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 よし、そうとわかれば……。爆破よ! ラカン!

 アンタも忍者の端くれなら爆弾くらいもってんでしょ?

 この床を吹き飛ばしてあげなさい!


「それは駄目」


 ラカンは相談してくるといって牢屋を出ていった。

 くっ、私たちだけでお宝を山分けすればいいのに。

 ん? そういえばラカンが争う音が聞こえるとかなんとか言ってなかったっけ?

 大丈夫なのかしら、あの娘。

 しばらくするとラカンが知らないオジさんをつれてきた。後ろから会長もついてきているわ。

 うーん、そういえば一度紹介されたような。たしか……、ラカンたちのパパンだったわね。

 オジさんは私を一瞥すると何も言わずに床を調べだした。

 うむ、これはあれね。ラカンの口数の少なさは父親譲りだわ。

 しばらくの間なにやらゴソゴソやっていたかとおもったら、突然ガコンという派手な音をたてて床がはずれた。

 そこにあったのは小さな空洞で、さらに下へと通じているのかさび付いた鉄製の扉があった。


「倉庫の下にこんなものがあったなんて……」


 どうやら会長も知らなかったらしい。これはますます事件のにおいがしますな。

 私はちょっと冒険心がくすぐられるような気分になってきたよ。


「――へえ、面白そうなことやってんじゃねえか」


 この声は!?

 倉庫の出入り口に今私が会いたくないナンバーワンの男が立っていた。私をこてんぱんにしてくれやがりました危ない兄さんである。


「貴方! 何を勝手に人の屋敷をうろついているの。だいたいさっき帰ったはずでしょ」


「ああ、屋敷を出ようとしていたら、お前らがそろってここに入っていくのが見えてな。なんか怪しい雰囲気だったからやってきてみれば――」


「これはどういうことですかな? 頭領」


 危ない兄さんの後ろから数名のおっさんたちが割り込んできた。こいつらは知らないわね。

 なにやらワイワイやってる間にラカンがこっそりと教えてくれたわ。話を聞くにどうやらこいつらが分家筋の連中らしい。

 つまりこのおっさんたちが目下私の敵というわけね。

 私が油断すまいと内心気合をいれなおしていると、なんやかんやと話が進み、みんなで扉の先を調べることとなったの。

 そして私はというと後ろ手で縛られてご同行とあいなりましたとさ。

 ――ってなんでよ!


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