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8/21

犠牲

ブックマックありがとうございます!



、、、評価してくれてもいいのですよ?

「今日は本調子じゃないし、魔犬狩りをメインにしていこうか」


相変わらず桐生ダンジョンには人がいない。平日だしね。まぁ、周りに人が多いとやりにくいしありがたくはあるんだけれども。レイにのど飴をあげた。やっぱりおいしそうに食べる。


魔狼を相手した僕らにとって魔犬は所詮いぬっころで、前よりも簡単に倒すことができてしまう。初めのほうとか、傷だらけになって死にかけていたのに慣れってすごいわ。


ついつい興が乗ってダンジョンに潜り続けていると電話が鳴った。珍しい。群馬でツチノコが見つかるくらいの確率じゃないだろうか。つまり僕に電話してくる人がいることがあり得ないってことなんだけど


と思っていたら電話主は柊だった。


「もし、、、」


「あんたどこにいんのよ。」


桐生だけど


「今すぐ戻ってきなさい。」


「えぇ、、なんで。」


「いいから早く。」


あの様子だと僕の家に来て誰もいなかったから電話よこしたって感じだよな、、、リア充軍団が家囲んでるかも、もしかして柊に家教えたの間違っていた?


想像が膨らんで冷や汗が出た。


そう思いつつけど、後々のことを考えると無視することもできなく家まで帰ると柊が玄関で座っていた。


「遅い。」


「急に呼び出すからだよ。」


彼女は、キャリーバックを持っていた。


「あんたんち止まるから。」


「意味わからん。」


「貸し。」


いや、それとこれは違くね?


それとこれって何よ


いや、おかしいでしょ。


家族も心配するだろうし、


家族全員しんだわ。おかげで親族たらいまわし。もう疲れてきたからあんたんち泊まる。


理由になってないけど


めんどくさいわね


いや、、、大切なことじゃない?


とにかく決定事項、あとこれ返すわ。


そう言って彼女は僕に召喚石を渡した


これって


ボス倒したときに出てきた、どうせ私使わないしあんたが使えば。


召喚石はごくまれにボスからドロップ例があったがその希少価値から一個何億円という価値で取引されていた。アメリカと中国はその財力を使って召喚石を集めているってい噂もある。


喉から手が出るほどほしいけれど


「これは君が手に入れたものだ。」


いま僕の心はハンカチを口で引っ張てるよ。きぃぃぃーーー


「弱らせたのはあんたでしょ、メルティアもこれはあんたに与えるべきって言ってたわよ。

もちろんただじゃない、貸しだからあとで返してもらうわ。」


うへぇ、でかい貸しになりそう。でも誘惑に耐えきれず召喚石をもらってしまった。一度我慢したんだ、これ以上は失礼だし、拒否したらほんとに後悔しそう。


ありがとう、、、、


後で返してもらうからいいわ。あんた普段なんて呼ばれてるの。


呼ばれてないな、、、同級生はだれも僕の名前を呼んでくれない。先生が苗字で読んでくれることがあるくらい。


「、、、月島」


「名前は?」


「楓。」


「カエデ、これからよろしく。」


夕食は、柊とレイとメルティア全員で食べた。みんなで食べたほうがおいしいしね。


デザートにのど飴をあげた。


そして同棲するにあたり、問題、、、


「あのぉ、柊さん、お風呂はどうなさいますか?」


「先入るわ。残り湯飲んだら殺すから。」


「、、、僕シャワーだから入った後抜いてくれればいいよ。」


「ふぅーん。わざわざ入れたんだ。」


にやにやしながら柊は言った。うぜぇえ。


冷静になった一日をさすがに意味わからん。昨日まで女の子と話したことが数えるくらいしかったのに今同じ屋根の下。ベッドに入ってもなかなか寝付けない。


寝付けないでいると部屋に柊が入ってきた。寝ていると思ったのかもしれない。柊は何も言わないでベッドに潜ってきた。


ぎゅっと僕を後ろから抱き着く、顔をうずめた彼女は背中越しでもわかるくらい震えていた。


大丈夫?


そういうと彼女は首を甘噛みしてきた。


朝起きると彼女は家を出ていた。柊はおんなじシャンプーを使ったはずなのにベッドは女の子のいい匂いがした。




召喚石は使うか迷った。本当に使っていいのか。もらったから使いますって程、僕の肝は太くない。高価すぎて結局悩んで使わないでおくことにした。


今日も楽しく仲良く元気よく、桐生のダンジョンに挑みまする。目標は6層どんどん先に進んでいきたいね。僕たちはAとかSランクの人達に比べて効率よく回すことはできないから、、、


そういえばアメリカは30個近く、中国は20後半のダンジョンを攻略したらしい。先進国も軒並みダンジョンを攻略している。日本は少し遅れた形だが、攻略隊としてSランクの英雄を募集し始めたらしい。


マスメディアはあおるように各国のダンジョン踏破数を報道し、ダンジョンを攻略する者たちをたたえ始めた。


時代は英雄を必要としていた。


その影響もあってか桐生ダンジョンにも人影がちらほら表れ始めた。


正直な話。僕が攻略できそうなダンジョンは数えるほどしかない。このダンジョンなんかは特に難易度が低くAランクの人が何人か集まるだけで簡単に攻略されてしまうだろう。タスク報酬として召喚石をもらうためにもぜひとも攻略したかった。


