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 知らない天井だ。

 意識が戻ってからまず思い浮かんだのがこの言葉である。

 はて? いったいどういう状況なんだろうか。

 首をまわして辺りを確認してみると、ここがかなり広い部屋であることがわかった。

 まわりには物が少なく清潔感があるわね。だだっ広い和室のど真ん中に布団が敷かれてあるようだわ。そこで爆睡していたのが私というわけか。

 うーん、こんな部屋知らないんだけど。

 とにかく自分の記憶をたどって、今の状況に至った経緯でも探ろうかな。

 えーっと……、間近な記憶で思い出すことといえば、やっぱり悪魔のことよね。私は悪魔との戦いに勝利をおさめたはず。

 でもそのあとの記憶がさっぱりと抜け落ちてるわ。

 はっ!? まさかからくも勝利したあと私も力尽きてしまったのでは。そしてラノベ御用達の転生をはたしてお約束「知らない天井」イベントがいま発生しているのよ。これは間違いないわ。

 そんな結論に達した私が、ちょっと興奮しながら新たな人生をどうコーディネートするか悩んでいたところ襖が開く。やってきたのは生徒会長とラカンだった


「その顔は変なことを考えていた顔」


 失敬な! 景気がいまいちな日本経済の心配をしていたのよ。いいかげん人の頭の中をわかったようにでたらめ言うのはやめなさい、ラカン。

 さっそく会長がラカンをたしなめていた。ウケケケケ。

 そのあと会長から事の顛末を聞かされる。

 会長たちはあの後しばらくしたら痺れから復活したらしい。私は悪魔との決着をつけたあと、すぐにぶっ倒れていたらしく手当されて本家で療養となったようだ。

 つまりここは屋敷のどこかということか。

 話を聞くとあの戦いの余波で屋敷のあちこちが破壊されてしまったらしい。私が泊ってた部屋も酷い有様だったそうな。

 ガーン! 私の荷物は無事なんでしょうね! さっそく謝罪と賠償を要求するわよ!

 ……でもよく考えると大したもの持ってきてなかったわね。秘密道具も安物ばかりだし寛大な心でゆるしてあげるわ。

 え? なんで急に態度を改めたのかだって? 別に私が悪魔と対峙したとき、煽りまくったせいでビリビリ攻撃による屋敷破壊を助長したことを思い出したからじゃないわよ。その責任を問われないか心配したわけじゃないんだからね。違うったら違うわよ。

 会長からはここでゆっくり休むようにお言葉をいただきました。ラカンは胡散臭そうなものを見る目だったけど何も言わなかった。フフン。

 さあて、しばらくは自堕落な生活を満喫するとしますか。そういえばジゴロあんちゃんはイってたけど逝ってはいなかったらしく、すでに元気になって屋敷の修復を手伝わされてるそうな。しぶとい。


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