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「タナカの異世界成り上がり」がコミカライズ!

「WEBコミックガンマぷらす」にて11月開始予定です。

 まさに一触即発。

 このタイミングで私は恐ろしいことに気が付いた。

 アンタたち! その手に持ってるものはなに!? 私の目には刀に見えるんですけどぉおおおお!

 となりを見るとラカンまで刃を構えていた。刃渡り三十センチもないくらいの小刀だけど、どう見ても立派な刃物です。ありがとうございました。

 なんて言ってる場合じゃないわ。

 私はガシリとラカンの肩をつかむ。


「……何?」


 ちょっとだけ煩わしそうな感じのラカン。その視線が私に向いたのと同時に戦闘が開始される。

 さっき私が捕まえたゾンビたちを拘束してた愛人ズのことからして予想してたけど、チーム生徒会強いわ。数的には圧倒的劣勢なんだけど、そんなの無視して無双してますわ。でも……。


「私も戦いたいんだけど」


 まあ、なんてこというのかしら。この娘っ子は。


「ちょっときなさい」


 私たちが入ってきた出入り口まで私はラカンを引っ張っていく。そして振り返ってチーム生徒会の雄姿を確認する。


「どうしてここまでつれてきたの?」


 それはもちろん私が戦闘に巻き込まれないためよ――とは言えない。それに理由は他にもあった。


「我が軍は圧倒的よ。あなた一人抜けたところで変わらないわ。それよりアイツの様子を見なさい」


「我が軍って……」


 ラカンは何か言いたそうだったが、敵の首領に目をやった。


「別に怪しいことはない。ただ立ってるだけ」


「そう、ただ立っているだけだわ。このままだとこちらが勝ちなのは明らかだというのにね」


 もう少し慌てたそぶりを見せてもいいと思う。それどころか逃げ出してもいいくらいに戦闘は一方的だった。

 もはやエドモンドとやらが相当に無能であるか、逆転の秘策を隠しているかのどちらかであろう。私的には前者をお願いしたいわ。

 でも今の私は脱ボッチのために、運を使い果たした可能性が高いわけで。ここは最悪を想定しておくべきでしょうね。


「私たちは何かあったときの保険よ。できればこのまま終わってほしいのだけれどね」


 私はリュックからダナコ印のプレワークアウトを取り出して一気に飲み干す。これでテンションあげあげよ。このままご機嫌な気分で帰りたいものだわ。

 こうして私とラカンが見守る中、チーム生徒会は恐ろしい早さでゾンビを一掃していった。

 そして――。


「さすがは現代まで続いた忍の一族。さすがにゾンビ程度ではとめられぬか」


「諦めなさい。死霊術を使おうにももはや媒体がないでしょう」


 エドモンドが会長たちに取り囲まれる。彼の表情はわからないがとても敗れる者の態度とは思えない。

 私は不意に気がつく。僅かにエドモンドの口元が動いていることに。

 背筋にぞわりとした感触が走る。

 そして次の瞬間、エドモンドを取り囲んでいた会長たちが崩れ落ちた。


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