漫才「オーケストラコンサート」
ツ=ツッコミ ボ=ボケ
ツ「いや~僕ねオーケストラが好きでね、よくクラシックのコンサートとか行くんですよね。」
ボ「しぶいね~。」
ツ「いや中々いいもんだよ。」
ボ「どんな感じなの?」
ツ「いいよ。入場から説明するね。」
ボ「いやダル...そこまで求めてないんだよなぁ。」
ツ「い、いいから聞いてくれよ。まず入場ねここは普通にチケットを係の人に渡す。」
ボ「すいません~チケット1枚で演奏会くださーい。」
ツ「そういう発想でチケット渡さないから。」
ボ「はい!演奏会一丁!」
ツ「そんな大将みたいな人いないから。演奏会を聴きに行く権利を買ってるだけだからね。」
ボ「はい!じゃあこの演奏会~10万~はい20万!25万~はい30万!」
ツ「んな競りみたいにして演奏会売るとかしないから。」
ボ「今年も『すしざんまい』が3億で買ったて。」
ツ「それはマグロの初競りだろ!んなことせずにスッと渡して入るの!」
ボ「はいはい。んで入ったらすぐ席に行くの?」
ツ「いやいや演奏会に知り合いが演奏してたら、その人の為のプレゼントをスタッフに預けるの。」
ボ「なるほど。」
ツ「それでどの楽器の誰に渡してほしいか書いてスタッフに渡すの。」
ボ「ほぉ~じゃあ『風切り音担当の吉田さん。』」
ツ「なんだよ『風切り音担当』って。」
ボ「あの一番前で棒を降ってる人。」
ツ「それは指揮者な。あれ指揮棒をビュンビュン降って風を切る音を出してるわけじゃない
のよ!」
ボ「んじゃあいつ何やってんだよ。」
ツ「オーケストラ全体を纏めてるんだよ!あいつとか言うな!まぁそれで、プレゼントにメッセージを書いたりするのよ。」
ボ「あ~『盗聴されてますよ』とか?」
ツ「いや映画とかで盗聴に気づいた奴が話相手にそーいうメモ渡すシーンあるけど!盗聴どころか演奏皆真正面で聞いてるからな!普通に『演奏会お疲れ様』とか書いとくんだよ!」
ボ「あんだけ大勢に盗聴されてるのになぁ~。んでプレゼント渡したら席に向かうの?」
ツ「席に座ってもいいけど、ロビーコンサートって言って、ロビーで待ち時間を退屈させないように少人数で演奏してるからそれを聞くのもいいんだよ。」
ボ「はぁ~特定の企業が自分達の有利になるように政府にお願いすることね。」
ツ「それはロビー活動な!そんな楽器持って政府にお願いしたりしないよ!」
ボ「うちに楽団にも金回してくれぇ!」
ツ「そんな演奏して国から金を要求しないから!どんな国なんだよ。」
ボ「それで感動した政治家がヴァイオリンのケースにお金入れてくれるんだろ?」
ツ「そんなストリートミュージシャンみたいなことやってねぇよ!」
ボ「そして鐘をカランカラン鳴らして『はい70万~』って。」
ツ「おいまた競りやってんじゃねぇか!今の演奏幾ら出しますか?じゃないんだよ!」
ボ「『3億で!』」
ツ「おい『すしざんまい』の社長来てるじぇねか! もう!ロビーコンサートはいいから演奏会始まるから!」
ボ「アンコール!アンコール!」
ツ「早い早い。もう帰りたがってるじゃん。」
ボ「いやまだ帰らないよ。今日の演奏で何の音が一番鳴ったかランキング当てないといけないから。」
ツ「激ムズな帰れま10やってんなぁ。『ミが153回で1位! シが136回で3位!」とか言ってんのか⁉」
ボ「『風切り音が72回で5位!』」
ツ「だからあれ指揮棒降ってんの!音なんか出てねぇし『風切り音』ってそもそも音階でも無いしな!」
ボ「あんだけ降ってるんだからランキングに入れてあげてもいいだろ!」
ツ「だとしたら『0回』で堂々の最下位だけどな! あのな!演奏会ってのは余計なこと考えずに静かに聞くの!」
ボ「なるほどね。演奏中に曲のオチ言っちゃうとかね。」
ツ「ネタ中にオチ言っちゃうみたいに言うなよ!お笑いライブのマナーの悪い客じゃねぇか!」
ボ「知ってる演奏してたら『あ~その曲知ってるわ~前も聴いたことあるわ~』って言うのも良くないな。」
ツ「それ『このネタ知ってるわ~前も見たことある~」ってマウント取ってるやつでしょ。ていうか演奏会で知ってる曲流れたらテンション上がるだろ!」
ボ「やっぱ最後のオチ知ってるからなぁ。」
ツ「最後まで知ってるからこそ曲を楽しめるんだろうが!お笑いのネタと一緒にするなよ!」
ボ「あの曲あの楽団もやってたな。パクリだな。」
ツ「ネタパクったみたいに言うな!オーケストラは同じ曲を色んな楽団が演奏するもんなの!」
ボ「喧嘩になったりしない?」
ツ「そんなことないから!しつこいな~。もう...それで最後まで聞いたら『ブラボー』って大きな声で言いながら拍手するの。」
ボ「ブラボー」
ツ「そうそう」
ボ「ブラボーー!」
ツ「あぁ感動したんだなぁ。」
ボ「『ミが153回で1位!』」
ツ「まだ帰れま10やってたのか!いい加減にしろ!」
ボ・ツ「どうもありがとうございました~」