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 倉の中でまず目についたのは古臭い鎧の数々ね。時代劇なんかで目にする鎧に近いけど、イマイチ地味だわ。そのうえかなりボロボロだし。

 他には大小様々な刃物を見つけた。これもかなりさびついてるし役に立たなさそう。

 たくさんある箱の中も確かめてみたけど、よくわからない道具がわんさかとあるだけだった。

 うーん、どれもあまり価値がなさそうね。全部骨董屋に売り払っても手数料代さえ稼げないかもしれないわ。


「勝手に売却する計画をたてないで」


 よし、次行ってみよう。

 こうして私とラカンはお宝発掘を続けたのだが、宝石の一つもでやしなかったわ、チッ。

 ほとんどの倉を検分し終わった私は正直がっかり気味である。

 他に面白そうなものはないかと見渡した私は、一軒の建物に注目した。

 離れかなにかなのだろうか? それにしては屋敷のスケールとは不釣り合いなほどに小さくみすぼらしい。


「あそこは物置」


 私の視線に気づいたのかラカンが答えてくれた。

 なるほど、倉の骨董品はガラクタ揃いだったけど、物置なら最近の品物があるかもしれないわね。ひょっとしたら会長の酒池肉林の資金源はここかも。

 そうよ! いけ好かない金持ちどもが金目の物を置いてないわけがないわ。


「ひどい言いよう」


 これは家探ししない手はないわね。

 いくわよ、ラカン! お宝をごっそり頂いて、この家の人間にギャフンと言わせてあげましょ!


「……」


 私は意気込んで物置に侵入した。

 なんだろう……、たしかに物置だけど、やたらと物騒な構えなんですが。

 高価なものを厳重に管理するにはいいとは思うけど、これはどう見ても牢にしか見えない。時代劇なんかで見る木造のやつね。


「たぶん昔は牢屋として使ってたんだと思う」


 なるほど、これはなにやら事件の匂いがするわね。

 再び迷探偵スイッチが入った私は、事件の痕跡を見逃すまいと牢のなかを調べようとしたけどカギがかかっていた。

 ラカン、出番よ! 忍者スキルでカギを開けなさい。


「金目のものをポケットのいれるからダメ」


 そう応えるとラカンは私を屋敷へとひっぱっていく。

 なんというレッテル貼り。こんな不当な扱い私はゆるさないわよ。

 名誉棄損だー。賠償を要求する!

 ラカンはそのまま会長のいるところまでつれていって私を黙らせた。

 フッ、なかなかやるようになったわね、ラカン。


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