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「彼女は私たちの恩人。だから私は彼女に協力しているし、もしまた魔術師が現れたら護ってみせる」


 おおぅ……。ラカン、アンタ本当にいい娘なのね。裏切者呼ばわりした私を許してちょうだい。


「ハッ、また助けてもらうの間違いじゃねえのか。そいつもお前みたいな弱い奴に教わることなんてないだろうさ。その役目、俺が代わってやるよ」


 いや、君はイケメンだけど厳しそうなんで遠慮しておきます。ファミレス食い放題のみのコースがあればお誘いください。


「これは私の任務。関係ない貴方は引っ込んでて」


「いいや、黙らねえよ。これ以上醜態をさらされたら、俺ら風魔衆のメンツにかかわる。お前らこそ引っ込んで修行しなおしてこい」


「……」


 ますますやばい状況になってきた気がする。私はまったく気にしてないので喧嘩はやめてプリーズ。


「ここで訓練をしてるってんならちょうどいい。俺がそいつに稽古をつけてやるよ。ついでに今からお前の試験をしてやる。お前に任務を任せられる実力があるのか、里に帰って修行をやり直すべきかをなあ!」


 うお! 急に激しい風が!

 あの男を中心に突風が発生しているみたい。まさか、あの男がやっているのか!?

 そういえば以前ラカンに助けられたときも、凄い風が起こっていたような気が……。

 これが本物の忍術なのか……。これは魔術とかに引けを取らないんじゃないか? ちょっとニンジャってやつに興味がわいてきたわ。

 って! うわわわわ!

 風強すぎなのよ! 目をあけてられないわ!

 ――と思ってたら突然二人の姿が消えた。いや、正確には姿を見逃してしまうほどのスピードで動き回っている。


「どうした! その程度が限界か!? 遅すぎて欠伸がでるぜ!」


 いやいや、どう考えてもめっちゃ速いでしょ。アンタの欠伸はどんだけ高速なのよ。もはやそれは欠伸じゃないわ。もしそんな欠伸が本当にあるのなら私に見せてほしいものね。思いっきり笑ってあげる自信があるわよ。

 そんなツッコミをしながら様子を見守っていたのだけれど、時折ラカンの姿が見え隠れし始めた。どうもダメージを受けるたびに足が止まっているようね。これはラカンのほうが劣勢な予感。


「話になんねえな! やっぱりお前は不合格だよ! 本物の忍術ってやつを見せてやる!」


 いや、今の攻防も十分すぎるほど本物だと思うんですけど。

 ……なんだ!?

 なにかパチパチと弾けるような光が――。


『疾風迅雷』


 激しい音とともにラカンの身体が宙を舞っていた。


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