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 今の私はいつものジャージを装着して気合十分よ。

 プレワークアウトは飲んでいないけどね。

 あの危険な兄ちゃんにボコられ、秘術開眼のきっかけをつかんで以降、禁プレワークアウトを続けているわ。あれがないと筋トレのときにいまいちテンションがあがらないんだけどいたしかたなし。

 その効果があったかというと、ちょっと微妙ね。

 例えばダンベルのトレーニングをしていたとして、あげられるダンベルの重量があがったとする。はたしてこれは筋力があがったのか、それとも秘術の効果であがったのか。超常の力について知識がない私には判断がつかないのよ。

 だからこそ忍術の基本、超常現象を起こす仕組みを知りたい。そこから超常の力を知覚するヒントが得られたなら、私の修行は大きく前進するだろう。

 というわけで頼んだわよ、ラカン。

 こうして私の過酷な忍術修行が始まった。


 そしてしばらくの時が流れ――。


 私たちは一棟の倉の前にいた。

 数十年前、この倉の中で首吊り遺体が発見されたと私の直感が囁いているわ。


「そんな事件起こってない」


 フッ、どうやらこの家の人間であるラカンにとっては、触れられたくなかった事件のようね。でも安心して頂戴。迷探偵ダナコ様が、この血塗られた風間一族の因縁に終止符をうってあげるわ。


「勝手に因縁を作らないでほしい」


 それじゃあ早速、倉を開けてもらおうかしら。探検の始まりよ!

 え? 修行はどうしたんだって?

 そんなのとっくに終わらせたわよ。トレーニングはやりすぎると筋力ダウンしちゃうからね。ほどほどがちょうどいいの!

 え? 筋トレじゃないだろうって? いいのよ!

 せっかくの夏休みだってのに、このまますべてを修行に費やすなんて勿体ないでしょ。

 だいたい忍術の仕組みとか思ったより難しくて、簡単には理解できないわ。夏休みは長いんだし、のんびりいくことにしたの。

 というわけで今は遊ぶ時間よ。この娯楽施設を隅から隅まで堪能してやる。


「人の家を娯楽施設扱いしないで」


 ……さっきからノリが悪いわよラカン。

 フウ、仕方ないわね。忍者のラカンにはミステリー系はあわなかったか。

 それなら伝奇物路線でいくわ。

 さあ、かつて風魔衆が封印したという異形の鬼とやらを拝みに行くわよ。

 いざ! 倉漁りへ!


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