人々は旅に出るのであった。
「旅の始まり」
100ある国の中でも、広大な国土面積を持つエンブレム王国。ここから今1人、旅に出る者がいた。
蕾九「ついにこの日が来た、準備はしてきた。俺たちなら絶対に世界の王になれる、なあそうだろ、逞輝、刹那」
逞輝「ああ蕾九この瞬間をどれだけ待ち侘びたことか!」
刹那「ちょっぴり寂しいけど、あたしも今すごくワクワクしてる!」
蕾九「どんな困難が待っていようと俺たちなら乗り越えられる」
逞輝「ああ、俺はお前たちを信じてるぜ」
刹那「さあ、行こうか!」
エンブレム王国から旅を始めた3人は、まずは隣国であるナイヤチ王国へと歩き始めた。
蕾九「ここから半日かかる、急ぐ必要もないんだ、ゆっくり行こう」
逞輝「ああ、ただわかってると思うがナイヤチ王国までの道中、迷いの森を通ることになる。度々人が行方不明になってる森だ、あそこは駆け足で抜けた方がいいだろう」
刹那「あたしも調べてみたんだけど、この数ヶ月で31人もの人が消息不明になってるみたい」
蕾九「みんな森の中から出られなくなってるってことか?」
刹那「ううん、そのあと国軍が調査しに行ったみたいなんだけど、どこを探しても人の気配すらなかったそうなの」
蕾九「よくわかんないなあ」
逞輝「とにかく、危険は出来るだけ避けたほうがいい、森に入る前に少し休息して、体を休めよう」
そして歩くこと数時間、迷いの森の前へと到達した。
蕾九「見た感じただの森だけど」
逞輝「よし、少し休もう」
刹那「あたしクッキー焼いてきたの、みんなで食べよ!」
逞輝「さあ、いくか」
蕾九「よし、みんな準備いいな、走るぞ」
森の中を走り続けていると、針が3人の横をかすめた、襲撃にあった。
5人が蕾九たちを囲み、全員が麻酔銃を持っていた。
蕾九「お前ら、なにすんだよ」
敵「俺たちは人攫いで稼いでるのさ、ガキが3人で森を抜けようとはご立派な!ただ、お前らの旅はここで終わりだ」
蕾九「ふざけんな!ここで行方不明になった人たちは全員おまえらがやったんだな」
刹那「ひどい…」
逞輝「蕾九、刹那、落ち着け。俺たちはたくさん修行してきた。こんな奴らに負けはしない、いくぞ」
その時、3人の腹部が輝き出した。
現在、国にはそれぞれ先代から継がれる固有の力がある、エンブレム王国の力は「紋章」。腹部に刻まれた紋章に沿った力をそれぞれが持っているのだ。
蕾九は拳、逞輝は蹴、刹那は時。
刹那「時間よ、止まれ!」
刹那は時間を操る紋章を持つ。止められる時間は3秒のみ。
蕾九と逞輝は瞬時に動く、蕾九は拳に力を纏い放つことができ、その力で2人を一気に殴り飛ばす。
逞輝は脚力が紋章によって人一倍あり、その足で3人を蹴り飛ばした。
蕾九「俺たちを舐めるな!」
倒れた5人を後にし、3人は足を進めた。
続