表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/185

68

『馬鹿な!? 身動きがとれない……だと……』


 フッフッフッ。

 私は地面に倒れこんだまま勝ち誇っていた。

 カッコ悪いって? 確かにそうかもしれないけど、これまで受けたダメージのせいで立ち上がれないんだから仕方ないじゃない。

 それよりさっさと終わりにしましょうか。ちょっと小物っぽいところのある悪魔だったけど、それでも悪魔は悪魔よ。時間を与えたらなにをしでかすか分からないからね。

 今のところ完全にこの悪魔の動きを封じてるわけだけど、私にこの悪魔を直接叩く力はないわ。となると悪魔自身に決着をつけさせるしかないわよね。

 私はなれない操作で悪魔を私の意思で動かす。


『なんだ? 何をする気だ!?』


 狼狽えてる、狼狽えてる。ウケケケケ。

 私は悪魔に両腕を掲げさせると、その力を解放させた。


『なんのつもりだ!? よせ! やめろぉおおおお!』


 空に向かってビリビリ攻撃が発射される。一発、また一発と次々に空へと打ち上げられていく。

 こころなしか徐々に威力がなくなってきているような気がするわ。それでも十分すぎる破壊力がまだありそうだけど。

 うーん、これで消滅間際ってんだから、悪魔ってやつは存在するためにそうとう大きな力が必要みたいね。まあ、どうでもいいことか。

 さあ、これで終わりよ。私は遠慮なく悪魔の力を絞りだしつくした。


『そんな馬鹿な……。長きに渡り人々を恐怖に陥れてきた我が……。こんな小娘ひとりに敗北するなどと……』


 もはや存在し続けることができなくなったのか。半透明になってしまった悪魔が、さらに消えかけてながら断末魔のセリフを吐いた。

 ふん、出会い頭で私に弱みを見せてしまったのがアンタの運の尽きね。

 このダナコ。相手の弱みを突いて突いて突きまくるのに遠慮はしない女よ。地獄に堕ちて後悔するのね。


『まさかこんなところで……完全復活の間際で消えることになろうとは……。我が野望が……すべての人間を足がつった激痛で目覚めさせるという我が望みが……』


 悪魔はそれだけ言い残すと完全に消滅した。

 フゥ~、ギリギリの戦いだったけど、とりあえず私の勝ちね。

 それにしてもなんという恐ろしいことを……。まさかそれほどの無慈悲な野望を持った悪魔だったとは思ってなかったわ。

 小物っぽいだなんて、どうやら私のとんでもない勘違いだったみたいね。まさに大悪魔と呼ぶにふさわしい野望を抱いた強敵だったわ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