レイ、今日はできるだけ上まで登ってみようか、、、


レイの魔法を温存して、6階層までいく。。もちろん出し惜しみをする気はないけれどかといっていつまでものろのろしていたら先を越されてしまうかもしれない。チャンスは時間とともに無くなっていくんだ。


8層に到着


レイの魔法もまだ10発は打てるほとんど最高の状態といっていいだろう。


前方には5匹の魔狼


「レイ、引き締めていこうか。」


相手も気が付いたようでこちらへ駆け出してきた。


、、、


レイのファイヤーで2匹をつぶした。


残り三匹、魔狼たちはお互いに距離を離し僕らの周りを旋回し、駆け抜ける。



前を張る僕と後ろで攻撃するレイの陣形が崩れかけていた。


一匹がレイに向かって、その強靭なあごで腕をかみ砕こうとする。レイに気を取られた瞬間残りの二匹が同時に僕へととびかかってきた。一匹はかろうじてバットで殴り飛ばせたが、もう一匹にのしかかられてしまう。


目の前に、赤く光った鋭い眼光。鋭い牙が僕の首へと狙いを定めて迫りくる。


とっさに首へ噛みつこうと開く口に慌てて左腕を突っ込んだ。


「うぐぅ、、」


魔狼はさらに力を籠め骨ごとかみ砕こうとする。やばい、痛い、やばい、やばい、やばい


ほとんどパニック状態になりながら右手で奴の目玉をえぐった。ぶちゃぁ 嫌な感覚とともに目をつぶす。さすがの魔狼もとび下がる。そこへレイの魔法が追い打ちをかけゲームセット。


腕がパンパンに腫れ、一ミリも動かせないが、痛みはない。きっと、もっと後から痛くなるんだろう。


まぁ結果といえば上々だ。だけど8層からは魔狼が複数体出てきたし、単純に突っ込んでくる魔狼も減った。連携されるだけでこんなにきつくなるのか。


足や急所を狙われて行くのは困難を極める。さすがに連戦は避けようと思って帰り支度をしたとき、ダンジョンの奥から車みたいな大きさの狼がこちらへ走ってくるのが見えた。あれはやばい。一目見ただけでわかるほどの存在感がある。


レイもそう感じたのだろう。


「シュ、クン、、、ニゲ、テ、、、」


そういうとレイは僕の背中を出口へと押した。小さな少女は狼と向き合った。


その行動にイラっと来た。


舐めるなよ、レイ、女の子一人で死地に向かわせるほど落ちぶれてもいないし、こちとら自殺願望者、命なんか惜しくないんだぁよ。


レイを押しのける。アドレナリンがどばどば出ているのを実感できる。それくらい感覚が研ぎ澄まされていく。


しかし心奮い立たせていざ対面するとやっぱ怖い。レイは近づかれる前に決着をつけようとファイヤーを放つがあまり効いているようには見えない。長期戦は覚悟しといたほうがいいか。


とりあえず受け止めるのは無理そうだから、ヘイト買いながら躱していく。車をよける感じに近い、疲労もピークだった僕はたちまちぶっ飛ばされた。


体が自然と受け身を取った。


何度目かぶっ飛ばされたとき、さすがに体がうまいように動なくなっていた。目がかすみ、骨の髄まで痛みが回る。ハンマーで殴られたような痛みが自脈とともに襲ってくる。気絶出来たらどんなにいいか、、、


注意力が散漫になるのを感じる。


レイの相当数のファイヤーを打っており、魔力も付きかけていると思う。


あーぁ、だめかもしれん。もちろんほかの人に比べればすごいといわれるわけでもないだろうが、よく頑張ったのではないだろうか。どうせ自分ごときが何かしようとしたところで無理だったんだ。


どうせ無理。とても簡単な言葉で、諦めを正当化させる言葉。


「シュ、、クンサ、ガ、ッテイテ、、、クダ、サイ。」


レイは僕の前に立っていた。彼女は明らかに華奢でそれこそあらしが吹けば飛ばされてしまいそうな体をしているのに、、、


レイは諦めていなかった。


僕はスマホを出して召喚石を使おうとする。


「大紅蓮の皇よ。我が魂をもって、願いを叶えたまえ。カタカナルビ振り結界魔法  紅蓮の黎明インフェルノ


それは少女の、青年を助けたいというささやかな願い。


代償はその魂。


辺りでは溶岩が噴出し、空さえも赤く燃える。この世の地獄の一つが目の前に広がったあった。


魔力の代わりに魂を使い、己の存在を焦がしながらも、対象を燃やす。


ア“ッァ˝ァ˝ァ˝


次第狼は燃え尽きた。


「っ、、レイ」


ほとんど本能的に彼女は青年のもとへ向かう。


少女の目は焼かれ、肌はこげ、五感はその役割を果たさない。


それでも少女は青年が感じられた。


出来るならば、もっと一緒にいたかった。とそう口ずさんで。そして少女は青年の胸の中で灰になった。


枯れたのどは空気を揺らすことは叶わなかった。


しかし少年には確かにその声が聞こえた。



書きたかった内容その1

もちろんレイはヒロインの一人ですよ?

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